☆この小説は「羞恥の風」のとっきーさっきーさんより投稿して頂いたものです。著作権はとっきーさっきーさんが持っておられます。

とっきーさっきー作 ツレがスケベ小説に染まりまして……03ed01cc




もしもである。
結婚を前提とし、将来を約束し合った男性パートナーが、突然に『官能小説を描きたい!』と声を上げれば、女性側はどう対応すればいいのだろう?
少々驚きもするが、冷静に考えれば『ふ~ん、あなたに作れるの?』とか。
『面白そうね。完成したらわたしにも読ませてよ』とか。
『悪いことは言わない。時間の無駄だから止めなさいよ』などが、レギュラータイプの回答だろうか。
なかには『それ、どこで発表するの? もしプロの目に留まって出版なんてことになったら、版権の半分はわたしのモノだからね』とかいう、したたかな女性もいるかもしれない。

そして『もしも』が現実に置き換わり、男が『官能小説を描きたい執念』をメラメラと燃え出させた時、パートナーの女は……?
その薄紅色に染まった裸体を差し出し、羞恥に身を焦がしながらも……
『これもエッチな小説のためだから』と……


【登場人物紹介】
山口涼花(やまぐち りょうか)

本作品のヒロインで、20才の女子大生。
恋人の吾郎とは一年前ほどにバイト先で知り合い、現在は同棲中。
一風変わったところのある吾郎に振り回されながらも、その彼を一途に愛する美少女。


木下吾朗(きのした ごろう)

涼花の彼氏であり、現在20才。彼女同様に都心の大学に通っている。
男気のある優しい性格だが、最近は彼女である涼花とのセックスに満足していないらしい。
ある朝、突飛もないことを涼花に相談し……



第14話 生まれて、死んで、生まれ変わって……

少し毛深い太腿の筋肉が、武者震いするように揺れていた。
その太腿の付け根付近から、男なら当然生えている肉の棒は発情していた。

風呂に入るのではなかったのか?
汗を流すつもりではなかったのか?

男の血液を全て充填させたように、そのペニスは雄々しく勃起していた。
青筋立った肉の生殖器は、赤黒い肌を堂々と晒していた。

「吾朗ちゃん……お風呂に入るんだよね? それともわたしと……?」

涼花の視線がズルズルと下り、吾朗の下腹に当てられている。
お互いを知り合ってから初めて、彼女の眼差しに言い様のない恐怖が芽生えていた。

「し、してもいいけどさ……だけどソレ、濡れちゃうよ」

そう呟いたものの、涼花の瞳は脈動するペニスにひっついたまま離れない。
ようやく胸をガードする片腕を解くと、力のない指先が、吾朗の身に着けているTシャツを。
それから鷲掴むようにしてぶら下げられた紙の束を順に指示し、最後にきつく揃えられた両足を崩すように、利き足を半歩後ろに下がらせた。
前垂れのように下がったタオルが揺らされて、大切な女のスリットがチラリと覗いた。

「リョウカは……もういないんだ」

「それって、どういう?」

「だから俺の中から、リョウカは消えたんだ。今の俺には、涼花……お前だけが……」

詰まらせ気味な吾朗の声が、浴室の壁を静かに反響させる。
傾げるように落としていた涼花の頭が、それを受けて持ち上がる。

そして、尖らせていた指の節が解かれていた。
紙と紙が触れ合い、パラ、カサと無機質な音を立てて落下した。
涼花が足を引いて生まれたスペースに、吾朗が落とした原稿用紙が前後バラバラな筋道となって折り重なっていた。

「そ、そうなんだ……でも吾朗ちゃん、そんな恰好でそこに立ってると、風邪引いちゃうよ。ほら、こっち……」

数秒のタイムラグがあっただろうか。
涼花の肌から、白いタオルも滑り落ちていた。
瑞々しい乳房を遊ばせるように弾ませて、たっぷりとお湯に浸らせた陰毛をぺたりと恥丘に貼り付かせて、涼花は太腿をわざとらしく開いていた。
白い靄の中でも、しっかりと視認できるほど紅い亀裂を晒して、そのままのハシタナイ姿で吾朗の腕を掴んでいた。
太い手首に細い指を絡めると、浴槽へと誘った。

