弟66夜 奴隷ノート

書かれた事は何でも実現してしまう「奴隷ノート」によって、大人しく目立たないクラスメイトを熱愛してしまったヒロイン詩織。「ご主人様」になった彼はしかし、まだ童貞で煮え切らず、詩織の方が積極的にふるまって淫らな関係に溺れていく。ところが、ノートが尽きる寸前に彼の書いた内容は詩織が最も恐れるものだったのだ。ノートに翻弄されてズタズタに弄ばれる美少女の心理を描くソフトMC。 (約9万字)
2.9月6日(火)(4887字)
次の日の朝。いつになく早く登校した私は、やっぱりこんな時間じゃ誰も来てないよね、とキョロキョロ辺りを見回しながら自分の教室に到着し、ドアを開ける。するとサトル君はもう待っててくれた。まだ朝7時前だと言うのに。「奴隷ノート」の事とか、人に見られちゃ恥ずかしいから登下校の時だけカップルとして会う約束してて、朝は出来るだけ早く会おうね、と約束はしてたんだけど、こんなに早くから待ってたんだと思うと、彼に猛烈に恋してる私の胸は甘酸っぱい気持ちでいっぱいになる。でも、これなら朝も一緒に下から歩いて来れば良かったな、と思い彼にそう提案しようかと考えながら、スタスタと近付き声を掛けた。
「おはよ、サトル君」
「おはよう。誰もいないから、いいか。僕の奴隷になってくれたんだよね、詩織」
「うん」
「じゃあ、昨日命令した事を言ってみて」
どき。私は知らず知らずスカートの前を通学カバンで押さえる格好になっていたけど、その下がはしたなくキュンとなってしまった。
「したよ」
「何を」
「オナニー」
「気持ち良かった?」
「うん」
あれでオナニーと言えるんだろうかと思いつつ、真っ赤になった私は素直に答える。彼からあのエッチな命令を受けた直後、お風呂に入っちゃうのは絶妙のタイミングだった。私は本当にオナニーの経験はなかったんだけど、胸やアソコを弄ると気持ち良くなるんだ、と言う基本的な知識や興味はもちろんあった。だからお風呂の中で実験しちゃったのだ。一応彼の命令だと言う大義名分もあったし。すると、近頃どんどん大きくなってるオッパイを揉んだり、乳首をイジイジするのは文句なく気持ち良かった。もちろん頭の中にはサトル君の顔を思い浮かべながらお乳をイタズラすると、とても幸せな気分になったけど、これだけじゃオナニーとは言えないと思った私は、勇気を出しておマタを刺激する事にもチャレンジしてみた。でもやっぱり直に弄るのは怖かったので、シャワーを加減しながら当てると、これはすっごく良かった。もう夢中になって乳首を摘みオッパイを揉みながら股間にシャワーを当てていた私は、たぶん生まれて初めて「イク」と言う感覚を知ったと思う。あんまり夢中になってて、いつまで入ってるの! とママに怒られちゃったくらいだったのだ。
その後ベッドに入ってからも、初めて知った「オナニー」の快感が忘れられなくなった私は、ゆったりしたホームウェアの上からお乳を揉みながら、枕にアソコを擦り付けてしまっていた。頭の中には、こんな事しちゃイケない、と言う罪悪感が残ってたんだけど、サトル君の命令なんだ、と言うのが免罪符のようになってて、今度はハッキリと自覚して「イク」と口にした私。そのスパークした瞬間、全身がどこかへ飛んでいっちゃったような素晴らしさに私は呆然とし、それからあっと言う間に爆睡しちゃってた。
「詩織はエッチなんだね」
「サトル君が命令したんだよ!」
「パンツ濡れちゃったかい?」
「えっ!?」
確かにオシッコが少し洩れちゃったようになった気がするけど、もちろん朝になってはき替えた。あまりの恥ずかしさに倒れそうになりながら、それも正直に告白すると、彼は少し気にいらないみたいだった。
「今度からオナニーして汚したパンツは、はき替えちゃダメだよ。そうだ! オシッコの後始末も禁止」
「何ソレ? このヘンタイ!」
「ヘンタイでも何でもいいよ。さあ、詩織のホカホカのパンツをもらっちゃおうかな」
彼が満面に下品な笑みを浮かべながらそう言うと、運悪く他の女子生徒が登校して教室に入って来た。おざなりに挨拶を交わしたけど、私たちを見てビックリしてるみたい。まだ私とサトル君が付き合ってる事は、あまり知られてないのだ。でもサトル君は構わず催促する。
