第19夜 舐め犬
舐め犬
 見合い結婚した夫と別れた私は、一度「舐め犬」の快感を味わってみたくてネットの掲示板で募集。どうやら私のアソコは人並み外れて臭いらしく、これまで誰も舐めてくれなかったのです。やって来た男性はホームレスみたいな小汚い風貌で、私は期待に胸を膨らませたのですが、果たして。(約1万3千字)


2.実年齢の告白(2843字)

「あ、いえ、ずいぶんとお若い方のようですので、ちょっと……」
「舐め犬って、年配の女性がされる事なんですか?」
「そういう方が多いのは確かです」
「ごめんなさい……」

 私は、あ、そっか、分不相応な事を若輩者の分際で頼んでしまったのか、と思ってペコリと素直に謝りました。私の服装は、Vカットで胸元が開いたシャツとマイクロミニと言う露出狂のような格好ですから、ブラとムネの谷間が見えると思います。ちなみに背が低くてムネは大きいので、かなりえっちな外見のカラダかも知れません。
 
「い、いえ、とんでもありません! 奥さんのようなお若い女性の、始めての舐め犬になる事が出来るなんて、今とても感激しています!」
「いいんですか、若くても?」
「もちろんです!」
「じゃあ、よろしくお願いします」
「こちらこそ……」

 何だかバカ丁寧にソファーのテーブルを隔てて2人で深々と頭を下げていると、山田さんがゴクリと生唾を飲み込む音がハッキリ聞こえました。何て正直な方なんでしょう。彼の熱い視線をムネの谷間に痛い程感じた私が脚を大きく広げてあげると、山田さんの視線が下がって行きました。今度はパンツが見えてるはずですけど。

「お、奥さん……」
「あのう、私……」

 私はそこまで口にして、言おうかどうか迷いました。実は私、奥さんじゃないんです。お会いする前にメールで打ち合わせしたんですけど、私は35歳の女性です、としかお知らせしていません。山田さんに至っては「太郎」というハンドルネームしかわかりませんでした。まさか本名じゃないと思うんですけど、どうなんでしょう? うちの犬と同じ名前なので親近感を覚えたのは確かです。でも名刺までお持ちなんですから、慣れた方なのでしょう。私は初心者ですから素直に相談する事にしました。

「あの、私、結婚してないんですけど」
「そうですか、それは大変失礼しました」
「どちらがいいんでしょう?」
「と申されますと?」
「私、別に奥さんでも構わないんですけど、山田さんのお好きなように……」
「ああ、なるほど……そう言うことですか……」

 え、私何か変なこと言ったかしら? 山田さんは本当に正直な方で、今や私が脚を大きく広げてマイクロミニの下からしっかり見せているパンツをガン見しながら考え込んでいます。田舎暮らしで普段こんな刺激的な事はありませんから、私も結構ドキドキして興奮する事が出来ましたが、こんな普通の白パンツで良かったかしら? もっとアダルトでセクシーなパンツでなければ「舐め犬」さんに失礼ではなかったかしら?と私は今さらながら考えていました。普通と言いましたが、実の所私は白なんか普段はく事はないんです。何か逆に嫌らしい感じがするじゃないですか。割と毛が濃い方なんで白だとスケちゃいますしね。まあしかし男性にはウケがいいとも聞きますし、実際過去お付き合いのあった男性は白が一番いいって言ってましたし……

 実は打ち合わせの段階で、どんな服装がいいですかと聞いたら、ラフな薄着で結構です、と言われてたんで、こんな露出過多な格好しちゃってたんですけど、下着についても聞いておけば良かった、と私は少し後悔しました。同居している母もあなたは考えが足らない、もっと先の見通しを立てて行動しなさい、と良く言ってますが、その通りだと思いました。

 その時母のことを考えたからでもないんでしょうけど部屋をノックする音が聞こえ、私は慌てて脚を閉じて服装をそれなりに整え、と言ってもお客さんにお見せするにははしたなさ過ぎる露出ぶりは隠せないんですけど、山田さんも気の毒なくらいビクッと居住まいを正されました。私が、はーい、と答えると入って来たのはやはり母で、お盆にコーヒーとお茶菓子を載せていました。

  母は見るからにホームレス風の山田さんと、露出過多な格好をしている私をジロジロ見ていましたが何も言わず、私も特に何も言いませんでした。こんなに世間では流行っているんだから「舐め犬」さんです、と本当の事を言おうかとも思いましたが、母は私以上に世間知らずで保守的な考えの人ですから、黙っておいたのです。それに突然のお客様で、母自体がとてもラフな服装でした。ちょっと目のやり場に困る、と言いますか……

「ごゆっくり、どうぞ」

 そう言ってお辞儀した母の胸元も揺れていましたが、まるで私とお見合いでもしているかのように緊張しまくりだった山田さんは、ホッと一息付かれたようです。

「あの、今の方は……」
「母です」
「いや、お母さんも実にお若い……」
「ええ、まだ50前なんで」
「えっ!?」

 しまった。私は又考えが足らずうかつな事を言ってしまいました。山田さんも気付かれたようなので、この際本当のことを打ち明ける事にしました。

「ああ、すみません。私年齢のサバを読んでたもので」
「あ、それは別に構わないんですが……」
「私ホントはまだ28です。ウソついててごめんなさい」

 舐め犬掲示板を見ていても、30台以上の女性が多くて、ちょっとハズカシかったんです。何か、若いのに、いかにも男に飢えてる、みたいじゃないですか。その年齢の女性の方には失礼なんですけど、私的には35歳と言うのがもっとも性的欲求不満を溜め込んで、「舐め犬」さんのお世話になりたいような年齢なのかな、と思ったんですね。私は又ペコリを頭を下げ、閉じていた脚をガバッと開いて、お詫びのつもりで白い下着を見せてあげました。

「いやいやいや、そうですか、それはそれは……」
「いいんでしょうか、こんなに若くても。舐めて頂くの申し訳なくありませんか?」

 山田さんも言葉に困っているようでした。やっぱり7つも歳をごまかすなんて良くないですね。私は実年齢を打ち明けた事を少し後悔しそうでしたが、彼は演技かも知れませんが満面に笑みを浮かべてこう言ってくれたのです。

「いえ、とんでもありません! 大歓迎ですよ! 僕ホントは若い女性の方がいいんですよ、正直な話。年上の女性のばかり舐めさせられるのは、もう飽き飽きしてました。いやあ、舐め犬やってて良かったなあ……」

 山田さんは本当にバカ正直な人らしく、その喜びようは本心からのものである事がわかりました。私の胸と股間を眺めている視線がギラギラと一段とイヤラシク輝き、鼻息が荒くなって興奮されているのが、ハッキリわかるのです。でもこの人に対する好感度はちょっと下がっちゃいました。女は若い方がいい、ってそりゃ本音でしょうけど、余り露骨に表現するのはどうかと思います。

「あ、せっかくですから、どうぞ」

 私は母の持って来たコーヒーをお勧めしましたが、山田さんが遠慮されるので、私の方から先にコーヒーとお菓子に手を出しました。

「コーヒーはお嫌いでしょうか?」
「いえ、そういうわけでは……」
「では遠慮なさらずにどうぞ、お召し上がりください」
「で、では、頂きます」

 山田さんはやはり育ちの良い方らしく、両手を合わせて「頂きます」と言ってからコーヒーに手を伸ばされたのが、何だかおかしかったです。


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