☆この小説は「愛と官能の美学」のShyrockさんより投稿して頂いたものです。著作権はShyrockさんが持っておられます。

shyrock作 ゆま 祇園桜散りそめて
ゆま 祇園桜散りそめて



<主な登場人物>

夢岡 ゆま 十七歳、祇園舞妓
峰山 勝治 五十五歳、首相秘書官
畑 巳之吉 六十二歳、大阪道修町薬品卸問屋組合理事長
柳本 せつ 五十八歳、京都宮川町置屋女将
山村 長次 四十八歳 料亭『紅屋』板長











第五話「キュウリの使い道」

旦那衆の席にはそれぞれ膳が用意されている。
 しかしほとんどの旦那衆は膳には箸を着けず、ゆまに盛られた刺身をむさぼり合っている。
 ゆまに盛り付けた刺身が減ると、板場たちがまめまめしく動き回りすぐに補充する。
 ところが不思議なことに、むさぼり合っている旦那衆だが秘所に盛り付けられた大トロと伊勢エビには手を付けない。
 やはり峰山への配慮であろうか。
 そんな折、禿げあがった一人の旦那が峰山に対し秘所に盛られた刺身を食するよう促した。

「峰山先生、特等席に盛られたお造りをどうぞお召し上がりください」
「舞妓のアソコは特等席か?これはおもしろい!では特等席の刺身をいただくとするか」

 峰山は満面の笑みを浮かべながら伊勢エビをつまんだ。

「私は伊勢エビをいただくから、よかったら大トロは理事長が食べてくれ。さきほどから司会をして全然食べてないじゃないか」
「お気遣いすんまへん。ほんならお言葉に甘えて大トロをいただきましょか」

 理事長は峰山の勧めで大トロに箸を伸ばした。
 どこからともなく喝采が起こり、他の者もつられるように拍手をし始めた。

「峰山先生、どんな味でっか?ご感想を」
「舞妓はんのおつい飲んでエビが酔うてまっせ~」
「そんなアホなことあるかいな~」
「わははははは~」

 旦那衆が好き勝手なことをつぶやき囃し立てる。
 座敷の喧噪をよそに、ゆまは羞恥にまみれ顔を真っ赤にしている。
 置屋の女将から予め「どんなことをされても絶対我慢」と言いつけられていたから、ただ耐えるしかなかった。

「うん、美味い。美人舞妓の秘所に盛られた伊勢エビは格別に美味いよ」
「おお、これはうらやましい!」
「先生が喜んでくれはったら、わてらも嬉しおますわ!」

 峰山は伊勢エビに舌鼓をうちながら満足そうに盃を傾けた。
 横についている芸妓が空かさず酌をする。

 いつのまにか多くの旦那衆がゆまの周囲を取り巻き、一斉に箸を差し出してくる。
 板場たちが盛り付けても、すぐに箸が伸びてきてすぐに刺身が消えていく。
 女体盛り大忙しである。

「そばで見たら、えらい別嬪さんやなあ、刺身が美味いはずやで」
「舞妓はん、なんちゅう名前なんや?」
「へえ、ゆまどす……」
「素っ裸で刺身盛られて、どんな気分や?」
「恥ずかしおす……あぁ、消えてしまいたい……」
「ほんまきれいな舞妓はんやこと。ほんま不思議やなあ、美人やったら刺身までうもう感じるわ」
「べらんめえ、俺なんざ東京深川の芸者で女体盛りをしたことがあったぜ。でもよお、あんときよりこっちの方が断然うめえぜ!」

 峰山はみんなが談笑しながら、ゆまに盛られた刺身をつまむ様子を楽しそうに眺めていた。
 板長が秘所に刺身を盛り付けようとしたとき、峰山が「そこに乗せるのはちょっと待ってくれ」と盛り付けを制止した。

「え?ここは盛らんでもよろしおすんか?」
「うん、盛らなくていい。その代りにすまないがキュウリを一本持ってきてくれないか」
「キュウリどすか?」

 峰山の要望は不可解であったが、板長としては断るわけにもいかず、すぐに若い板場にキュウリを持ってくるよう伝えた。

 まもなく板場見習いの一平がキュウリを乗せた竹籠を運んできた。
 峰山はにんまりと笑みを浮かべ一本のキュウリを取り出した。

「今夜、美しい舞妓ゆまに盛られた刺身はすごく美味しいです。しかしこの美味しい刺身をもっと美味しくする方法があります」
「え?どういうこっちゃ?山村板長はんはこの界隈ではかなり名の通った板場どすえ。峰山先生はそれより美味いもんを造れるちゅうんどすか?」

 地元京都の一人の旦那が峰山の提言に疑問を唱えた。

「私は料理に関してはまったくの素人です。でもこの一本のキュウリが大幅に味を変えてくれます」

 旦那衆からどよめきが起こった。

「刺身にキュウリ添えて食べても別に味は変わらんで」
「キュウリなんか調味料になれへんのになあ」

 一同が首を傾げる中、峰山はゆまの恥丘に指を這わせ、ゆっくりと陰核を擦りだした。
 突然敏感な個所を触られたゆまは驚きのあまり声を荒げた。

「いやどすぅ……!ようけの人の見てはる前でこんな恥ずかしいこと、堪忍しておくれやす……!」
「騒ぐんじゃない。じっとしてなさい」

 峰山はゆまを一喝すると、円を描くように陰核を擦り続けた。
 ゆまはシクシクと泣きじゃってはいるが、女将の言いつけを守って懸命に堪えている。
 この間、旦那衆は微動だにせず呆然と見ているだけであった。

「ぼちぼち頃合いかな……」

 峰山は独り言をつぶやくとキュウリと取り上げ、そっとゆまの割れ目にあてがった。

「皆さん、今からこのキュウリを舞妓に挿しこみます」
「挿しこむて……もしやアソコかいな。どひゃ~~~!」
「舞妓のキュウリ挿入なんて滅多に見られへんで。楽しみやな~」

 旦那衆の輪は一段とせばまり、目を爛々と輝かせゆまの秘所と峰山の手元に熱い視線を送った。


続く→ゆま 祇園桜散りそめて 第六話「刺身につける蜜」

戻る→ゆま 祇園桜散りそめて 第四話「十五膳の箸に囲まれて」


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