「さあ、早く」
「無理でしょ、明らかに」
だって、彼女が興味深げにこちらを眺めてるのだ。ここでパンツが脱げるわけがない。
「しょうがないなあ。じゃ、トイレに行って来て」
「……サトル君。ごめん、やっぱ無理だよ。付き合ってらんない」
「おかしいなあ。やっぱり具体的に書かなきゃダメなのか」
「たぶんさ、1ページ目しか効かないんだよ」
「いや、そんな事はない。2ページ目だって……」
ーーアホクサ。やっぱどう考えたって「奴隷ノート」なんてうそっぱちだよね
サトル君がぶつぶつ言ってるのを残して、私は特に行きたくもないトイレに向かう。便座に腰掛けてスパッツとパンツをずり下ろすと、その生地が少し湿っぽい感じがして、私は妙な気分になった。ただでも女の子の大事な部分に密着してるパンツは、恥ずかしい状態なのだ。いくら好きな男の子でも、こんな物を平気であげられる女の子なんかいないだろう。チョロチョロと出たオシッコの後始末も入念に行う。オナニーやオシッコの汚れをパンツに付けるだなんて、ヘンタイ過ぎて頭がおかしくなりそうだ。彼の命令でもそんな事はとても出来ない。つまり「奴隷ノート」の2ページ目は残念ながらまるで効いてないわけである。
さて、朝夕以外はお互い恋人同士みたいなフリはしない事、と決めてたんだけど、すぐ斜め後ろに座るサトル君の事はずっと気になって仕方なかった。何だかしょげて元気がない気がするのだ。無口で大人しい彼だからいつも通りなのかも知れないが、これまで存在すら意識してなかっただけに良くわからない。別に彼氏に対して、と言う感じじゃなく、次の授業何だっけ? とかちょっとした会話を仕掛けても、モゴモゴ口ごもってまともに答えてもくれないの。勇気を出して、一緒に学食に行こうと誘っても、素っ気無く断られた。
ーー奴隷ノートの事、怒ってるのかな? 少なくともガッカリはしてるよね、サトル君。あんなに朝早くから張り切って学校に来てたのに
だとしたらちょっと悲しい。私は少しだけ、あんな無碍に断ってしまった事を後悔したんだけど、出来ない事は出来ないのだ。学校ではいてるパンツを脱いであげるだなんて。でも、完全に塞ぎ込んでしまい、私が部活行って来るよ、と言っても無言で図書室に向かった彼の寂しそうな後姿には参った。せっかく付き合い始めたばっかりで、ラブラブじゃないといけないはずなのに。そして部活用のブルマに着替えてる時、私に悪魔、いや彼にとっては天使が頭の中でささやいたのだ。
ーー帰る時なら、パンツくらいあげたっていいよね
「サトル君、これ」
「えっ!?」
一緒に帰るため暗い顔をして待ってた彼に、絶対他人にバレないよう雑用紙でくるんだそれを手渡してあげると、中を確かめたサトル君の顔はパッと明るくなった。
「やっぱりノートの力に間違いはなかったんだ」
「そうだね」
ーーバカみたい。でも、こんなに喜んでくれるなんて、嬉しいよ。そんなに欲しかったの? 私のパンツなんか
サトル君はもう満面に笑みを浮かべて、一応他人には見られないようにしながら、嬉しそうに何度も何度も紙の中を確かめている。まるで欲しかったオモチャを手に入れた小学生のガキンチョみたいだ。だけど、人から離れて歩いてても、部活帰りの生徒達の視線は痛いほど突き刺さって来る。さっき部活が終わった後に脱いだばかりで、正にホカホカのパンツを彼氏に渡してジロジロ眺められる恥ずかしさは言語に絶した。何しろ汗だくで、とんでもないウェットな状態なのだから。
「ねえ、人が見てるからそんな物早くしまって。手を繋いで帰ろうよ」
「そうだね。詩織の、とてもカワイイよ」
「ウソばっかり」
汗まみれのパンツは小学生がはくような何の飾りもない白パンツで、もっとカワイイのをはいて来るんだった、と私は少し後悔した。カワイイ、なんてお世辞を言われても、顔から火を噴きそうな恥ずかしさで、彼がそれをカバンに入れてくれると、私はしな垂れ掛かるように身を預け、しっかり手を繋いだ。すると私に密着されたサトル君はビックリした様子で、ふと顔を上げると彼もひどく赤面していた。
