第15夜 茶道部の男子

高校2年生で茶道部部長の佳澄は学級委員を務める才色兼備の優等生だが、小学校時代ある男子の性的いじめの中心となっていた苦い記憶を持つ。その男子正人は茶道部に入部すると、何と佳澄に告白。当然断ると、佳澄を拘束監禁して強姦を試みる。ノロマでうまく思いが果たせないが人並み外れた正人の巨根に恐れをなした佳澄は、やむなくかつての女王様に戻って彼に前戯を施すよう命令し、処女喪失の痛みを軽減するため気分を出そうと奮闘するのだが、やがて…… (約2万7千字)

高校2年生で茶道部部長の佳澄は学級委員を務める才色兼備の優等生だが、小学校時代ある男子の性的いじめの中心となっていた苦い記憶を持つ。その男子正人は茶道部に入部すると、何と佳澄に告白。当然断ると、佳澄を拘束監禁して強姦を試みる。ノロマでうまく思いが果たせないが人並み外れた正人の巨根に恐れをなした佳澄は、やむなくかつての女王様に戻って彼に前戯を施すよう命令し、処女喪失の痛みを軽減するため気分を出そうと奮闘するのだが、やがて…… (約2万7千字)
2.驚愕の告白と監禁(2665字)
5月の連休明け、それは正に青天の霹靂と言うべき、ショッキングな出来事だった。私が部長をしている茶道部に、何を思ったか押本正人が入部して来たのだ。茶道部は私の他に数名数えるくらいしか部員はおらず、男子が入部して来たのは後にも先にもアイツが始めてなのではないだろうか。他の部員達はもちろん大いに戸惑い、アイツが入部を希望する真意を測りかねていたようだったが、最も驚いたのは私である。アイツが私の存在を意識して茶道部に入部して来たのは間違いない。が、アイツにとって私は、忘れようにも忘れられない、唾棄すべき非道なイジメ相手のはずだ。私がアイツと関わりたくない気持ちの数十倍も強く、私を避けようとするはずなのに、なぜ正反対の行動を取り私に接近を図って来るのか。私は当初の驚きから、次第に底知れぬ恐怖がわき上がって来るのを覚えていた。が、茶道部の外部講師で、週に2回来校して指導してくれる高齢の女先生は、男子の入部を満面に笑みを浮かべて喜び、私達もアイツの入部を拒否する事はとても出来なかった。
週に2回の練習日、アイツは入部してから欠かさず出席し、実に熱心に作法を修めて先生を喜ばせていた。他の部員達は必ずしも皆勤でなかったが、私は部長としていつもアイツと同席して茶の道の指導を受けた。が、それでもアイツと私は一言も言葉を交わさないでいた。私の方は情けない事に、アイツが小学校の事を持ち出したらどうしようと肝を冷やす日々だったのだが、アイツの考えている事はサッパリわからなかった。
そして秋も深まったある練習日。困った事に、その日の出席者はアイツと私の2人切りだった。先生が来られるまで、和室で待つ事数十分。
「今日は他に誰も来ませんね」
ポツリと呟いたアイツの一言は、実に再会してから半年たってようやく始めて交わした言葉だったが、私はそれにも答えずにいた。そして先生が来られ、いつものように作法の指導を受ける。他に参加者がいないのが残念だが、茶道部にとって年に1回の晴れ舞台である文化祭が半月後に迫っており、私は雑念を捨てて練習に集中した。そう、隣に座りすっかり板についた作法で抹茶を点ててすすっているアイツの存在を消し去ろうという一心で。文化祭で茶道部は、茶会を開くことになっている。そこで私は楽しみにしている母に着付けてもらう予定の着物をまとい、晴れやかな気持ちで茶会に臨むのだ。その時にもアイツがいるのかと思うと少し心が曇ったが。
練習が終わると、いつものように先生はアッサリと帰られた。私も出来るだけ早く和室を片付けて帰りたかったが、当然アイツも無言で片付けを手伝って来た。まさかそれを拒否する事も出来ない。そしてようやく片付けが終わろうかと言う頃、アイツが意を決したような表情で話し掛けて来た。
「ま、ま、松田さん……ぼ、ぼくの、こと、お、おぼえて、い、いますか……」
何て事だ。治まっていたはずのアイツのどもりが、私と2人切りの空間で蘇り、同時に小学校の頃の記憶も蘇ってしまう。
ーーやめて!
私はそう叫び逃げ出したかったけど、しどろもどろにどもりながら必死で話し掛けて来るアイツに魅入られたかのように動けなくなって、和室の隅で立ち尽くしていた。そしてさらに続けたアイツの言葉に私は脳天をハンマーで叩かれたような衝撃を受けたのである。
「あ、あの、ぼ、ぼく……ま、松田さんが、ずっと、ずっと、好きだった……ぼ、ぼ、ぼくと、つ、つきあって、くれませんか……」
ーー冗談でしょ! このバカ!
