ドクトル・マノン《Trans Beauty》トランス・ビューティ5 由紀かほる

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由紀かほるが標榜する「奇想天外、驚天動地、荒唐無稽なるアンチ・ノンフィクションの恋愛大ローマン」の代表的長編大作、第五幕。


《あらすじ》

「東亜コンチネンタル病院」の理事長、伊保内甚一らによる奸計によって、一ヶ月間、セックス奴隷として仕えると云う《契約》を結ばされた精神科医、甲田麻音(まのん)。

理事長の甥で、妾の子である外科医の古東猫麿。
理事長のベテラン秘書、毛里仁吉。
若い麻酔科医、真希多拓磨。

四人のオトコたちは昼夜を問わず、麻音の卓越したボディを貪って、己の欲望を満たした。

「Female Supremacy」(略称FS)
すなわち、絶対的な女性上位の社会の実現を目指す、21世紀のイデオロギー。
そのトップに君臨し、同時にその象徴でもあった麻音は、執拗なオトコたちの《徹底玩弄》によってはじめて男女のセックスにおける「おんなの歓び」を知ってしまう。

引き続き、麻音は吉原にある《アルカディア Ⅱ》にて、客を取らされた。

ウェブサイトに乗った麻音の自己紹介文は、次のようなものだった。
《超新人登場!現役のおんなドクトルが、覚悟の超風俗嬢に転身!
身長一七四センチ。
バスト八四センチ。
ヒップ九四センチ。
超有名大学医学部卒業。
二八歳。
貌、スタイルに絶対の自身あり。
得意プレイ・すべて。
即尺、オッケイ。
アナル、オッケイ。
全身、乳房洗い。
全身、舌舐め洗い。
全身、オマ×コ洗い。
性交と射精の回数、無制限。
NGプレイ・なし。
性感ポイント・全身。
中でもバスト。
揉み方は思いっきり強く、長い時間の徹底した搾り上げ、捏ね上げられるのが一番感じます。
モットー・お客様の快楽のために全身全霊を捧げて、ご奉仕します。
あらゆるご希望にすべてお應えします。
万一、ご希望に添ない場合は、サービス料、入浴料をお返しします。
この部屋の中では、お客様はご主人様で、わたくしはおんなセックス奴隷です。
何なりとお申しつけ下さい。
万一、不都合や至らない点がありましたら、その場で身体に教え込んで下さい。
ビンタで教え込んで下さい。
二度とミスしないように、最低でも一〇発叩いて下さるよう、心より強くお願い申し上げます。
また、おんな奴隷は恒にお客様の脚もとに土下座して、許可なく二本の脚で歩いたりしません。
頭はお客様のオチ×コ様より、恒に下に置きます。
おんな奴隷は部屋に入ってすぐのセックスのご要望にお應えするために、お客様の前では恒にオマ×コとアナルを濡らしております。
いつでも、どんな体位でも、即セックス可能です。
また、おんな奴隷はお客様の快楽のためにこの身体を提供するのものであり、決して自らの快楽を追求するものではありません。
よって、如何なる場合に於いても、決してオルガスムスに達するような失態はいたしません。
万一、イク(射精する)ようなことがあった場合は、入浴料、サービス料を全額お返しし、さらに謝罪料として一〇万円をお支払し、また、次回のご入浴を無料にさせて頂きます》
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麻音から強烈なビンタの嵐を浴び、さらにFSのメンバーたちからディルドオによって、14回もの強制射精をさせられた麻酔医の真希多は、自分の中に潜む、もう一つの願望に次第に引き寄せられていく。

一方、麻音はその日《アルカディアⅡ》に於いて、口開けの客に、かつて東亜コンチネンタル病院で雑用係として働いていた菅沼を迎えることになった。

薄汚れた爬虫類を連想させる外観、無能を絵に描いたような菅沼は、飢えきった己の願望を憧れのドクトル麻音にぶつけてくる。

性癖こそノーマルでありながら、その余りにストレートで、貪婪な前戯に、麻音は新たな官能の世界へと導かれていくのだった。



☆前巻まで苦言を呈して来た、過激な暴力シーンはほとんど目立たなくなった。が、その代わり、メインの菅沼への奉仕プレイが、ノーマルなセックスシーンだと言うのは、頂けない。由紀かほるらしい、粘着質な性行為の描写ではあるが、せっかくカラダに特殊な仕掛けが施されてるのに、全然生きていないと思う。



 そもそも、このシリーズ自体が、新しいSM小説を目指すあまりに、読者を置いてけぼりに、している感がある。今巻を好意的に見れば、クライマックスの前の一休みなんだろうけど、由紀かほる先生が迷走してるように、思えてならなかった。


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