☆この小説は「羞恥の風」のとっきーさっきーさんより投稿して頂いたものです。著作権はとっきーさっきーさんが持っておられます。
とっきーさっきー作 ツレがスケベ小説に染まりまして……
もしもである。
結婚を前提とし、将来を約束し合った男性パートナーが、突然に『官能小説を描きたい!』と声を上げれば、女性側はどう対応すればいいのだろう?
少々驚きもするが、冷静に考えれば『ふ~ん、あなたに作れるの?』とか。
『面白そうね。完成したらわたしにも読ませてよ』とか。
『悪いことは言わない。時間の無駄だから止めなさいよ』などが、レギュラータイプの回答だろうか。
なかには『それ、どこで発表するの? もしプロの目に留まって出版なんてことになったら、版権の半分はわたしのモノだからね』とかいう、したたかな女性もいるかもしれない。
そして『もしも』が現実に置き換わり、男が『官能小説を描きたい執念』をメラメラと燃え出させた時、パートナーの女は……?
その薄紅色に染まった裸体を差し出し、羞恥に身を焦がしながらも……
『これもエッチな小説のためだから』と……
【登場人物紹介】
山口涼花(やまぐち りょうか)
本作品のヒロインで、20才の女子大生。
恋人の吾郎とは一年前ほどにバイト先で知り合い、現在は同棲中。
一風変わったところのある吾郎に振り回されながらも、その彼を一途に愛する美少女。
木下吾朗(きのした ごろう)
涼花の彼氏であり、現在20才。彼女同様に都心の大学に通っている。
男気のある優しい性格だが、最近は彼女である涼花とのセックスに満足していないらしい。
ある朝、突飛もないことを涼花に相談し……
第5話 男女の仲をつなぐM字オナニー
自分で全裸になるのは、お風呂に入る時だけ。
肌と肌を重ね合わせて、お互いの身体をひとつにさせるセックスの時は、吾朗が優しく脱がせてくれた。
仰向けに寝そべる彼女から、ブラジャーもパンティーも。
不器用そうな指先をぎこちなく動かして。
「涼花、ベッドに上がって」
「う、うん……わかった……」
吾朗は床に敷いた原稿用紙から目を離した。
固く握りしめていた2Bの鉛筆も放り出すように手放すと、俯かせていた上半身を引き起こしていた。
涼花は生まれたままの素裸なのに、吾朗は普段着のTシャツとチノパンのままである。
その涼花は指定されたベッドの上で横座りのまま、胸を両手で抱いているのに、吾朗はどっかと胡坐座りをすると、両腕を持ち上げて大きな欠伸をした。
「りょうかのストリップシーンだけで、原稿用紙5枚かぁ。ちょっと詳しく書きすぎたかな……はははっ」
ブラウスにジーンズ。
それにブラジャーとパンティー。
ひと固まりにして雑に積み上げたモノに、涼花は目を落としていた。
妙に軽くて乾いた吾朗の笑い声を聞きながら、2000字に詰められたこれまでの行為を思い返していた。
「それじゃ、次はオナニーっていうことで」
少し現実逃避していたのかもしれない。
「涼花、オナニーだよ……そこで自分を慰めて見せてよ」
だからだろう。
涼花は恋人の要求を、他人事のように聞いていた。
赤らめた顔に焦点のぼやけた瞳で、ただ口の端をニヤけさせた吾朗を見つめていた。
オナニー……自分で慰める……
誰が……?