私は、心の中で叫んだその言葉をやっぱり口から出すことが出来なかった。至近距離に迫って来たアイツの迫力に押され、そして猛烈な嫌悪をアイツに覚えていた。アイツの肌は男のくせに私よりも白い。ほとんど病的なまでに。そして汗で湿っているのか何だかヌメッとして、たまらないおぞましさを感じさせ、私は小学校時代には意識に上がる事のなかった、アイツがイジめられる理由を始めて理解した。女性としての本能がアイツを生理的に嫌悪してしまうのだ。
私は至近距離に迫ってどもりどもり私に告白して来たアイツに、猛烈な嫌悪と恐怖を感じて言葉を失い、必死で突き飛ばした。
「だ、駄目、ですか……」
「あ、当たり前でしょ! バカじゃないの、アンタ!……」
いつの間にかすっかり息が上がっていた私の口からやっと出たのは、アイツの告白を無惨に拒絶するものだった。当然だろう。この状況でオッケーする女性は百パーセントいないと断言出来る。が、アイツはなぜかニヤリと笑い、私の方へ突進して来た。
「!!!」
バチバチッと強烈な苦痛の火花がアイツが隠し持っていて私の体に押し当てた、金属製の物質から脳裏を飛び交う。護身用のスタンガンだ!するとアイツは無慈悲にもそれを何度も体に押し当てて、私は完全に失神してしまったのである。
どのくらいたっただろうか。ショックで気を失っただけだから、さほど長い時間ではなかったろう。
「目が覚めましたか、佳純さん」
声が聞こえて目を開けると、アイツの生白くのっぺりと能面のような表情に乏しい顔が私をのぞき込んでいた。そう、この顔。生身の男を余り感じさせない中性的なこの顔が生理的な嫌悪を呼び起こすのだ。いや、アイツの体と言うだけで、私は全てを無理にでも「生理的嫌悪」の一言で片付けようとしているのかも知れないけれど、実際に近寄られただけで吐き気まで催して来てしまうのだ。その顔が至近距離でまじまじと私の顔をのぞき込んでいて、私はすぐに横を向いて目線を反らした。
「ね、ねえ、何のつもりよ!」
顔を反らしあらぬ方向を向いたままアイツに話し掛ける。体を動かそうにもどうやら自由が奪われているらしく動かせない。私は和室の畳の上に仰向けにされ、そしてあろう事か両脚を大きく広げて足首が手錠のような器具で柱に繋がれていた。そして手は2つ背中に回して束ねて手錠を掛けられているようで、その上から私の体重が掛かって少し痛みを感じた。だんだん意識が回復するに従って、動こうと足掻いてみたけど、足首と手首に喰い込む金属製の手錠の冷たさと痛みに襲われるだけで、自由になるのは首から上だけだった。付き合ってくれ、と告白して来たアイツが、私に拒絶された事に逆ギレして、スタンガンで気絶させこんなひどい格好で体の自由を奪って来たのだ。次にアイツの考えている事が手に取るように容易に想像が付き、私は精一杯強い口調で言葉を吐いたつもりだったが、背筋を冷たいものが這い上がってその声は情けなく慄えていたと思う。
続く→茶道部の男子 3.巨根の恐怖
戻る→茶道部の男子 1.かつてイジメていた男子と再会
茶道部の男子目次
プチSM千夜一夜ものがたり 第1期 目次
5月の連休明け、それは正に青天の霹靂と言うべき、ショッキングな出来事だった。私が部長をしている茶道部に、何を思ったか押本正人が入部して来たのだ。茶道部は私の他に数名数えるくらいしか部員はおらず、男子が入部して来たのは後にも先にもアイツが始めてなのではないだろうか。他の部員達はもちろん大いに戸惑い、アイツが入部を希望する真意を測りかねていたようだったが、最も驚いたのは私である。アイツが私の存在を意識して茶道部に入部して来たのは間違いない。が、アイツにとって私は、忘れようにも忘れられない、唾棄すべき非道なイジメ相手のはずだ。私がアイツと関わりたくない気持ちの数十倍も強く、私を避けようとするはずなのに、なぜ正反対の行動を取り私に接近を図って来るのか。私は当初の驚きから、次第に底知れぬ恐怖がわき上がって来るのを覚えていた。が、茶道部の外部講師で、週に2回来校して指導してくれる高齢の女先生は、男子の入部を満面に笑みを浮かべて喜び、私達もアイツの入部を拒否する事はとても出来なかった。
週に2回の練習日、アイツは入部してから欠かさず出席し、実に熱心に作法を修めて先生を喜ばせていた。他の部員達は必ずしも皆勤でなかったが、私は部長としていつもアイツと同席して茶の道の指導を受けた。が、それでもアイツと私は一言も言葉を交わさないでいた。私の方は情けない事に、アイツが小学校の事を持ち出したらどうしようと肝を冷やす日々だったのだが、アイツの考えている事はサッパリわからなかった。
そして秋も深まったある練習日。困った事に、その日の出席者はアイツと私の2人切りだった。先生が来られるまで、和室で待つ事数十分。
「今日は他に誰も来ませんね」
ポツリと呟いたアイツの一言は、実に再会してから半年たってようやく始めて交わした言葉だったが、私はそれにも答えずにいた。そして先生が来られ、いつものように作法の指導を受ける。他に参加者がいないのが残念だが、茶道部にとって年に1回の晴れ舞台である文化祭が半月後に迫っており、私は雑念を捨てて練習に集中した。そう、隣に座りすっかり板についた作法で抹茶を点ててすすっているアイツの存在を消し去ろうという一心で。文化祭で茶道部は、茶会を開くことになっている。そこで私は楽しみにしている母に着付けてもらう予定の着物をまとい、晴れやかな気持ちで茶会に臨むのだ。その時にもアイツがいるのかと思うと少し心が曇ったが。
練習が終わると、いつものように先生はアッサリと帰られた。私も出来るだけ早く和室を片付けて帰りたかったが、当然アイツも無言で片付けを手伝って来た。まさかそれを拒否する事も出来ない。そしてようやく片付けが終わろうかと言う頃、アイツが意を決したような表情で話し掛けて来た。
「ま、ま、松田さん……ぼ、ぼくの、こと、お、おぼえて、い、いますか……」
何て事だ。治まっていたはずのアイツのどもりが、私と2人切りの空間で蘇り、同時に小学校の頃の記憶も蘇ってしまう。
ーーやめて!
