檻の中の妖精 団鬼六
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財産・地位・権力を持つ男爵の村山は、自宅に拷問部屋を作り、女たちを責めては変質的欲望を満たしていた。「嗜虐趣味は貴族のものだ」といってはばからない村山は、銀座の宝石商の社長夫人・貴美子にパーティで出会い、息をのむ美貌、官能的な姿態にすっかり魅せられる。策を弄して貴美子と、彼女が贔屓にしている歌舞伎役者を拉致した村山は、二人に屈辱的な調教を施す。やがて貴美子も被虐の快美感に…。


☆なぜだろう。学生時代さんざん「ズリネタ」としてお世話になった団鬼六作品なのに、悲しいくらい抜けなかった。ある程度ストーリーを追い、そろそろ抜き所だろうと、ワクワクしながら読んだものだが、その場面の官能描写が全く物足りないと感じてしまった。
 団鬼六と言えば、マンネリでも様式美に溢れた官能描写が楽しみだったのに、執拗さが感じられず、アッサリ官能場面が流されているようで、誠に残念。


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