ーー私にこんなエッチな事させたくせに、凄く緊張して体が慄えてる。カワイイ・・・・・・
それから後は2人共無言で、ゆっくりと歩いた。オドオドした緊張で慄えが止まらない彼の体のぬくもりをしっかりと感じた私は、話さなくても幸せを噛み締めていたんだけど、彼もそうだといいな。私以上に恥ずかしがり屋なのに離れようとはしないから、彼も嬉しいはずだ、と私は勝手に解釈して嬉しくなる。学校の帰りにみんなに見られながら、こんなにベタベタ引っ付いて歩くなんてバカップルもいい所だと思ったけど、構うもんか。彼の悲しそうな姿に負けてパンツをあげてしまってから、ますます想いは募るばかりで、溢れ出す愛しさに胸が張り裂けそうだった。そして他の生徒達より電車を一本遅らせるつもりで、同じ学校の制服がいなくなったと見た私は、彼を人の気配が乏しい駅舎のかげに誘った。
「ねえ、キスしよ、サトル君」
「せ、積極的だね」
「奴隷ノートのせいだよ」
私は違うけど、彼はファーストキスなのだろう。ガチガチに緊張して固まっているサトル君を私の方がリードして唇を奪い、抱き締め合った。昨日まで全く何も感じていなかった男の子が相手なのに、驚くばかりの急展開だ。私がこんなに積極的になれるのは、やっぱりノートの魔力のおかげなんだろうな。
「今日もしちゃうんでしょ、私のあげたやつで」
「ああ。もっと具体的な命令に替えてからぶっ掛けてあげるよ」
「もう、エッチなんだから」
「ノートの2ページ目は破って捨てる」
奴隷ノートは、サイズは小さいけど結構分厚そうだった。たぶん何十ページもあるだろう。と、言う事は新しい具体的な命令をもう何十回も受ける事になるのだろうか。そして「町田詩織は僕の事を好きになる」と書かれて彼が精液を掛けた1ページ目が本当に力を持つのは間違いない。でなきゃ突然訪れた彼への猛烈な恋心は説明がつかないもの。でも2ページ目にも、それだけの強い力があるのだろうか?
ーーどっちでも同じ事だわ。だって、私サトル君の命令にきっと従っちゃうから。もう二度と彼の悲しい顔なんか見たくないし。でもこれって結局「奴隷ノート」に操られてるのと同じ?・・・・・・今日はどんな命令されちゃうのかな
名残り惜しく彼と別れてから冷静に状況をまとめてみると、私はやっぱり「奴隷ノート」によってサトル君のドレイになっちゃったんだ、とわかり慄然とした。彼の事を嫌いにならない限り、命令の呪縛からは逃れられないのだ。それに彼の方も、絶対に不可能な命令を出して来る事はないだろう。彼が私を想ってオナニーし、ザーメンを掛けて実現させる命令だから、きっとエッチな代物に違いないのだが、たぶん今日みたいに、ちょっと勇気を出して、ちょっと恥ずかしさに耐えれば、何とかなる、くらいのものではないか。今日も自分の部屋でぼんやりとそこまで考えてると、あろう事か無意識に両手を胸と股間に忍ばせて、はしたない期待に体を熱くしてしまっている私がいた。何てこった。オナニーなんかした事もなかったのに。
『町田詩織はミニスカでイヤらしいパンツだけをはいて登校する』
下手にしゃべると私のペースになってしまうと思ったのか、サトル君はこの日から奴隷ノートの新しいページに精液を掛けた命令を写メで送って来るだけになった。そしてその日の命令を見た私はすぐに理解して、自分が持ってる一番セクシーなパンツを探す。うちの学校の女子はもともとみんなミニスカだけど、スパッツなどをはきパンチラ防止には余念がない。いつもはいてる丈のスカートで生パンツだけなんて普通は考えられないけど、想像するだけで頭がクラクラしそうな程興奮を覚えた。こんな命令を考えたサトル君はやっぱりエッチだ。さっそくはいてみた、スケスケレースのセクシーパンツは、とても人には見せられないくらいイヤラシイ外見だったけど、ミニスカでこんなのチラリと見せちゃったら、サトル君は鼻血でも出して倒れちゃうかも知れない。他の人にも見られる危険はもちろん大だけど、私はもう彼に見せちゃうんだ、と言うつもりですっかり命令に従う気分になっていた。
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奴隷ノート 目次
