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美貌の女医・二宮しおりは、学生時代の恋人で現在、人気スポーツ・キャスターの政田二三夫と7年振りに再会する。その夜、二人はすべての箍が外れたように不倫の迷宮に入り込む。露出プレイ・野外放尿・鞭と媚薬の悦楽―。淫魔の忌まわしい愛撫と美しい鼻梁に飛び散る劣情の証が、しおりを汚辱に焦がす。


☆由紀かほる先生お得意の「女医」もの。プライドの高いハイレベルな美女を下卑た男達が性調教で堕とすいつものパターンで、ヒロインは1人だけ。責め手の男も2人だけと少数なのが良く、男達の執拗な調教が丁寧に描写されて、ソフトSM愛好家にとっては抜き所が満載である。個人的に最も印象に残ったのは、媚薬を塗った2本のバイブ付き貞操帯を嵌められて吊るし拘束された女医が耐え兼ねて、痒い部分を何十回も口にさせられる調教。するとバイブレータが動いてその快楽によがり狂うのだが、イカせてもらえず繰り返し卑語を要求される焦らし責めで、ソフトSMの定番ながらこのしつこさが最高である。逆にこういうプレイがまだるっこしく感じられるなら、本書は向かない人である。又調教役の卑しい小男も由紀かほる先生らしい配役で、女体に異常な執着を見せ、女を歓ばせる性戯しか取り柄がないと言うダメ男。この男に盗撮されたビデオをネタに脅迫され、抱かれて燃え上がってしまい、股縄を締められて過ごしているうちにマゾの素質を目覚めさせてしまう女医と言う調教の構造がこの長編の根幹となっている。
 1人の女性を執拗な性調教でじっくり堕とす典型的なソフトSM作品なので、嗜好の合う人にはオススメである。


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