「うふふ……二人で入ると、ちょっと狭いよね」

半坪ほどのユニットバスに設けられた浴槽は、どう見ても一人用である。
適度に溜められていた湯面が急上昇し、堰を切ったように浴槽の縁から溢れていた。

涼花と吾朗は、抱き合うようにして風呂に浸かっていた。
四肢を思いっきり伸ばすような贅沢なスペースは、はなから存在しない。
都心にしては格安な賃貸マンションのそんな縮図をヒシヒシと感じながら、それでも二人は、ぬるめのお湯の中でお互いの肌と肌を密接させていた。

「吾朗ちゃんの心臓……ドクドクしてる」

「涼花のだって……バクバクして、割れそうなくらいに……」

「や、やだぁ……そんなこと言って、どこを触ってるのよ……吾朗ちゃんのエッチ」

どさくさか、確信犯か。
吾朗の指が、涼花の乳房を触った。
男らしい厚い胸板と、女らしい柔らかな胸元が固く合わさった隙間を縫うように、グローブみたいな手のひらが脇から侵入していた。

「こんなに硬くしちゃって。お風呂に入ってるだけなのに、いけないオチ○チンなんだから……うふふ」

「おい、よせよ涼花。そこを握られたら……くぅっ」

そして、間違いなくこれは確信犯だろう。
涼花の腕が、絡み合った二人の下半身へと伸ばされていた。
男と女の挿入は、なされていない。
けれども男性器と女性器が擦れ合うほどじゃれ合う処に、スラリとした指が這わされたのである。
まるでそこに目があるかのように、硬質な肉棒の肌を辿り、先端でパンパンに膨張させた鬼頭の部分を愛おしそうに撫でたのだ。

「もう、男だったら我慢しなさいよ。こんな処で出しちゃったら、お湯が汚れちゃうでしょ」

涼花は唇を尖らせてそう言うと、クスリと笑った。
湯船の底で対等に並べていた腰を、お湯の浮力でふわりと持ち上げた。

「いいよね、入れても? 吾朗ちゃんのオチ○チンが欲しいの」

恥じらいと、しなだれかかるような甘えた声音。
涼花が吾朗の耳元で囁いていた。
チラッとだけ、洗い場のタイルに目を向け、流れ出たお湯に濡らされた用紙に目をやり、それから涼花は腰を左右に揺すった。
前後にも揺すって、両腕を吾朗の肩にしがみ付かせていた。

「こっちだ」

「はふぅっ……サンキュー、吾朗ちゃん」

そんな涼花を、吾朗が導いてくれた。
結びつきをおねだりしたものの、彷徨うように揺れ動く彼女の腰をがっしりと抱え込み、定められた処へと落としていったのだ。
真っ直ぐに上を向いてそそり立つ男の肉棒が、艶やかな紅色に染まる女の花弁を深く貫いていく。

「はあぁ、あはぁぁっ……吾朗ちゃんのが奥までぇ、気持ちいい……」

涼花が背中をしならせた。
快感の吐息を、隠しようもないほど大胆に吐き出してみせた。

胡坐をかいて座る吾朗の上で、涼花は身体の全てを乗せている。
愛おしくてたまらない人のペニスを、女にとって一番大切な部分の孔に収めたまま、セックスという愛の儀式を心から感じていた。

「じっとしてろよ、涼花。俺に任せて」

「うん、じっとしてる。んふぅ、吾朗ちゃんだけ……はぅっ、吾朗ちゃんのオチ○チンだけ……」

  
続く→ツレがスケベ小説に染まりまして…… 最終話 お月様だけが知っている

戻る→ツレがスケベ小説に染まりまして…… 第13話 追い詰められて、それでも足掻いて

ツレがスケベ小説に染まりまして…… 目次

投稿小説一覧