自分の指で……涼花自身が……
とても分かりやすい日本語なのに、理解するのには暫くの時間を要していた。
「う、嘘でしょ……吾朗ちゃん?」
そして涼花の口から飛び出したのは、乙女として当たり前な反応。
「僕の作る官能小説には、女の子のオナニーが必修なんだよ。このシーンを描かないことには、僕と涼花の関係も前には進めない。そう思うんだ」
吾朗の口元から、いやらしいニヤケが消えた。
両眼が真顔で見据えて、無理強いすぎるこじつけを持ち出してくる。
「そんなぁ、オナニーなんて……恥ずかしいのよ、とっても……」
「だから必要なんだよ。涼花が恥じらいながら悶える姿が、この小説に絶妙なスパイスを加えることになるんだ」
涼花が恨めしそうに吾朗を睨んだ。
けれども吾朗は素知らぬ表情である。
真顔な瞳に、似合いもしない目力まで湛えさせて、取って付けたような表現まで持ち出すと、涼花の戸惑いを一気に瓦解へと進ませる。
「卑怯だよ、吾朗ちゃん。言ってる意味もメチャクチャ勝手だけど……でも、だけどね……う、う~ん、仕方ないから見せてあげる。そ、そのね、涼花が独りエッチしているところ……」
そして3分後、涼花が折れた。
何度も何度も諦め色をした溜息を吐いてみせ、あどけなさを残した顔付きのまま20才の女体を、大人の女の兆しを見せる胸元と下半身を交互にも見つめ続けて、最後にはハニカムように笑った。
「サンキュー、涼花」
「吾朗ちゃん。やめてよ、そんな……」
オナニーを決意して感謝がられても、何も嬉しくはない。
しかし何であろう?
腹の底から胸の中に沸く高揚感は?
涼花はお尻をズルズルと滑らせて、背中を壁に預けた。
ベッドシーツに乱れたシワを幾筋も刻ませながら、それも構わずに横座りの両足を崩した。
ヒザ関節を折り曲げる。
二つに畳んだ両足を、ぐっと引き寄せていく。
「『りょうかは男が見ているまで股を開いた。いわゆるM字開脚をしてみせると、左の手のひらを胸のふくらみに乗せた。そして右の手のひらを拡げられた股間へと運び……』それからっと……」
チュク、チュク……にちゅ……
「ふぅっ……どうして……?」
サーモンピンクな恥肉は、既に濡れていた。
吾朗の目からはガードするように、指を伸ばして押し当てた処からは、ヌルっとした愛液が潤み出していた。
乙女心は、決して望まなかった脱衣ショーだったのに?
それとも素肌の全てをはだけさせて、尚も、人目に晒してはならない自慰までを決意して?
「んんふぅっ……はあぁぁっっ……」
唇が薄く開いていた。
左手の指が無意識に乳房を揉み込んで、熱い刺激が喉を震わせている。
「嫌ぁ、恥ずかしい……でもぉ……」
吾朗の眼光が、一直線に涼花の股間を貫いていた。
まるで西洋絵画の木の葉のように、秘処を隠す役目に徹する手のひら。
その伸ばされて伸び切った指先に、淫らな魔法を施していく。
オナニーという羞恥と快感を両立させる行為へと、5本の指を誘っていく。
「ゴク、ゴクン……『りょうかの白魚そのままの指先が、紅い亀裂に這わされた。ぷっくりと膨らんだビーナスの丘に、小指と親指を残し、人差し指と薬指が陰唇の扉を拡げる。先兵を任された中指がその中心に深く沈み込み、複雑に絡み合う恥肉の層を掻き乱していく』」
「あぁっ、はうぅっ……疼いちゃうぅ、涼花の大切な処なのにぃ……指でこすっただけでぇ、あはあぁぁ……」
涼花は喘いでいた。
女の本能で、盛んに指を動かしていた。
くすんで色褪せた壁紙に背中を押し付けて、モゾモゾとさせて、きつく引き寄せていたM字の両足が、だらしなく崩れていって。
写実的な吾朗の描写が、鼓膜の中から脳の中心に沁み込んでくる。
意識したことのない淫らな指の蠢きに、背筋がゾクゾクとして、切ない快感が全身の筋肉を弛緩させる。
シュル、シュル……スゥーッ……
「んふぁ、なんでぇ……どうして、吾朗ちゃんまでぇ……?!」
続く→ツレがスケベ小説に染まりまして…… 第6話 原稿用紙に刻まれる自慰の調べ
戻る→ツレがスケベ小説に染まりまして…… 第4話 涼花? りょうか? 絡み合う恋心
ツレがスケベ小説に染まりまして…… 目次
投稿小説一覧
とっきーさっきー作 ツレがスケベ小説に染まりまして……

もしもである。
結婚を前提とし、将来を約束し合った男性パートナーが、突然に『官能小説を描きたい!』と声を上げれば、女性側はどう対応すればいいのだろう?
