第61夜 サンタ屋
サンタ屋
 互いに好き合っていながら自分の気持ちに気付かず、幼ななじみのカワイコちゃんを別の男に紹介して後悔し、クリスマスイブにAVを鑑賞している少年。するとPC画面から「サンタ屋」の文字が飛び込んで来て時空が歪み、気が付くとヤクザのような強面のサンタと、天使だと言うAV女優のようなエロエロのお姉さんに対面していたのだった。望みを叶えてやろうと言うサンタに、少年は幼なじみを取り戻したい、と告白させられるが……(約5万字)

2,サンタ屋登場(3941字)

ーーまだカキ足りないな。このまま見るか

 2度も射精してしまったのに、鬱屈したモノが溜まったような僕のペニスはまだ衰えず出せそうだった。そしてセーラー服をどんどん脱がされて、大勢になぶられる強烈な輪姦に突入していくラムちゃんをミサに見立てていると、僕は奇妙に興奮し凶暴な衝動に駆られてそのままハードなAVを鑑賞しながら虚しいせんずりに励んだ。

ーーあんな風に、ミサに僕のチンポをシコシコしたりチュパチュパしてもらったら、どんなに気持ちいいだろう。ミサってバージンだろうな……

 たくさんのチンコを嬉しそうに両手でシゴき口に含んで相手しているラムちゃんを見ていると、どうしてもそんなことを考えちまう。ミサはあの純情な様子からして間違いなく処女だろう。でも、もしかしたら今日のデートで高木の野郎に奪われてしまうかも知れない。何しろ前の彼女と別れてすぐ速攻でミサをゲットしたくらい手の早い男なんだ。しかもその片棒を担いだのが僕だと言うのが、実に痛い所だが。そう考えた僕はとてもいたたまれなくなり、どんどん過激になっていくAVの画面に合わせて猛スピードに手の動きを速め、三度目でさすがになかなか訪れないザーメンの放出に持って行った。 

「うお、で、出るよ! ミサッ!」

 そしてミサをラムちゃんに重ね合わせてスパートした僕が、うまくビデオのクライマックスとも合わせて、猛烈な虚脱感を伴うであろう三発目の欲情をビュッとしぶかせた時だった。

ーーな、何だこれは!? 僕、出し過ぎて幻覚でも見てるのかなあ?

 ラムちゃんがたくさんのチンポから発射された汚い汁をぶっ掛けられているラストシーンを見ていたと思ったら、突然画面がブラックアウトして毒々しいショッキングピンクの文字列が目に飛び込んで来たんだ。

 あなたの夢を何でも叶えます。「サンタ屋」へようこそ

 趣味の悪いピンクの文字列を読み終えたと思った次の瞬間、僕はこれまで経験したことのない不思議なトリップ感に襲われた。たとえて言うなら夢の中のような、だけどもっと現実味のある奇妙な感覚の中、周りの光景がフェイドアウトして僕は何もない空間に彷徨いこんでいた。と、思ったら。

 ガラン、ガラン、ガラン!

 まるで福引会場で一等賞が出たような鐘の音が聞こえて、僕はいっぺんに現実世界に引き戻されたような気分になり、次にはパンパンパーン、と派手に爆竹が鳴った。そしてハッと気付くと、なぜか目の前にハダカの女の人がいて、クス玉を割りながら大きな声で言ったんだ。

「おめでとうございます! あなたがサンタ屋の1人目のお客様です!」

 同じ文字を書いた垂れ幕が、やたら大量の色とりどりな紙吹雪が舞い落ちた後から見えたけど、それより何より、とてもキレイで色っぽくて巨乳でスタイルの良い、まるでAV女優みたいなハダカのお姉さんに僕は目を奪われていた。すると次にドスの利いた太い男の声が聞こえ、僕はクス玉の斜め向こうの机に着いていたサンタクロースの衣装を着た男に気付いた。

「よう、ボウズ、おめでとう! オメエがサンタ屋初の客だ。サービスするぜ」
「あ、あの……」
「まあ、遠慮してねえで、こっちへ来な」

ーー怖えよ、このサンタ。ヤクザじゃないのか?

 その男はサンタの衣装がまるで似合わない、背中に龍の彫り物でもありそうな、角刈りで目付きがやたら鋭い怖そうなオッサンだった。体付きもデカくて、まるでプロレスラーみたいだ。

「おいボウズ! オメエ、俺を見てヤクザみたいだと思ってんだろ?」
「……い、いえ、そんなことは……」

 僕は図星を指されてドキッとし、どう答えるべきか迷った末にウソをついた。ところが、それを聞いた男は激怒して立ち上がる。するとやはり身長が2メートル近くありそうな大男だったんで、僕は情けないことに腰を抜かしてへたり込んでしまった。

「なんだとお! ウソをつくんじゃねえ!」
「す、すみません! ヤクザだと思いました」
「あたりめえだ! こちとら、ダテに何十年もこの道をやってんじゃねえんだからよ!」

ーーマジでヤクザなのか! この人。しかし、これは一体……

 両手両脚を床に付いて恐怖ですくみ上がりながら、僕はまるで状況がつかめず参ってしまった。とりあえずサンタの格好をしたヤクザには逆らわない方が良さそうだ。ふと気付くと僕はパンツ一丁で、さっきまでせんずっていた萎えチンポを社会の窓から露出させていたんで、慌てて中にしまった。小さな事務所みたいな部屋は空調が利いているのか全然寒くはない。部屋と言ったが、四方を取り囲んだ白い壁? には出入り口や窓らしき物が一切見当たらない不思議な空間だ。まるで牢屋じゃないか。そしてそう思った時、僕は改めて恐怖がドッと込み上げ、全身に冷や汗が流れるような気分を味わっていた。