プチSM千夜一夜ものがたり 第4期 目次

書かれた事は何でも実現してしまう「奴隷ノート」によって、大人しく目立たないクラスメイトを熱愛してしまったヒロイン詩織。「ご主人様」になった彼はしかし、まだ童貞で煮え切らず、詩織の方が積極的にふるまって淫らな関係に溺れていく。ところが、ノートが尽きる寸前に彼の書いた内容は詩織が最も恐れるものだったのだ。ノートに翻弄されてズタズタに弄ばれる美少女の心理を描くソフトMC。 (約9万字)
2.9月6日(火)(4887字)
次の日の朝。いつになく早く登校した私は、やっぱりこんな時間じゃ誰も来てないよね、とキョロキョロ辺りを見回しながら自分の教室に到着し、ドアを開ける。するとサトル君はもう待っててくれた。まだ朝7時前だと言うのに。「奴隷ノート」の事とか、人に見られちゃ恥ずかしいから登下校の時だけカップルとして会う約束してて、朝は出来るだけ早く会おうね、と約束はしてたんだけど、こんなに早くから待ってたんだと思うと、彼に猛烈に恋してる私の胸は甘酸っぱい気持ちでいっぱいになる。でも、これなら朝も一緒に下から歩いて来れば良かったな、と思い彼にそう提案しようかと考えながら、スタスタと近付き声を掛けた。
「おはよ、サトル君」
「おはよう。誰もいないから、いいか。僕の奴隷になってくれたんだよね、詩織」
「うん」
「じゃあ、昨日命令した事を言ってみて」
どき。私は知らず知らずスカートの前を通学カバンで押さえる格好になっていたけど、その下がはしたなくキュンとなってしまった。
「したよ」
「何を」
「オナニー」
「気持ち良かった?」
「うん」
あれでオナニーと言えるんだろうかと思いつつ、真っ赤になった私は素直に答える。彼からあのエッチな命令を受けた直後、お風呂に入っちゃうのは絶妙のタイミングだった。私は本当にオナニーの経験はなかったんだけど、胸やアソコを弄ると気持ち良くなるんだ、と言う基本的な知識や興味はもちろんあった。だからお風呂の中で実験しちゃったのだ。一応彼の命令だと言う大義名分もあったし。すると、近頃どんどん大きくなってるオッパイを揉んだり、乳首をイジイジするのは文句なく気持ち良かった。もちろん頭の中にはサトル君の顔を思い浮かべながらお乳をイタズラすると、とても幸せな気分になったけど、これだけじゃオナニーとは言えないと思った私は、勇気を出しておマタを刺激する事にもチャレンジしてみた。でもやっぱり直に弄るのは怖かったので、シャワーを加減しながら当てると、これはすっごく良かった。もう夢中になって乳首を摘みオッパイを揉みながら股間にシャワーを当てていた私は、たぶん生まれて初めて「イク」と言う感覚を知ったと思う。あんまり夢中になってて、いつまで入ってるの! とママに怒られちゃったくらいだったのだ。
その後ベッドに入ってからも、初めて知った「オナニー」の快感が忘れられなくなった私は、ゆったりしたホームウェアの上からお乳を揉みながら、枕にアソコを擦り付けてしまっていた。頭の中には、こんな事しちゃイケない、と言う罪悪感が残ってたんだけど、サトル君の命令なんだ、と言うのが免罪符のようになってて、今度はハッキリと自覚して「イク」と口にした私。そのスパークした瞬間、全身がどこかへ飛んでいっちゃったような素晴らしさに私は呆然とし、それからあっと言う間に爆睡しちゃってた。
「詩織はエッチなんだね」
「サトル君が命令したんだよ!」
「パンツ濡れちゃったかい?」
「えっ!?」
確かにオシッコが少し洩れちゃったようになった気がするけど、もちろん朝になってはき替えた。あまりの恥ずかしさに倒れそうになりながら、それも正直に告白すると、彼は少し気にいらないみたいだった。
「今度からオナニーして汚したパンツは、はき替えちゃダメだよ。そうだ! オシッコの後始末も禁止」
「何ソレ? このヘンタイ!」
「ヘンタイでも何でもいいよ。さあ、詩織のホカホカのパンツをもらっちゃおうかな」
彼が満面に下品な笑みを浮かべながらそう言うと、運悪く他の女子生徒が登校して教室に入って来た。おざなりに挨拶を交わしたけど、私たちを見てビックリしてるみたい。まだ私とサトル君が付き合ってる事は、あまり知られてないのだ。でもサトル君は構わず催促する。