少々驚きもするが、冷静に考えれば『ふ~ん、あなたに作れるの?』とか。
『面白そうね。完成したらわたしにも読ませてよ』とか。
『悪いことは言わない。時間の無駄だから止めなさいよ』などが、レギュラータイプの回答だろうか。
なかには『それ、どこで発表するの? もしプロの目に留まって出版なんてことになったら、版権の半分はわたしのモノだからね』とかいう、したたかな女性もいるかもしれない。
そして『もしも』が現実に置き換わり、男が『官能小説を描きたい執念』をメラメラと燃え出させた時、パートナーの女は……?
その薄紅色に染まった裸体を差し出し、羞恥に身を焦がしながらも……
『これもエッチな小説のためだから』と……
【登場人物紹介】
山口涼花(やまぐち りょうか)
本作品のヒロインで、20才の女子大生。
恋人の吾郎とは一年前ほどにバイト先で知り合い、現在は同棲中。
一風変わったところのある吾郎に振り回されながらも、その彼を一途に愛する美少女。
木下吾朗(きのした ごろう)
涼花の彼氏であり、現在20才。彼女同様に都心の大学に通っている。
男気のある優しい性格だが、最近は彼女である涼花とのセックスに満足していないらしい。
ある朝、突飛もないことを涼花に相談し……
第5話 男女の仲をつなぐM字オナニー
自分で全裸になるのは、お風呂に入る時だけ。
肌と肌を重ね合わせて、お互いの身体をひとつにさせるセックスの時は、吾朗が優しく脱がせてくれた。
仰向けに寝そべる彼女から、ブラジャーもパンティーも。
不器用そうな指先をぎこちなく動かして。
「涼花、ベッドに上がって」
「う、うん……わかった……」
吾朗は床に敷いた原稿用紙から目を離した。
固く握りしめていた2Bの鉛筆も放り出すように手放すと、俯かせていた上半身を引き起こしていた。
涼花は生まれたままの素裸なのに、吾朗は普段着のTシャツとチノパンのままである。
その涼花は指定されたベッドの上で横座りのまま、胸を両手で抱いているのに、吾朗はどっかと胡坐座りをすると、両腕を持ち上げて大きな欠伸をした。
「りょうかのストリップシーンだけで、原稿用紙5枚かぁ。ちょっと詳しく書きすぎたかな……はははっ」
ブラウスにジーンズ。
それにブラジャーとパンティー。
ひと固まりにして雑に積み上げたモノに、涼花は目を落としていた。
妙に軽くて乾いた吾朗の笑い声を聞きながら、2000字に詰められたこれまでの行為を思い返していた。
「それじゃ、次はオナニーっていうことで」
少し現実逃避していたのかもしれない。
「涼花、オナニーだよ……そこで自分を慰めて見せてよ」
だからだろう。
涼花は恋人の要求を、他人事のように聞いていた。
赤らめた顔に焦点のぼやけた瞳で、ただ口の端をニヤけさせた吾朗を見つめていた。
オナニー……自分で慰める……
誰が……?
