☆この小説は「愛と官能の美学」のShyrockさんより投稿して頂いたものです。著作権はShyrockさんが持っておられます。

shyrock作 綾 長安人中伝
綾 長安人中伝















第29話

「張宝将軍、今からいったい何が始まるのでしょうか?」
「ぐふふ、直ぐに分かる・・・」

 部下からの問いに張宝はまともに答えず、ニヤニヤとただ笑うだけであった。
 女官の作業は終わったようだ。
 ドロリとした粘液状のものを塗り終えた女官に、張宝は無言で合図を送った。
 女官は綾の猿ぐつわを解いたあと、左右から両腕を抱えて、張り詰めた紐のそばまで連れて行った。

「綾様、さあ、この紐にお乗りください」
「紐に乗れと・・・?まさか紐にまたがれと言うのでは無いでしょうね」
「おほほ、よくお分かりですわね。そのまさかですわ」
「いやです!そんな恥ずかしい事、私、絶対にできません!」
「拒むことはできませんわ。張宝将軍のご命令ですからね」
「いやっいやっ!先ほどから色々な辱めは受けたけど、これだけは絶対に嫌です!」

 綾は張宝にすがって泣いた。

「張宝様、お願いです!こんな恥辱を受けるぐらいなら早く殺してください!」
「今頃、呂布も石の下敷きになって大往生を遂げておるだろうから、生きていても仕方ないというわけか?」
「そ、そんなっ・・・」
「わっはっはっはっは~、だが、お前には死んでもらっては困るのだ。兄者がお前にいたく惚れておってのう。お前は兄者の花嫁になってもらわねばならないのだ」
「そんなこと絶対にお断りします!」
「断る?わっはっはっは~、無理な注文だな。そこでだ、お前には兄者が喜ぶように、できるだけ性感を鍛えてやろうと思ってな。いわば、兄孝行というわけだ。おしゃべりはこの辺で終わりだ。おい!綾をその紐にまたがらせろ!」
「はい!承知しました」

 女官ふたりに加え、さらに兵士数人が協力し、瞬く間に綾を担ぎ上げ、強引に開脚させ紐の上に跨らせてしまった。



第30話

 綾は拒絶の態度を示してみたが、両手を後手に拘束された不自由な身では、抗うことなどできなかった。
 ピンと張りつめた細い紐が、無抵抗な無毛の丘に食い込んでいく。

「いやぁ・・・許してぇ・・・」

 紐は特殊な木綿でできており、粘りがあって、少々の体重を掛けても切れる惧れはなかった。

 綾の拘束と固定は男性兵士に任せ、女官は紐を操る側に回った。 張りつめた紐をつまみ、グイと引く。
 亀裂に食い込んだ紐はさらに深く淫谷を食い込んでいく。

「あっ、あっ、いやっ・・・やめて・・・」

 女官の紐を引く手さばきは実に緩やかであった。
 間違っても操作を速めたりはしなかった。
 激しく擦ると摩擦で陰部に裂傷を負わせてしまう可能性があるからだ。
 綾は黄巾賊の総帥とも言える大賢良師張角への重要な貢ぎ物である。
 貢ぎ物に傷を負わせることは許されない。
 あくまで性感を高めるための行為なのだ。
 しかし綾にとってはそれも拷問のひとつに過ぎなかった。
 陰毛を剃られ丸見えになった女の恥部を紐で嬲られ、それを公衆の面前で晒さなければならないわけだから、一種の虐待と言っても過言ではなかった。

 女官は綾の表情を確かめるかのように覗き込み、ゆっくりと紐を操る。
 綾の額には大粒の汗が光っている。

「はぁはぁはぁ・・・いやぁ・・・あぁ・・・身体が変・・・あぁ・・・か、身体が・・・あ、あつい・・・あぁ・・・」

 張宝は淫靡に微笑みあごひげを撫でながら、興味深げに綾の変化を見守っていた。

「ふふふ、かなり効果が現れてきたようだな。ところで、紐に塗リ込めた薬はいったいどんなものなのだ?」

 女官は会釈をして慇懃に答えた。

「はい、張宝将軍。紐に塗った薬は【紅蜘蛛】と呼ばれている幻の媚薬でございます」
「ほほう、幻の媚薬か」
「はい、高山にしかない山藥と枸杞、甘草、欠實、百合等を配合して作った薬でございます」
「して、その効果は?」


続く→綾 長安人中伝 第31~32話

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