「さあ、早く」
「無理でしょ、明らかに」
だって、彼女が興味深げにこちらを眺めてるのだ。ここでパンツが脱げるわけがない。
「しょうがないなあ。じゃ、トイレに行って来て」
「……サトル君。ごめん、やっぱ無理だよ。付き合ってらんない」
「おかしいなあ。やっぱり具体的に書かなきゃダメなのか」
「たぶんさ、1ページ目しか効かないんだよ」
「いや、そんな事はない。2ページ目だって……」
ーーアホクサ。やっぱどう考えたって「奴隷ノート」なんてうそっぱちだよね
サトル君がぶつぶつ言ってるのを残して、私は特に行きたくもないトイレに向かう。便座に腰掛けてスパッツとパンツをずり下ろすと、その生地が少し湿っぽい感じがして、私は妙な気分になった。ただでも女の子の大事な部分に密着してるパンツは、恥ずかしい状態なのだ。いくら好きな男の子でも、こんな物を平気であげられる女の子なんかいないだろう。チョロチョロと出たオシッコの後始末も入念に行う。オナニーやオシッコの汚れをパンツに付けるだなんて、ヘンタイ過ぎて頭がおかしくなりそうだ。彼の命令でもそんな事はとても出来ない。つまり「奴隷ノート」の2ページ目は残念ながらまるで効いてないわけである。
さて、朝夕以外はお互い恋人同士みたいなフリはしない事、と決めてたんだけど、すぐ斜め後ろに座るサトル君の事はずっと気になって仕方なかった。何だかしょげて元気がない気がするのだ。無口で大人しい彼だからいつも通りなのかも知れないが、これまで存在すら意識してなかっただけに良くわからない。別に彼氏に対して、と言う感じじゃなく、次の授業何だっけ? とかちょっとした会話を仕掛けても、モゴモゴ口ごもってまともに答えてもくれないの。勇気を出して、一緒に学食に行こうと誘っても、素っ気無く断られた。
ーー奴隷ノートの事、怒ってるのかな? 少なくともガッカリはしてるよね、サトル君。あんなに朝早くから張り切って学校に来てたのに
だとしたらちょっと悲しい。私は少しだけ、あんな無碍に断ってしまった事を後悔したんだけど、出来ない事は出来ないのだ。学校ではいてるパンツを脱いであげるだなんて。でも、完全に塞ぎ込んでしまい、私が部活行って来るよ、と言っても無言で図書室に向かった彼の寂しそうな後姿には参った。せっかく付き合い始めたばっかりで、ラブラブじゃないといけないはずなのに。そして部活用のブルマに着替えてる時、私に悪魔、いや彼にとっては天使が頭の中でささやいたのだ。
ーー帰る時なら、パンツくらいあげたっていいよね
「サトル君、これ」
「えっ!?」
一緒に帰るため暗い顔をして待ってた彼に、絶対他人にバレないよう雑用紙でくるんだそれを手渡してあげると、中を確かめたサトル君の顔はパッと明るくなった。
「やっぱりノートの力に間違いはなかったんだ」
「そうだね」
ーーバカみたい。でも、こんなに喜んでくれるなんて、嬉しいよ。そんなに欲しかったの? 私のパンツなんか
サトル君はもう満面に笑みを浮かべて、一応他人には見られないようにしながら、嬉しそうに何度も何度も紙の中を確かめている。まるで欲しかったオモチャを手に入れた小学生のガキンチョみたいだ。だけど、人から離れて歩いてても、部活帰りの生徒達の視線は痛いほど突き刺さって来る。さっき部活が終わった後に脱いだばかりで、正にホカホカのパンツを彼氏に渡してジロジロ眺められる恥ずかしさは言語に絶した。何しろ汗だくで、とんでもないウェットな状態なのだから。
「ねえ、人が見てるからそんな物早くしまって。手を繋いで帰ろうよ」
「そうだね。詩織の、とてもカワイイよ」
「ウソばっかり」
汗まみれのパンツは小学生がはくような何の飾りもない白パンツで、もっとカワイイのをはいて来るんだった、と私は少し後悔した。カワイイ、なんてお世辞を言われても、顔から火を噴きそうな恥ずかしさで、彼がそれをカバンに入れてくれると、私はしな垂れ掛かるように身を預け、しっかり手を繋いだ。すると私に密着されたサトル君はビックリした様子で、ふと顔を上げると彼もひどく赤面していた。