自分の指で……涼花自身が……
とても分かりやすい日本語なのに、理解するのには暫くの時間を要していた。
「う、嘘でしょ……吾朗ちゃん?」
そして涼花の口から飛び出したのは、乙女として当たり前な反応。
「僕の作る官能小説には、女の子のオナニーが必修なんだよ。このシーンを描かないことには、僕と涼花の関係も前には進めない。そう思うんだ」
吾朗の口元から、いやらしいニヤケが消えた。
両眼が真顔で見据えて、無理強いすぎるこじつけを持ち出してくる。
「そんなぁ、オナニーなんて……恥ずかしいのよ、とっても……」
「だから必要なんだよ。涼花が恥じらいながら悶える姿が、この小説に絶妙なスパイスを加えることになるんだ」
涼花が恨めしそうに吾朗を睨んだ。
けれども吾朗は素知らぬ表情である。
真顔な瞳に、似合いもしない目力まで湛えさせて、取って付けたような表現まで持ち出すと、涼花の戸惑いを一気に瓦解へと進ませる。
「卑怯だよ、吾朗ちゃん。言ってる意味もメチャクチャ勝手だけど……でも、だけどね……う、う~ん、仕方ないから見せてあげる。そ、そのね、涼花が独りエッチしているところ……」
そして3分後、涼花が折れた。
何度も何度も諦め色をした溜息を吐いてみせ、あどけなさを残した顔付きのまま20才の女体を、大人の女の兆しを見せる胸元と下半身を交互にも見つめ続けて、最後にはハニカムように笑った。
「サンキュー、涼花」
「吾朗ちゃん。やめてよ、そんな……」
オナニーを決意して感謝がられても、何も嬉しくはない。
しかし何であろう?
腹の底から胸の中に沸く高揚感は?
涼花はお尻をズルズルと滑らせて、背中を壁に預けた。
ベッドシーツに乱れたシワを幾筋も刻ませながら、それも構わずに横座りの両足を崩した。
ヒザ関節を折り曲げる。
二つに畳んだ両足を、ぐっと引き寄せていく。
「『りょうかは男が見ているまで股を開いた。いわゆるM字開脚をしてみせると、左の手のひらを胸のふくらみに乗せた。そして右の手のひらを拡げられた股間へと運び……』それからっと……」
チュク、チュク……にちゅ……
「ふぅっ……どうして……?」
サーモンピンクな恥肉は、既に濡れていた。
吾朗の目からはガードするように、指を伸ばして押し当てた処からは、ヌルっとした愛液が潤み出していた。
乙女心は、決して望まなかった脱衣ショーだったのに?
それとも素肌の全てをはだけさせて、尚も、人目に晒してはならない自慰までを決意して?
「んんふぅっ……はあぁぁっっ……」
唇が薄く開いていた。
左手の指が無意識に乳房を揉み込んで、熱い刺激が喉を震わせている。
「嫌ぁ、恥ずかしい……でもぉ……」
吾朗の眼光が、一直線に涼花の股間を貫いていた。
まるで西洋絵画の木の葉のように、秘処を隠す役目に徹する手のひら。
その伸ばされて伸び切った指先に、淫らな魔法を施していく。
オナニーという羞恥と快感を両立させる行為へと、5本の指を誘っていく。
「ゴク、ゴクン……『りょうかの白魚そのままの指先が、紅い亀裂に這わされた。ぷっくりと膨らんだビーナスの丘に、小指と親指を残し、人差し指と薬指が陰唇の扉を拡げる。先兵を任された中指がその中心に深く沈み込み、複雑に絡み合う恥肉の層を掻き乱していく』」
「あぁっ、はうぅっ……疼いちゃうぅ、涼花の大切な処なのにぃ……指でこすっただけでぇ、あはあぁぁ……」
涼花は喘いでいた。
女の本能で、盛んに指を動かしていた。
くすんで色褪せた壁紙に背中を押し付けて、モゾモゾとさせて、きつく引き寄せていたM字の両足が、だらしなく崩れていって。
写実的な吾朗の描写が、鼓膜の中から脳の中心に沁み込んでくる。
意識したことのない淫らな指の蠢きに、背筋がゾクゾクとして、切ない快感が全身の筋肉を弛緩させる。
シュル、シュル……スゥーッ……
「んふぁ、なんでぇ……どうして、吾朗ちゃんまでぇ……?!」
続く→ツレがスケベ小説に染まりまして…… 第6話 原稿用紙に刻まれる自慰の調べ
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