☆この小説はイネの十四郎さんより投稿して頂いたものです。著作権はイネの十四郎さんが持っておられます。

イネの十四郎作 黒船館秘話
01_201407261745488c1






第3話:棕 櫚 縄 地 獄

「黒船館冒涜の罪」

 この重い、重い罪を、涼子は自らの体で償わなければならないのでございます。
 果たして彼女にこの重い罪の償いが出来るのでございましょうか・・・。
 懲罰の執行は、ご提案をなさった館員様に委ねられます。
 そう、あの、美しい女性の館員様の手に・・・。


*・゜゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。..。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 ある館員様から格別のお申し出がございました。
 この館員様は、表世界では、ドクターをなさっておられるとお見受けいたします。
 先ほどまで、甘美にして情熱的な、炎の調教を受けておりました涼子でございます。
 この館員様は、彼女の状態をお医者様の目で判断して下さるのでございましょう。

 皆様・・・、どうやら「ドクターストップ」でございます。
 ろうそくの調教に続いて、このまま贖罪のための三角木馬の刑を執行すれば生命に危険が及ぶおそれがある、とのご判断でございます。
 切断と殺害だけは、当、黒船館の禁止事項となっております。
 寛大な館員様方、どうかご理解いただきとう存じます。
 ドクターがご指示になったのは、水分・養分の補給と適度の休養、そして炎で炙られた患部の消毒でございます・・・。

 大の字に磔られたままの涼子から、猿ぐつわがはずされます。
 口の中にぎっしりと詰め込まれていた布が引き出されました。
 それは、彼女の唾液をたっぷり吸って、ぐっしょりと濡れております。
 布から涎が滴るほどに・・・。
 まさに、マニアの方々には、「垂涎の的」の布でございましょう・・・・。

「ドクターが、水分と栄養をお取りなさい、っておっしゃってるわ。」

 スポーツドリンクのボトルから伸びたストローが、彼女に口元に差し出されます。
 これは、とある館員様ご経営の会社で、マラソンやトライアスロン用に開発中のドリンクだそうでございます。
 水分と養分が同時にに摂取でき、吸収もきわめて早いという優れモノでございます。
 よほど水が欲しかったのでございましょう、ボトルの液体は見る見る減ってまいります。
 ボトル一本、ほぼ1リットルを彼女は飲み干しました。

「いい飲みっぷりね、さあ、もう一本どうぞ・・・。」

 しかし、そうそう飲めるものではございません。
 少し飲んだだけで彼女はストローから口を離します。

「あら、残しちゃだめでしょ、ドクターが水分を取りなさいっておっしゃったのよ・・・。」

 涼子にフェイスクラッチが装着されます。
 口の部分が水抜き栓のようになった、あの独特の猿ぐつわでございます。
 頭頂部につけられた金具に一本のロープが結ばれました。

 ロープのもう一端は、彼女が磔られている十字架の、ちょうど背中のあたりでしょうか、そこに小さな穴が開いているのですが、その穴を通って、後ろの巻き取り機に繋がれます。
 キリ・キリ・キリ・キリ・・・縄が巻き取られていきます。
 それにつれて、彼女の顔が次第に上を向いてまいります。

 巻き上げ機は、大の字磔のままの彼女を、天を仰ぐ姿勢に固定いたしました。
 のけぞったおとがいの美しいこと・・・。

 フェイスクラッチの穴が真上を向いております。
 その穴にぴったりはまる、大きな漏斗が差し込まれました。

「さあ、お飲み・・・」

 ボトルから漏斗へ、液体が一気に注がれていきます。

「・・・・・!」

 彼女は、液体が口に入らないように、あわてて舌で漏斗の先をふさごうとします。
 でも、太い漏斗の管先は彼女の小さな舌ではふさぎきれないのでございましょう。

 液体はたちまち彼女の口の中を満たします。
 かわいい頬が、ぷっくりと膨らんできます。
 漏斗の中には、口に入りきらない液体が、たくさんたまっています。
 彼女のサイズに合わせて制作されているフェイスクラッチは、ぴったりとフィットして、一滴たりとも液体を外には漏らしはしません。