ーー私にこんなエッチな事させたくせに、凄く緊張して体が慄えてる。カワイイ・・・・・・
それから後は2人共無言で、ゆっくりと歩いた。オドオドした緊張で慄えが止まらない彼の体のぬくもりをしっかりと感じた私は、話さなくても幸せを噛み締めていたんだけど、彼もそうだといいな。私以上に恥ずかしがり屋なのに離れようとはしないから、彼も嬉しいはずだ、と私は勝手に解釈して嬉しくなる。学校の帰りにみんなに見られながら、こんなにベタベタ引っ付いて歩くなんてバカップルもいい所だと思ったけど、構うもんか。彼の悲しそうな姿に負けてパンツをあげてしまってから、ますます想いは募るばかりで、溢れ出す愛しさに胸が張り裂けそうだった。そして他の生徒達より電車を一本遅らせるつもりで、同じ学校の制服がいなくなったと見た私は、彼を人の気配が乏しい駅舎のかげに誘った。
「ねえ、キスしよ、サトル君」
「せ、積極的だね」
「奴隷ノートのせいだよ」
私は違うけど、彼はファーストキスなのだろう。ガチガチに緊張して固まっているサトル君を私の方がリードして唇を奪い、抱き締め合った。昨日まで全く何も感じていなかった男の子が相手なのに、驚くばかりの急展開だ。私がこんなに積極的になれるのは、やっぱりノートの魔力のおかげなんだろうな。
「今日もしちゃうんでしょ、私のあげたやつで」
「ああ。もっと具体的な命令に替えてからぶっ掛けてあげるよ」
「もう、エッチなんだから」
「ノートの2ページ目は破って捨てる」
奴隷ノートは、サイズは小さいけど結構分厚そうだった。たぶん何十ページもあるだろう。と、言う事は新しい具体的な命令をもう何十回も受ける事になるのだろうか。そして「町田詩織は僕の事を好きになる」と書かれて彼が精液を掛けた1ページ目が本当に力を持つのは間違いない。でなきゃ突然訪れた彼への猛烈な恋心は説明がつかないもの。でも2ページ目にも、それだけの強い力があるのだろうか?
ーーどっちでも同じ事だわ。だって、私サトル君の命令にきっと従っちゃうから。もう二度と彼の悲しい顔なんか見たくないし。でもこれって結局「奴隷ノート」に操られてるのと同じ?・・・・・・今日はどんな命令されちゃうのかな
名残り惜しく彼と別れてから冷静に状況をまとめてみると、私はやっぱり「奴隷ノート」によってサトル君のドレイになっちゃったんだ、とわかり慄然とした。彼の事を嫌いにならない限り、命令の呪縛からは逃れられないのだ。それに彼の方も、絶対に不可能な命令を出して来る事はないだろう。彼が私を想ってオナニーし、ザーメンを掛けて実現させる命令だから、きっとエッチな代物に違いないのだが、たぶん今日みたいに、ちょっと勇気を出して、ちょっと恥ずかしさに耐えれば、何とかなる、くらいのものではないか。今日も自分の部屋でぼんやりとそこまで考えてると、あろう事か無意識に両手を胸と股間に忍ばせて、はしたない期待に体を熱くしてしまっている私がいた。何てこった。オナニーなんかした事もなかったのに。
『町田詩織はミニスカでイヤらしいパンツだけをはいて登校する』
下手にしゃべると私のペースになってしまうと思ったのか、サトル君はこの日から奴隷ノートの新しいページに精液を掛けた命令を写メで送って来るだけになった。そしてその日の命令を見た私はすぐに理解して、自分が持ってる一番セクシーなパンツを探す。うちの学校の女子はもともとみんなミニスカだけど、スパッツなどをはきパンチラ防止には余念がない。いつもはいてる丈のスカートで生パンツだけなんて普通は考えられないけど、想像するだけで頭がクラクラしそうな程興奮を覚えた。こんな命令を考えたサトル君はやっぱりエッチだ。さっそくはいてみた、スケスケレースのセクシーパンツは、とても人には見せられないくらいイヤラシイ外見だったけど、ミニスカでこんなのチラリと見せちゃったら、サトル君は鼻血でも出して倒れちゃうかも知れない。他の人にも見られる危険はもちろん大だけど、私はもう彼に見せちゃうんだ、と言うつもりですっかり命令に従う気分になっていた。
続く→奴隷ノート 3.9月7日(水)
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