ドクトル・マノン《Trans Beauty》トランス・ビューティ 1 由紀かほる

☆ヒロインのドクトルマノンを、品性下劣なゲス男4人が、執拗な性調教で快楽堕ちさせ、ペニスに仕える女奴隷に貶めようとするのは、これまでの作者の得意とするストーリーで、描写の密度も濃くさすがの出来栄え。が、この作品で注目すべきなのは、男に屈すまいと抵抗するヒロインが、実は彼女を崇拝する男性看護師を貞操帯で射精管理する、酷薄な女王様として君臨していると言う二面性であろう。私にはヒロインのこちらの顔も魅力的だったが、読み手を選ぶと思う。今の所、ヒロインのマゾ性と女王様としてのサド性が互いに交わることがないので、今後何らかの形で関わって来るであろう事を期待したい。
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由紀かほるエンターテイメント・コレクション第3弾。
書下し最新作「ドクトル・マノン《Trans Beauty》トランス・ビューティ1」
アマゾン・キンドル版初の書下し。
由紀かほるが標榜する「奇想天外、驚天動地、荒唐無稽なるアンチ・ノンフィクションの恋愛大ローマン」の代表的長編大作、ついに登場。
《あらすじ》
「東亜コンチネンタル病院」では労使交渉が大詰めを迎えていた。
院内では、理事会を支配する現経営陣を糾弾すべく、女性の職員を中心にした新しい組合が結成されていた。
その名も「Female Supremacy」略称FS。
つまり、女性上位のイデオロギーを主軸にした組合である。
精神科のドクトル、甲田麻音(まのん)はそのトップに君臨していた。
36歳ながら、その天性の美貌とプロポーションは衰えを知らず、またずば抜けた知能も合せ持っていた。
その強烈なリーダーシップのもと、多くのおんなドクトル、すべてのおんな看護師が参集していた。
174センチの肢体は武闘で鍛え抜かれ、その圧倒的な存在感から、旧組合員のオトコの看護師までが次々と、軍門に下る形でFS傘下に宗旨替えしていた。
一方、理事長である伊保内甚一は、労使交渉の場に於いて秘められたプライベートの性癖を暴露され、今や土俵際に追い込まれていた。
事件はその交渉決裂の夜に起きた。
勝利を目前にして、祝杯を上げていた麻音は、若い麻酔医・真希多拓磨に言葉巧みに呼び出される。
そこで麻音を待っていたのは、四人の白いラテックススーツを着たオトコたちだった。
彼らはFSのトップである麻音を、「オトコに仕えるおんな奴隷」に仕立てるために、悪魔のような奸計によって《徹底飼育》しようとするのだった。
ドクトル麻音と理事長らとの熾烈なバトルがはじまる・・・
「アナル解剖学(アナトミー)《黒衣の性隷》」のスピンオフ作品でありながら、新たなプロットとヒロインでアマゾン・キンドル版のために書き下ろされた初の新作。
☆ヒロインのドクトルマノンを、品性下劣なゲス男4人が、執拗な性調教で快楽堕ちさせ、ペニスに仕える女奴隷に貶めようとするのは、これまでの作者の得意とするストーリーで、描写の密度も濃くさすがの出来栄え。が、この作品で注目すべきなのは、男に屈すまいと抵抗するヒロインが、実は彼女を崇拝する男性看護師を貞操帯で射精管理する、酷薄な女王様として君臨していると言う二面性であろう。私にはヒロインのこちらの顔も魅力的だったが、読み手を選ぶと思う。今の所、ヒロインのマゾ性と女王様としてのサド性が互いに交わることがないので、今後何らかの形で関わって来るであろう事を期待したい。
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