☆この小説は「愛と官能の美学」のShyrockさんより投稿して頂いたものです。著作権はShyrockさんが持っておられます。

shyrock作 綾 長安人中伝
綾 長安人中伝















第17話

「お前は確か用を足そうとしていたな?」
「・・・・・・」

 用を足すとか足さないとか、そんな女性の秘事などこんな野卑な男達には関係のないことではないか。
 そのようなことを尋ねられることすら、綾としては屈辱であった。
 綾は張宝の質問を無視した。
 答える必要など一切無いからだ。
 反抗的な態度に張宝の表情は少し険しくなった。
 張宝は部下の兵士に命令した。

「おい、このお嬢さんは用を足したいらしい。両手が不自由だし、うまく衣服も脱げないだろう。用便を手伝ってやれ」
「はい、わかりました、地公将軍閣下」

 瞬間、綾の表情が青ざめた。
 会話だけの辱めだけでなく、まさか実行してこよとは。
 2人の兵士が綾の両側に回りこんだ。
 そして二の腕をむんずと掴んだ。

「きゃあ~~~!やめて~~~!な、何をしようと言うのですか!?嫌です!絶対に嫌です!」
「将軍閣下の命令だよ。さあ、大人しく俺達に任せるんだ」
「いや!いや!そんなこと嫌です~~~!」

 そんな様子を張宝は舌なめずりをしながら見つめていた。
 両側の男達は綾の下半身が露出するように衣服を脱がし始めた。

「きゃあ~~~~~~!いやいやいやあ~~~~~~!!」

 綾の叫び声は薄暗い牢獄に響き渡った。
 抵抗空しく、綾の雪のように白い肌が次第に露出していく。
 まもなく上着だけを残して下半身を覆う衣服は全て剥ぎ取られた。
 必死の抵抗を試みはするが男達の力には勝てず、便器のある方向へと引き摺られて行った。



第18話

 兵士の1人が便器の蓋を開けた。
 顔をしかめたくなるような腐臭が鼻腔を突く。

「く、くさい!」

 張宝は吐き捨てるように言った。
 囚人用のそれは、張宝が普段使用しているものとは比べ物にならないほど、不衛生で管理も行き届いていなかった。
 張宝はさらに顔を歪めながら部下に命令を下した。

「おい、綾を仕置き部屋に連れて行け」
「はい、承知しました」

 仕置き部屋と聞いた瞬間、綾ははっとした。
 董卓が持つ玉印の在り処を知るために、自分にどのような仕置きをしようというのだろうか。
 綾は青ざめながらも、ほのかに死を決意し始めていた。
 現実に綾は玉印の在り処を知らなかった。
 しかし綾が知っていると思い込んでいる彼らは、綾が白状するまであらゆる加虐を行なってくるだろう。

 綾は瞳を閉じて呂布を想った。
 凛々しい表情の呂布が瞼の向こうに浮かんでは消えて行った。

 仕置き部屋は明るい部屋とは言えなかったが、牢獄よりはかなり明るい。
 しかしその明るさが反って綾を恐怖の渦へと導いていった。
 部屋内部に配備されている見るからに恐ろしい拷問具が綾の目に飛び込んできた。

 綾と両脇から綾を抱える兵士達に続いて張宝が入ってきた。
 そして第一声、破廉恥な命令をくだした。

「先ずは先程の続きからだ」
「はい、承知しました」
「早くさせてやらないと漏らしてしまうかも知れないぞ。ぐふふ」
「全くで。では早速この明るい部屋でさせてやりましょう。ここなら臭くもありませんし」
「先程の匂いには参ったぞ。鼻が潰れるかと思った。では直ぐにさせてやれ」
「はい、承知しました」


続く→綾 長安人中伝 第19~20話

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