  かわいいお鼻をちょっとつまんでみましょう。
 それが、どんな効果をもたらすか、皆様もう、お分かりでございましょう?
 これを全部飲みきるよりほかに、彼女に道はないのでございます。

 喉の動きにつれて、彼女のお腹が次第にぷっくりと膨らんでまいります。
 ようやく漏斗を空にした彼女は、苦しげに肩で息をしております。
 漏斗を通して、空気の出入りする音がはっきりと聞こえます。

「もっと飲むのよ」

 再び、液体が漏斗に注がれます。
 もう、これ以上、お腹には入らないのでございましょうか。
 彼女がどんなにがんばっても液体は漏斗の中にたまったまま、減る気配がございません。

「仕方ないわね、ほら、手伝ってあげる」

 館員様はまた、彼女の鼻をおつまみになりました。
 涼子の目が白黒しております。

 こうして、彼女は、とうとうボトル3本半ほどを飲まされたのでございます。
 水分を吸収した体から、再び汗が噴き出し、白い肌を伝って流れ落ちはじめます。
 大きくあえぐ呼吸に合わせて彼女の胸が、腹が、ヌラヌラと光りながら波打っております。

 スリムな彼女の、お腹の部分だけが、液体を詰め込まれて大きく大きく膨らんでおります。
 まあ、ご安心下さい。
 このドリンクはきわめて吸収が早うございますから、先ほどまでの炎の調教で、体中の水を搾り取られた彼女の体は、10分も経てばすべてを吸収して、また、元の美しいスタイルに戻ることでございましょう。

 このドリンク、実はまだ市販できないのだそうでございます。
 理由の一つはドーピングにかかる可能性があるため、そしてもう一つは、走りながら飲むには「重すぎる」のでございます。
 なにしろ養分がぎっしり詰まっておりますから・・・。

 1リットル入りのボトル一本で、まるで鉄アレイのような重さでございます。
 重りを持ちながらのマラソンやトライアスロンでは、タイムにずいぶんと影響いたしますから・・・。
 今、彼女はこれを3本半、体内に入れました。

 その体で後ほど木馬に乗るのでございます。
 それはもう、大いに後悔することになりましょう。
 影響は・・・マラソンの比ではございますまい・・・。

 水分と養分の捕球は済みました。
 美しい顔を隠してしまう無粋なフェイスクラッチは、もはや不要でございます。
 彼女がドリンクを吐き出さないように、普通の猿ぐつわと取り替えましょう。

 これは、懲罰の辛さのに耐えかねた彼女が、舌を噛んでしまうのを予防することにもなるのでございます。
 当館では「殺害と切断」は厳禁でございますからなあ・・・・。
 あとは患部の消毒でございます。

 これまた、とある館員様から頂戴した、開発中の薬品を使わせて頂きましょう。
 効果は抜群でございます。
 開発チームの課題は刺激を押さえることだそうでございまして・・・。

 トウガラシのエキスをさらに濃縮したお薬でございます。
 100倍ほどに薄めても殺菌効果は抜群なのですが、とても刺激が強すぎて、まだ一般には使えないのだそうでございます。
 本日は、いかほどの濃度で使用いたしましょうか?

 薬ビンの蓋をちょっと開けただけで、ものすごい刺激臭でございます。
 強烈で涙が出てまいります・・・。
 では、どなたか、しっかりと消毒をしてあげて下さいますよう・・・。

 たっぷりと原液を含んだ刷毛が、ろうそくの炎で調教された彼女のクレバスをなぞります・・・。
 激しくのたうち回る女体の美しさ。
 新しい猿ぐつわを通して、甘美なるBGMも流れてまいります。

 これだけ動けるならば、そろそろ、休養も十分でございましょう。
 彼女、今宵サロンに引き出されたときと同じくらいに体が動き、声も出ているではございませんか。
「若草焼き」が始まったときと同じくらいに元気が回復しております。

 水分・養分の補給、患部の消毒、休養。
 ドクターの提示された条件は、すべてクリアされました・・・。

「指定の品でございます。」

 所蔵品庫から、彼女自らがが選択した「所蔵品リストNo.4ー9ー13」が運ばれてまいりました。

「三角木馬」でございます。

 サロンの中央にしっかりと据え付けられます。

 大の字に磔られた彼女の股間を通って、一本のロープが三角木馬の後端に繋がれました。
 棕櫚で編まれたロープでございます。
 堅い繊維がチクチクと無数に飛び出している、あの「いやらしい」棕櫚縄でございます。
 まるで、木馬から長いしっぽが生えているような眺めではございませんか。

