☆この小説は「羞恥の風」のとっきーさっきーさんより投稿して頂いたものです。著作権はとっきーさっきーさんが持っておられます。

とっきーさっきー作 陽だまりの座席から愛を込めて陽だまりの座席から愛を込めて



いつからだろう?
胸の奥がドキドキするようになったのは?
わたしは窓辺の席に座ったまま、その人を見つめた。
キラキラとした太陽の陽射しに照らされた特等席から、廊下側に面したちょっぴり暗めで肌寒そうな座席を、いつまでもずっと。
だけど、その人は眩しいくらいに輝いていた。
わたしなんかより遥かに……
わたしなんかより、もっともっと……
柔らかくて、優しい眼差しを振り撒いて、たくさんのクラスメイトに囲まれて。
さり気なくその人も、陽だまりの孤島に佇むわたしに目を向けながら…


最終話 陽だまりの座席からあなたを……



「わぁ、わたし……あなたのことが好きになってたの。そうしたら……胸がつぶれそうなほど苦しくて、じっとなんかしていられなくなってたの。ごめんなさい」

「ううん、謝ったりしたらダメ。さっきも話したでしょ。アナタに愛してもらって、とってもうれしいんだから」

「あはぁっ、そんないきなり……んふぅっ」

そして胸に刺激が走った。
ほっそりとしていて白い肌をした両腕が、右と左から回し込まれて、二つ並んだ膨らみが揺らされた。
『白魚のように』という表現は、この人のためにあるの?
そんな指が……指の先が、放置されたままの乳房を包んでは、ヤワヤワと揉みあげてくれる。

「はあぁっ、おっぱい……気持ちいい……」

わたしは想いのままを口にした。
女の子の感度を知り尽くした指使いに、胸の中までキュンキュンさせられる。
こそばゆいような……それなのに、頭の芯までマヒさせられるような……

「あっ、乳首が勃ってきてるわよ。感じてくれてるんだね」

「ひぃ、ひうぅぅっっ! や、やだぁ、ソコ……摘ままないでぇ、はあっ! 弾いちゃダメぇ……」

うすっぺらいお乳のお肉が、今頃になって弾んでいた。
人差し指と親指に、胸の先っぽを挟まれて、それからきつめに弄られて、だけどとっても快感なの。
いい気持ちな電気が、ビリビリとしているの。

「こらぁ、そんなに身体をクネクネさせないの」

「だってぇ……」

わたしは甘えていた。
ついでに息を弾ませていた。
その人と目を合わせて、はにかむように逸らせてみせて、胸だけは突き出していた。
陸上選手のフィニィッシュスタイルのように、グッと反らして、おっぱいも乳首も好きなだけ愛撫して欲しくて。

ちゅく、ちゅく……じゅく、じゅにゅ……

「や、やだぁ、アソコのお肉まで……はあぁ、エッチな気分になってぇ……んんっ……」

そうしたら、嫉妬したのかな。
下半身のお肉も疼いている。
金縛りしてたみたいに凍りついていた両腕が、ウズウズとして、コンドームを被ったまま膣口に埋まっているリコーダーが、円を描くようにダンスを始めて。
痛いと信じていた膣肌の神経が、慰めるように甘い刺激に置き換わっていく。

「だけど、本当にいいの? アナタにとっての初体験なんだよ」

「んふ、ふうっ……いいの……全然後悔なんてしないから……わたし、大好きなあなたに捧げようと思ってそれで……」

言葉は途切れても、わたしの意思は固いの。
それを示そうと、丸い円柱のボディをギュっと握り締めてみせる。
両手をクイクイと持ち上げては、処女膜すれすれまで膣の壁を浸食させて、吊られるように強張るほっぺたをぎこちなく緩めてみせる。

「一生に一度のバージンを……ありがとう……」

そして、ガラスのように透き通っていた耳元の声が、潤んで聞こえた。
覆ってくれていた身体の密着度が増して、わたしのハートと、その人のハートが、重なり合って鼓動をひとつにさせる。

「アナタの想いを手伝わせて……お願い……」

おっぱいを気持ち良くしてくれた両腕が、スルスルと下降していた。
前屈みなわたしに添うように、その人も腰を折り曲げて、心地よく揃えられた手のひらが太腿の肌を撫でてくれる。

「ふはぁ、んふぅっ……う、うぅ、グスン……グスン……」

「もしかして、泣いてるの?」

訊かれて、わたしはコクンと頷いた。

「だけどもう……ヤメテあげないよ」

「うん、ヤメないで」

わたしは堂々とした涙声で返事をした。
また頷いていた。

「腕に力が入りすぎよ。もっとリラックスして」

太腿の肉と戯れていた手の指が、ふわっと飛んで、わたしの手に乗せられる。
アドバイスされて緊張を緩めた手の甲をしっかりと包んで、指と指が絡み合っていく。
右と左で10本の指達に、合わせてもう10本の指達が集合して、心のないリコーダーに熱い意識を込めた。

「愛してます……あなたのことを……」

「ええ、愛してるわ。アナタの全てを……」

目を凝らしたって、何も覗けない暗闇の世界。
牧師様も教会だって存在しない、静まり返った教室で、わたしはその人に愛の誓いを宣言する。
その人も、わたしの誓いをなぞって、無限の愛までオマケしてくれて。

ズズズ……ズニュ、ズニュ……ズリュ、ズリュ……

「ング……グゥッ……中までぇ、これでぇ……んん、くふぅぅっっ!」

漏らして吐いた息遣いをひとつにして、わたしは腕を引いた。
ヒザも曲げて、腰も落として、不安定な身体をその人が支えてくれて……

痛くないと言えば、きっと嘘だと思う。
だけどそれは幸せな痛みだと思う。

想いを託して、想いを托されていて。
陽だまりの座席から、こっそりと憧れていた陽陰の座席へと。
身も心も結び合わせた今、わたしは本物の愛を実感していた。


【陽だまりの座席から愛を込めて 完】


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