☆この小説は「愛と官能の美学」のShyrockさんより投稿して頂いたものです。著作権はShyrockさんが持っておられます。
shyrock作 綾 長安人中伝

shyrock作 綾 長安人中伝

第7話
「どうしたのだ?」
「実は黄巾賊の者どもがまたもや村を襲って、略奪など好き放題を行なっているとのこと!いかがいたしましょうか!?」
「いかがするかだと!?馬鹿者!決まっているだろう!今すぐ出陣だ!準備をしろ!」
「はい、準備はもうできております!」
「ん?できておるのか?(・・;)それを早く言え。すぐに支度をするから整列して待っていろ!」
「はい、将軍閣下!承知しました!隊列を整えてお待ちしております!」
「ちぇっ、綾とせっかくいいところだったのになあ~。まあ、見てのとおりだ~。今から黄巾賊退治に行って来るから、綾、大人しく待ってろよ~」
「呂布、気をつけてね、私、心配・・・」
「心配するな。俺が簡単にやられると思ってるのか?」
「呂布がめっぽう強いのは分かってるんだけど、やっぱり心配だわ」
「大丈夫だって。それより、綾の方が心配だ。この館も一部の兵士しか残さないから少し不安だ。念のためお父さんのところに戻っておれ」
「うん、分かったわ。ねえ、呂布?」
「なんだ」
「帰ってきたらまたいっぱいしてね?いいこと」
「むふむふむふ~♪もちろんだよ~。嫌と言うほど、ほじってあげるからね~」
「その言い方、なんか、嫌らしい・・・(--;)」
「穴ほじりだ~い好き~」
「いいから早く行ってあげて。みんな待ってるわ」
「うん、じゃあ、行ってくるよ」
呂布はそう言うと綾に頬を近づけ、軽くくちづけをした。
「気をつけてね」
「うん、じゃあ」
呂布が千の兵を率いて館を出て行く後姿を、綾は窓から眺めていた。
「どうぞご無事で・・・」
呂布が天下無双と呼ばれるとほど強い武将であることは、綾としては充分に分かっている。
それでも不安を拭えないのが女心というものだ。
綾は呂布との約束どおり自宅に帰るため、身支度を整えはじめた。
準備が整うと、呂布が出て行きがらんと静まり返った館を後にした。
自宅までは牛車で30分ほど掛かる。
綾と同行する者が5名付けられた。
4名の武将と1名の御者(ぎょしゃ)である。
物々しい姿では反って目立つところから、武将はあえて平服を着用した。
牛車を挟んで前方に2名、後方に2名。
最小限の人数ではあるが、一応陣形をなしている。
ましてやあらかじめ呂布が綾に気遣って、腕の立つ武将4名を選りすぐっておいてくれた。
仮に賊に襲われたとしても、滅多なことで倒されることはないだろう。
(ガタンガタン、ゴトンゴトン、ガタンガタン、ゴトンゴトン)
牛車は夕闇迫る長安の郊外をゆっくりと進んでいた。
第8話
呂布が軍勢を引き連れて駆けつけた時、黄巾賊の黄色い旗がなびき、村はすでに阿鼻叫喚(あびきょうかん)の巷と化していた。
ある者は家を焼かれ逃げ惑い、抵抗する者は刃の餌食となり、若い娘達は衣服を引き裂かれ男達の慰みものになっていた。
「おのれ~!黄巾の下衆どもめが!1人残らず切って捨てい~!」
「わぁぁぁ!」
呂布の号令一過、兵士たちは黄巾の旗を目指して一気に攻め込んだ。
殺戮、窃盗、陵辱に没頭していた男たちは、呂布の急襲に慌てふためいた。
それもそのはず、呂布軍が村に近づいてからは、下馬し、蹄の音を響かせないで進軍したのであった。
「うわ~~~!呂布だ~~~!逃げろ~~~!!」
「なに!?呂布が現れただと!?おい、そんなもの放っておいて逃げようぜ!」
黄巾の男達はまるで蜘蛛の子を散らしたように四方八方に逃げ惑った。
賊はせいぜい50人足らずであろうか。
つわもの揃いの一千の呂布軍に追われては全く歯が立たなかった。
呂布軍の刃の前に次々倒れていく黄巾賊。
たちまち屍(しかばね)の山を築き上げた。
「おかしい・・・」
呂布の知恵袋ともいえる参謀の陳宮がふとつぶやいた。
「何がおかしいのだ?」
「将軍、変だとは思いませんか。賊たちの中に張角も張宝も見当たりません。死体を探しても小者ばかり。今までなら村を襲う時、必ず彼らのどちらかが指揮を執っていました」
「そういえば確かにいないようだなあ。何か訳があって来なかっただけではないのか」
「訳ですか?う~ん、何かありそうだなあ・・・」
「そのうちヤツラのそっ首を2つ並べて、董卓閣下に進呈するよ。まあ、あんまり気にするな」
「はい、そうですな。私の思い過ごしだったようで」
呂布軍は村を襲った賊を1人残らず一掃したあと、村の怪我人を手当てをし、まもなく砦の中に併設させた屋敷へと戻っていった。
その頃、4人の武将に警護された綾は長安郊外の林を通り抜けようとしてた。
季節柄、道の両側には色とりどりの花が咲き乱れ、綾たちの目を楽しませていた。
続く→綾 長安人中伝 第9~10話