 ロープには13個の、大きな結び目が作られております。
 このコブは、処刑台にのぼる13階段になぞらえたもの・・・。
 罪人にふさわしい棕櫚縄でございます。
 このロープが、彼女を三角木馬に導くのでございます。

「あなたへのはなむけよ」

 涼子の「冒涜の罪」を告発して下さった女性館員様から薔薇の花束がプレゼントされました。
 スタッフの手によって、13あるコブの一つ一つに、その真っ赤な薔薇が差し込まれ、結びつけられてまいります。

 十字架の後ろにある巻き上げ機が、今度は木馬に繋がるこのロープを巻き取り始めます。
 ロープは次第に床を離れ、高さを増していきます。
 それはゆらゆらと揺れて、彼女の内股に当たりながら、やがて、彼女の足の付け根の高さにまで到達いたしました。

 ろうそくの火になぶられた彼女の股間は、軽く触れただけでも激痛が走るのでございましょう。
 猿ぐつわを通して、美しい悲鳴が上がります。
 棕櫚縄が柔肉を擦っているのでございます。

 両足の鎖が解かれます。
 足を閉じれば股間の位置も高くできる・・・ようやく自由になった足をあわてて閉じて、彼女はロープの刺激から逃れようといたします。
 が、ロープの巻き上げは終わりません。

 涼子はこのロープを跨ぎこそうといたします。
 でも、もはやロープの高さと張力は、彼女には跨ぎ越せないほどになっているのです。
 彼女はつま先立ちになって最後の抵抗を試みます。
 虚しくはかないその抵抗・・・。

 絶え間ない悲鳴が猿ぐつわを通して流れ出ます。
 彼女は美しく身悶えます。

 やがてロープは、彼女のクレバスを割り裂き、その真ん中に食い込んで、肉襞の間に没して行きました。

 手を固定している鎖が解かれました。
 彼女の手首には先ほどまでの調教でついた鎖の痕が残り、血が滲んでおります。

 その両手首が、今度は体の前でひとまとめに縛られます。
 縄じりは木馬の上の天井から吊された滑車に通されました。
 歩むのを拒む時は、この縄を引いて、歩かせるのでございます。

 髪にも引き縄をつけた方がよろしゅうございますか?
 かしこまりました。
 ショートカットで、いささか難しゅうございますが、館員様がお望みでございますならば・・・。
 それは、それは、効果は絶大でございましょう。

 それでもなお、歩むのを拒みますときは、どうぞ、皆様で、彼女を「優しく」励ましてあげて下さいますように・・・。

 三角木馬に向かって一直線に、ピーンと張ったロープ。
 13の結び目に、大輪の薔薇が咲いております。

「素敵な足・・・長くてきれいね。この薔薇の花を全部散らせながら歩くのよ。さあ、行きなさい。」

 手首と髪を縄で引かれ、彼女はよろよろと一歩を踏み出します。
 食い込んだ棕櫚のロープが柔らかい皮膚を、肉を、擦ります。
 美しい苦悶の表情!つま先立った足が震えます。
 体は不安定によろめきます。

