こんにちは、二次元世界の調教師です。感想を書きました。

ゴーストハント7 扉を開けて 小野不由美
41yYCMWB+0S._SY344_BO1,204,203,200_

☆このシリーズの最終作にして、白眉の内容。まず、ホラー小説として、全員廃小学校に謎の力で閉じ込められ、1人ずつ消えていくのが、妙にリアリティがあり、シリーズ中、一番恐怖を感じた。本当にありそうに思えて、どうせハッピーエンドだろうと想っても、読んでいてゾクゾクしたのは、作者の筆力故と思う。

 そして、シリーズ全体の謎が明かされる、大団円は、悲しい秘密にも関わらず、感慨で胸がいっぱいになった。ヒロイン麻衣とナルとの関係は、やはり不思議な絆で結ばれており、麻衣の成長と独り立ちを、描いていると感じられた。悲しい話なのに、明るい未来が示唆されて、暖かい気持ちになる、素晴らしい解後感。こんな規格外のホラー小説を書き上げた、作者の構想力に脱帽。