戻る→綾 長安人中伝 第5~6話
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「どうしたのだ?」
「実は黄巾賊の者どもがまたもや村を襲って、略奪など好き放題を行なっているとのこと!いかがいたしましょうか!?」
「いかがするかだと!?馬鹿者!決まっているだろう!今すぐ出陣だ!準備をしろ!」
「はい、準備はもうできております!」
「ん?できておるのか?(・・;)それを早く言え。すぐに支度をするから整列して待っていろ!」
「はい、将軍閣下!承知しました!隊列を整えてお待ちしております!」
「ちぇっ、綾とせっかくいいところだったのになあ~。まあ、見てのとおりだ~。今から黄巾賊退治に行って来るから、綾、大人しく待ってろよ~」
「呂布、気をつけてね、私、心配・・・」
「心配するな。俺が簡単にやられると思ってるのか?」
「呂布がめっぽう強いのは分かってるんだけど、やっぱり心配だわ」
「大丈夫だって。それより、綾の方が心配だ。この館も一部の兵士しか残さないから少し不安だ。念のためお父さんのところに戻っておれ」
「うん、分かったわ。ねえ、呂布?」
「なんだ」
「帰ってきたらまたいっぱいしてね?いいこと」
「むふむふむふ~♪もちろんだよ~。嫌と言うほど、ほじってあげるからね~」
「その言い方、なんか、嫌らしい・・・(--;)」
「穴ほじりだ~い好き~」
「いいから早く行ってあげて。みんな待ってるわ」
「うん、じゃあ、行ってくるよ」
呂布はそう言うと綾に頬を近づけ、軽くくちづけをした。
「気をつけてね」
「うん、じゃあ」
呂布が千の兵を率いて館を出て行く後姿を、綾は窓から眺めていた。
「どうぞご無事で・・・」
呂布が天下無双と呼ばれるとほど強い武将であることは、綾としては充分に分かっている。
それでも不安を拭えないのが女心というものだ。
綾は呂布との約束どおり自宅に帰るため、身支度を整えはじめた。
準備が整うと、呂布が出て行きがらんと静まり返った館を後にした。
自宅までは牛車で30分ほど掛かる。
綾と同行する者が5名付けられた。
4名の武将と1名の御者(ぎょしゃ)である。
物々しい姿では反って目立つところから、武将はあえて平服を着用した。
牛車を挟んで前方に2名、後方に2名。
最小限の人数ではあるが、一応陣形をなしている。
ましてやあらかじめ呂布が綾に気遣って、腕の立つ武将4名を選りすぐっておいてくれた。
仮に賊に襲われたとしても、滅多なことで倒されることはないだろう。
(ガタンガタン、ゴトンゴトン、ガタンガタン、ゴトンゴトン)
牛車は夕闇迫る長安の郊外をゆっくりと進んでいた。
第8話
呂布が軍勢を引き連れて駆けつけた時、黄巾賊の黄色い旗がなびき、村はすでに阿鼻叫喚(あびきょうかん)の巷と化していた。
ある者は家を焼かれ逃げ惑い、抵抗する者は刃の餌食となり、若い娘達は衣服を引き裂かれ男達の慰みものになっていた。
「おのれ~!黄巾の下衆どもめが!1人残らず切って捨てい~!」
「わぁぁぁ!」
呂布の号令一過、兵士たちは黄巾の旗を目指して一気に攻め込んだ。
殺戮、窃盗、陵辱に没頭していた男たちは、呂布の急襲に慌てふためいた。
それもそのはず、呂布軍が村に近づいてからは、下馬し、蹄の音を響かせないで進軍したのであった。
「うわ~~~!呂布だ~~~!逃げろ~~~!!」
「なに!?呂布が現れただと!?おい、そんなもの放っておいて逃げようぜ!」
黄巾の男達はまるで蜘蛛の子を散らしたように四方八方に逃げ惑った。
賊はせいぜい50人足らずであろうか。
つわもの揃いの一千の呂布軍に追われては全く歯が立たなかった。
呂布軍の刃の前に次々倒れていく黄巾賊。
たちまち屍(しかばね)の山を築き上げた。
「おかしい・・・」
呂布の知恵袋ともいえる参謀の陳宮がふとつぶやいた。
「何がおかしいのだ?」
「将軍、変だとは思いませんか。賊たちの中に張角も張宝も見当たりません。死体を探しても小者ばかり。今までなら村を襲う時、必ず彼らのどちらかが指揮を執っていました」
「そういえば確かにいないようだなあ。何か訳があって来なかっただけではないのか」
「訳ですか?う~ん、何かありそうだなあ・・・」
「そのうちヤツラのそっ首を2つ並べて、董卓閣下に進呈するよ。まあ、あんまり気にするな」
「はい、そうですな。私の思い過ごしだったようで」
呂布軍は村を襲った賊を1人残らず一掃したあと、村の怪我人を手当てをし、まもなく砦の中に併設させた屋敷へと戻っていった。
その頃、4人の武将に警護された綾は長安郊外の林を通り抜けようとしてた。
季節柄、道の両側には色とりどりの花が咲き乱れ、綾たちの目を楽しませていた。
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