ーーこれはタチの悪い夢に違いない。早く覚めてくれ、気分が悪い

「まあまあまあサンタさん。お客様なんですから、もっと丁寧に」
「お、ワリイな。さすがは天使だ」
「ふふふ、イケない子ね。又こんなにさせちゃって」
「アンタのおかげだ。恩に着るぜ」

 やっぱりこれは夢なんだろう。何だかよくわからない奇妙な会話のやり取りが行われ、「天使」と呼ばれたハダカのお姉さんはヤクザサンタをなだめるようにソファーに座らせると、何とふんぞり返った男の股間からチンポを取り出していた。それは男の巨体に釣り合ったデカさで、僕の倍はあるんじゃないだろうか? いかにもスケベそうなお姉さんは、ニッコリ微笑みながらビンビンに反り返ったソレを嬉しそうに手でしごいたかと思ったら、パックンチョと血のように真っ赤なルージュを引いた唇にくわえてしまった。ケバケバしい厚化粧やエッチな体付きから受ける印象そのままで、やることもまるきりAV女優だ。まあ男からすれば「天使」のような女性だと言えなくもない。

「おお、さすがに天使のフェラは最高だな。おい、ボウズ。情けねえ顔してねえで、オメエもこっちへ来い。キレイな天使の姉ちゃんがかわいがってくれるぞ」
「は、はい……」
「来いっ、つってんだよ! テメエ、しばかれてえのか?」
「ごめんなさい!」

 サンタの格好をしているが見るからに凶悪な巨漢ヤクザの迫力にすっかり怯えていた僕は、本当に腰が抜けたようで動けなかったんである。ところが、ジュバッジュバッと離れていても聞こえる卑猥な水音までさせながらヤクザのペニスをしゃぶっていたお姉さんが、口を離して言葉を発すると、僕の体は勝手に動き始めた。

「さあボク。こっちにいらっしゃい」

ーーえ!? 僕の足、急に動き始めたぞ

 どういうことだろう? まるでお姉さんのハスキーで色っぽい声に操られるかのように、へたり込んで動けなかった僕の体が勝手に立ち上がり、2人の方へと歩いて行ってしまったんである。

「うふふ、いらっしゃ~い。じゃあ、パンツを脱いで渡してね」

ーーええ~っ!?

 僕はさすがに強くためらいを覚えたんだけど、お姉さんに言われるとまるで催眠術にでも掛かったかのように従ってしまう。すぐに脱いだパンツを彼女に手渡すと、しょぼんと萎れたペニスを両手で隠しながら、僕はその場に立ち竦んでいた。

「あらあ。このパンツ濡れちゃってるわねえ」
「すみません」
「何だテメエ! チビリやがったのか?」
「ダメよ、サンタさん。この子怖がってるんだからあ」

 参った。僕は本物のヤクザの恐怖で腰を抜かすと共に失禁までしちまってたんだ。そしてその怖いオッサンに接近して、ますます身の毛もよだつようなゾッとする気分なのに、その場から一歩も動けない。

「さあボク隠さないで。両手を背中に回して、お姉さんにオチンチンを見せてちょうだい」
「何だボウズ。オメエもインポなのか?」
「い、いえ、違います」

 もちろんさっきラムちゃんのビデオで3発も抜いてしまったからだ。それにしても何て生々しい悪夢なんだろう。夢ならこんな所までリアルでなくたっていいのに。

「じゃあお姉さんが調べてアゲル。そこに仰向けになってちょうだい」
「なあ天使さんよ、すまねえがその前に出させてくれねえか? このままじゃ落ち着いていられねえ」
「あら、ごめんね、サンタさん。さあ、タップリ出してちょうだい」

 僕が床に仰向けで寝そべると、お姉さんは浅黒いヤクザのチンポへのフェラを再開した。間近で見るエッチな行為の迫力に僕の目は釘付けになり、「無修正」なんか興奮しないんじゃないか? と思ってた考えを修正する。お姉さんのくびれまくったボディーは生ツバもので、巨乳がタップンタップン揺れるのにも大いに興奮させられたが、何と言ってもヤクザのめちゃくちゃにデカい勃起チンポをヌラヌラと嫌らしく光るお姉さんの毒々しい真っ赤な唇が激しくストロークしてるのが、とんでもない卑猥な光景だった。

ーーそうか、これが「無修正」ってやつか。めちゃ興奮するじゃん

 僕はこの時お姉さんの下半身まではよく見る余裕がなかったんだけど、そうしたらもっと興奮してたに違いない。ヤクザサンタは、うおおっ! と吼えるとお姉さんの口の中に出してしまったらしかった。するとお姉さんは唇を離して口を開き、中からドロリと大量の白濁液を涎と一緒に顔の外に垂れ流して僕に見せた。これも何ともそそられる嫌らしい光景だ。

「後始末よ、サンタさん」
「お、又その気になっちまうじゃねえか」

 一旦口を離したお姉さんは顔に付着したザーメンを拭こうともせず、再びヤクザの柔らかくなった巨根にむしゃぶり付くと、クチュクチュと「お掃除」に励み、舐め取った精液をゴックンと喉を鳴らして飲み干して見せた。するとヤクザは再び強烈な勃起を取り戻していたが、見ている僕の方は興奮してもさすがに萎えたままである。いくら何でも3連続射精の直後に勃起させるのは人間業じゃないだろう。

続く→サンタ屋 3.エロエロ天使と札付きサンタ
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