こんにちは、二次元世界の調教師です。昨日は平日なのに、再びPV5000をクリア。平日5000、休日6000を目標に出来れば、と思います。

 さて、歴史小説の大家塩野七生さんの、三部作第二作に感想を書きました。

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☆歴史小説としては十分に面白い。多勢に無勢で、絶望的な状況にあった聖ヨハネ騎士団が、それでも数か月持ちこたえた末に、散っていく様子が淡々と描かれており、彼ら敗者の美学と、対照的に勝利を収めた、トルコのスレイマン大帝の、騎士道精神に則った紳士的な対応が印象に残った。とりわけ、トルコ軍の野蛮で凶悪なイメージが、スレイマンの描き方で、個人的には大きく変わった。



 男色を匂わせる二人の青年を主軸に、ドラマティックな展開が期待されたが、そういう小説的な面白みを描くには、いかにも分量不足が感じられたのは残念。当時の時代背景や、聖ヨハネ騎士団の置かれた立ち位置などを説明するのに、この程度の長さの小説では、淡々とした描写に終わってしまう。ドラマティックな史実を、小説として仕上げる事の難しさを痛感。