 さらに次の一歩・・・。

 また一歩・・・。

 彼女は数センチずつ前に進みます。
 つま先立ちのかかとが次第に高さを増してまいります。

「遅いわ! もっと早く歩けないの!?」

 鞭がとびます。
 白いおしりに鮮やかな一文字が浮き出てまいります。
 猿ぐつわを通してあふれ出る、くぐもったうめき声・・・。
 彼女は苦痛に身をもみます。

「どうして止まるの、早く歩きなさい、!」

 彼女には、立ち止まって悶える事すら許されないのです。

 一歩、また一歩・・・。

 苦しみながら、ようやく彼女は最初のコブに到達いたしました。
 コブにくくりつけられた薔薇の茎が白いももに触れ、結び目のところで折れて、前方に押し出されます。

「さあ、早く!」

 鞭に催促され、手と髪を引かれ、彼女はコブを乗り越えようとします。
 棕櫚縄のコブは彼女の秘裂を大きく二つに割り広げ、股間に没して行きます・・・。

 と、彼女の歩みが止まりました。
 彼女の下の口が、コブをくわえ込んでしまったのでございましょう。

 大きな結び目がクレバス中央の「穴」に埋もれてしまったのです。
 彼女は前にも後ろにも動けません。

「何をしているの、前に進むのよ!」

 でも、どんなに髪を引かれても、鞭を当てられても、彼女にはどうする事も出来ません。
 動くことが出来ないのでございます。

 手が、思いっきりグイッと引かれます。
 その勢いで、ようやくコブは穴をはずれ少しに動いたようでございます。
 しかし、すぐに、次の、後ろの穴にはまりこんでしまいます。

 前に進むようにとの、矢のような、嵐のような、館員様のご催促・・・。
 再び手の縄が引かれます。
 やっとの事でコブは、彼女のかわいいおしりの谷間から後ろに抜け出てまいりました。

 ロープに咲いた大輪の薔薇。
「若草焼き」で失った翳りに代わって、その花が、彼女の裂唇を隠すかのように大きく見事に咲き誇っております。
 白い肌に赤い薔薇、美しい眺めではございませんか!

「さあ、その花を散らせてごらん」

 彼女が前に進むにつれて、両足に挟まれた薔薇の花は崩れて、花びらがパラパラと散り落ちてまいります。
 やがて薔薇の花は引きちぎられ、花の付け根からプツリ、と切れて落ちました。

 残ったのは茎の部分でございます。
 彼女は、この、棘のたくさんついた茎を、柔らかい腿にしっかりと挟んだまま、つま先立ちで前に進まなくてはならないのでございます。
 足を開いて、棘を避けるような余裕はありません。
 ピーンと張りつめた棕櫚縄が、彼女の自由を奪っているのです。

 茎は、花のようには容易にはむしれてくれません。
 彼女の内股にも、柔襞にも、幾筋も幾筋も、棘の痕が刻まれて行くのでございます。
 ナイフで刻んだような赤い筋・・・。

 先ほどまで炎で炙られていた柔肌は、棕櫚のロープで擦られてすりむけたのでございましょう。
 薔薇の花びらと同じ色の滴が、白い内股を伝ってまいります。

「さあ、歩くのよ、もう一歩。ほら、もう一歩・・・」

 優しいお言葉・・・。
 女性の館員様が涼子の髪をつかんでエスコートして下さいます。

 彼女は更に前進いたします。
 いえ、前進させられます。
 髪を引かれて、目をつり上げながら。

 鞭に追われて、涙にむせびながら。
 炎で炙られた股間に食い込む棕櫚のロープにこすられながら・・・。

 一歩、二歩・・・もはや「歩」と言う表現は適切ではございません。
 彼女の一歩は、いまや足の親指一つ分ほどでしかないのでございます。
 つま先立ち・・・いえ、もう今は足の親指の先だけで立っているようなもの・・。

 ロープは先に進むほどに床からの高さを増してまいります。
 一歩・二歩と、あんなに苦労してにじり進んでも、バランスを崩せば、たちまち三歩・四歩と後退してしまうのでございます。
 今度は棕櫚が、彼女の股間を逆に擦り上げます。

 ロープの高さが彼女のつま先だった足の長さを若干越えたようでございます。
 これ以上の前進する事が不可能なポイントに、彼女は到達いたしました。
 鞭に追い立てられ、目一杯つま先で立ち、体を少し前にかがめ、彼女は前進を試みますが、ロープの食い込みはもはや前進を許しません。

 棕櫚のロープがピーンと張りつめて、彼女の柔らかい肉の間にめり込んでおります。
 手を繋いだ縄を強く引けば、彼女の足は床を離れてしまうことでございましょう、股間のロープに全体重を預けて・・・。
「仕方ないわね、踏み台を用意してあげる。」

 つま先だった足のほんの少し前に、高さ10センチほどのステップが置かれます。
 彼女はロープに体重をあずけた格好です。

 彼女の右足は数回、試すように空をかいておりましたが、ようやく親指の先が踏み台にかかりました。
 その姿勢で彼女は、しばらく呼吸を整えております。
 猿ぐつわで封じられて、口では息が出来ません。