私はそう叫び逃げ出したかったけど、しどろもどろにどもりながら必死で話し掛けて来るアイツに魅入られたかのように動けなくなって、和室の隅で立ち尽くしていた。そしてさらに続けたアイツの言葉に私は脳天をハンマーで叩かれたような衝撃を受けたのである。
「あ、あの、ぼ、ぼく……ま、松田さんが、ずっと、ずっと、好きだった……ぼ、ぼ、ぼくと、つ、つきあって、くれませんか……」
ーー冗談でしょ! このバカ!
私は、心の中で叫んだその言葉をやっぱり口から出すことが出来なかった。至近距離に迫って来たアイツの迫力に押され、そして猛烈な嫌悪をアイツに覚えていた。アイツの肌は男のくせに私よりも白い。ほとんど病的なまでに。そして汗で湿っているのか何だかヌメッとして、たまらないおぞましさを感じさせ、私は小学校時代には意識に上がる事のなかった、アイツがイジめられる理由を始めて理解した。女性としての本能がアイツを生理的に嫌悪してしまうのだ。
私は至近距離に迫ってどもりどもり私に告白して来たアイツに、猛烈な嫌悪と恐怖を感じて言葉を失い、必死で突き飛ばした。
「だ、駄目、ですか……」
「あ、当たり前でしょ! バカじゃないの、アンタ!……」
いつの間にかすっかり息が上がっていた私の口からやっと出たのは、アイツの告白を無惨に拒絶するものだった。当然だろう。この状況でオッケーする女性は百パーセントいないと断言出来る。が、アイツはなぜかニヤリと笑い、私の方へ突進して来た。
「!!!」
バチバチッと強烈な苦痛の火花がアイツが隠し持っていて私の体に押し当てた、金属製の物質から脳裏を飛び交う。護身用のスタンガンだ!するとアイツは無慈悲にもそれを何度も体に押し当てて、私は完全に失神してしまったのである。
どのくらいたっただろうか。ショックで気を失っただけだから、さほど長い時間ではなかったろう。
「目が覚めましたか、佳純さん」
声が聞こえて目を開けると、アイツの生白くのっぺりと能面のような表情に乏しい顔が私をのぞき込んでいた。そう、この顔。生身の男を余り感じさせない中性的なこの顔が生理的な嫌悪を呼び起こすのだ。いや、アイツの体と言うだけで、私は全てを無理にでも「生理的嫌悪」の一言で片付けようとしているのかも知れないけれど、実際に近寄られただけで吐き気まで催して来てしまうのだ。その顔が至近距離でまじまじと私の顔をのぞき込んでいて、私はすぐに横を向いて目線を反らした。
「ね、ねえ、何のつもりよ!」
顔を反らしあらぬ方向を向いたままアイツに話し掛ける。体を動かそうにもどうやら自由が奪われているらしく動かせない。私は和室の畳の上に仰向けにされ、そしてあろう事か両脚を大きく広げて足首が手錠のような器具で柱に繋がれていた。そして手は2つ背中に回して束ねて手錠を掛けられているようで、その上から私の体重が掛かって少し痛みを感じた。だんだん意識が回復するに従って、動こうと足掻いてみたけど、足首と手首に喰い込む金属製の手錠の冷たさと痛みに襲われるだけで、自由になるのは首から上だけだった。付き合ってくれ、と告白して来たアイツが、私に拒絶された事に逆ギレして、スタンガンで気絶させこんなひどい格好で体の自由を奪って来たのだ。次にアイツの考えている事が手に取るように容易に想像が付き、私は精一杯強い口調で言葉を吐いたつもりだったが、背筋を冷たいものが這い上がってその声は情けなく慄えていたと思う。
続く→茶道部の男子 3.巨根の恐怖
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