くノ一淫闘帖 下巻 天正秘録編 くノ一淫闘帖シリーズ 綾守竜樹
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百花忍軍の頭領、薊の犠牲により蟲忍の里から逃れた伊賀くノ一、巴。しかし、その子壺にはすでに蟲が宿っていた。壺憑之蟲――それは蟲忍の子種汁を糧とする異形。日を追うごとに強い飢えを訴える淫蟲は胎内に媚毒をまき散らし、くノ一の股座を男に貫かれる悦びに焦がれさせる。そして、復讐を誓う蟲忍、桑太が、飼娘に躾けた甲賀くノ一の菫とともに、巴を狩り立ててゆくのだった。雌蕊を食い締める赤糸と鼻腔を満たす精汁の臭い。股座を埋められる悦楽に取り憑かれた伊賀くノ一は、畜生のように躾けられ、 ただ阿鼻叫喚の絶頂地獄に意識を沈めさせてゆく……。



☆基本的に上巻と同じレビューをしなければいけない。苦痛よりも快楽で女を堕とすソフトSMで、くどい程執拗極まりない性戯の描写が特徴。下巻では逃亡したヒロインを追跡して捕獲するストーリーとなり、責め役として女が大きな役割を果たすのが違いと言えば違う。性癖ど真ん中の私にとってはやはり抜きどころが多過ぎて、マジメに読んだらいつ読破出来るかわからないので端折って読むズルをしたが、結局ストーリーのオチはさっぱり頭に残らなかった。でもたぶん18禁小説はそれで良いし、綾守竜樹は特にそれが当てはまる優秀な作家だと思う。そんな彼の作品の白眉がこのシリーズではなかろうか。
 つまり私の意見では、ズリネタに使えるかどうかがこの手の18禁小説の意義なのであり、ストーリーなど適当で良い。いくら小説として面白くても抜けなければ意味がないのである。だから性癖が合わなければダメだし、誰にでも勧められる18禁小説は存在しないのではなかろうか。個人的に満点評価とするこの作品も、自分に合うかどうかで選択して欲しい。
 もしかしたら他人が書いた8禁小説のレビュー自体、有害なのかも知れない。




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