 鼻だけの呼吸は、こんな時、辛いものでございましょうなあ・・・。
 しばらくして彼女、今度は左の足を前に出しますが、バランスがとれません。
 よろけたとたんにロープが股間に激しく食い込みます。

 ロープに擦られながら、二歩・三歩、せっかく歩んできた道を逆戻りです。
 倒れそうになる体を、両手を吊った縄が引っぱって支えます。

「しっかりしてね・・・。せっかくの踏み台よ・・・。」

 彼女は再びステップに挑戦させられます。
 ようやく両足を、わずか高さ10センチほどの踏み台に乗せることが出来ました。

「どうかもう、後戻りしませんように・・・これは、おまじない・・・。」

 クスリ、っとお笑いになりながら女性館員様は涼子の後ろに画鋲をお撒きになりました。
 バランスを崩し、後ろに下がれば、地獄の針の山を踏まなければなりません。

 コブの食い込み、薔薇の棘、つま先立ちの限界点、ステップを上がる難しさ、地獄の針の山・・・・。
 涼子は13回、これを繰り返すのです。

 体中から、汗が滝のように流れ落ちます。
 白い体が上気して、美しいピンクに染まっています。

 彼女の通った後には、赤い薔薇の花びらが散り敷かれています。
 内股を、幾筋も幾筋も赤い液体がつたい流れて行きます。
 そして、白い股間を飾る棘の傷跡・・・。

 何段目からか、踏み台は左右に分けられました。
 踏み出す足も、次第に左右に分かれてまいります。
 進むに連れて、次第に足が開いて行くのでございます。
 そう、ちょうど三角木馬を跨ぐような格好に、涼子は導かれているのでございます。

 流れ落ちる汗と涙で目がかすんで、彼女にはまわりの状況がよく見えないのでございましょう。
 痛さ、辛さ、苦しさ、疲労・・・意識朦朧としながらも、手と髪に結ばれた縄に引かれて、地獄の綱渡りは続きます。
 ギリギリまで張りつめた棕櫚縄に割り裂かれ、こすり上げられる秘唇・・・まるでノコギリの歯の上を通されているようなものでございましょう。
 しかも彼女は、「若草焼き」を施されたばかりなのです。

 汗をしたたらせ、涙を流し、よろめきながら、足を震わせながら、悲鳴を上げながらの果てしない「綱渡り」・・・。

「さあ、足を前に出しなさい・・・そう、もう一歩・・・ステップを上がって・・・」

 股間に食い込む棕櫚縄の圧迫がふっとなくなりました。
 涼子は、人の字型に吊られた姿勢で立っています。

「そこで止まっていいわ」

 何がどうなったのか、苦痛に悩乱し、涙と汗で目がかすんでいる涼子には、わかりません。
 今まで自分を苛み続けた棕櫚縄はどうしたんだろう・・・彼女は下を向いて、目をしばたたかせます。
 頬から、あごから、鼻の先から、ポタポタと玉のような汗が落ちて行きました。

 両手を吊った縄にすがって、彼女はやっと立っています。
 つま先だった足は震えています。
 耐え難い苦痛、激しい運動、猿ぐつわで覆われた口・・・彼女の胸が、肩が、腹が、空気を求めて激しく脈動しております。
 鼻からしか息が出来ない辛さ、苦しさ・・・。

 ようやく、汗と涙から視界を回復した彼女の目に、自分の胸の谷間をを流れ落ちてゆく汗の流れが見えてまいりました。
 その下に、呼吸を求めて激しく動いているおへそ、翳りを失って傷だらけにされたデルタ地帯・・・・。

 そして、彼女は気付きます。
 自身のクレバスのすぐ下に、鋭く屹立する三角木馬の峰がそびえていることを・・・。

 皆様、黒船館冒涜の罪、まもなく「贖罪」の始まりでございます。
 涼子は今、ようやく「三角木馬」の上に立ったのでございます。

続く→黒船館秘話 リョウコ地獄編 第4話:棘 鞭 地 獄

戻る→黒船館秘話 リョウコ地獄編 第2話:熱 蝋 地 獄

黒船館秘話 目次

投稿小説一覧