
こんにちは、二次元世界の調教師です。昨日「ヘンタイ教師3」を完結。自作をどうしようかと、考えてるところ。次の戯曲作品をご覧ください。
「コンビニクリスマス〜北海道発、納豆に愛をこめて」
〔キャスト〕♂5名 ♀8名 ?4名
♂ 佐々木浩平
♀ 桑原美里
♂ 山田一郎
♂ 浜野正夫
♂ 三谷良介(男)
♀ 老婆
♀ 嫁
♀ 主婦
♀ 女子高生A
♀ 女子高生B
♀ 女子高生C
♂ 小学校時代の浩平
♀ 小学校時代の美里
? いじめっ子A
? いじめっ子B
? いじめっ子C
? 納豆業者
開幕 佐々木浩平の部屋である 高校の制服を着た桑原美里が座っている バイクから降りた格好の浩平が帰ってくる
美里「遅いー。」
浩平「又お前か。」
美里「もう、どこ行ってたのよ。待ちくたびれちゃった。」
浩平「人んちに勝手に上がりこんどいて、何ていいぐさだ」
美里「この家昔から出入り自由だったでしょ。合い鍵だって持ってるもんねー。」
浩平「盗られるような物はないから、いいけどな。」
美里「変な本は片づけておいてよ。」
浩平「見なきゃいいだろ。」
美里「だって床に落ちて広がってるんだもん。女子高生なら目の前にいるのに・・・」
浩平「誰でもいいってわけじゃねえんだよ。」
美里「失礼ね・・・あ、外まだ雪降ってたでしょ。すごいよねー。」
浩平「それがどうした。」
美里「初雪だよ、初雪。積もったらいいのにね。そしたら雪合戦できるよ。」
浩平「お前、相変わらずガキだな。」
美里「嬉しいなー。今年こそはクリスマスに雪降らないかなあ。私前からあこがれてるんだ、ホワイトクリスマス。」
浩平「北国に行きゃ毎年嫌でもホワイトクリスマスだぜ。」
美里「夢を壊すような事言わないでよ・・・それにしても汚いね。」
浩平「掃除する人間がいないからな。」
美里「あんまり汚いと嫌われるよ。」
浩平「誰に?」
美里「美里ちゃんに。」
浩平「何言ってんだか。だいたい、お前だって自分で掃除なんかしてないだろ?」
美里「してます!」
浩平「本当は?」
美里「そりゃあ普段はメイドさんにしてもらってるけど・・・でも、自分の部屋くらいしてるよ。たまにだけど。」
浩平「そうか。じゃ、どうしてもって言うんならここ掃除してもいいぜ。」
美里「何で私が浩平の家を掃除しなきゃならないのよ!」
浩平「お前、そんなんじゃ嫁に行けないぞ。」
美里「私、お嫁には行かないから。イケメンのおむこさんもらうんだもんね。」
浩平「はいはい。大病院のお嬢様はこんな汚い所いたくねえだろ。とっとと帰れよ。」
美里「せっかく美里ちゃんが会いに来てあげたのに。」
浩平「お前みたいな脳天気なやつ見てると腹たってくるんだよ。」
美里「うわ、ノミでもいるんじゃない?」
浩平「いると思うぜ。何か最近痒いからな。」
美里「カップラーメンの汁くらい捨ててよ。」
浩平「あれは親父が食ったやつだ。」
美里「あのさ・・・浩平、ちゃんと食べてる?」
浩平「食わなきゃ生きてねえよ。」
美里「クッキー作って来たんだ。一緒に食べよ。」
浩平「遠慮しとく。」
美里「何でよ!」
浩平「腹こわすのがオチだからな。どうせなら買って来てくれ。」
美里「やっぱり・・・おなかすいてるんじゃないの?」
浩平「で、いったい何の用だ?」
美里「あのさ、今年もうちでクリスマスパーティーやるんだ、友達いっぱい呼んで。浩平も来るよね?」
浩平「それだけの用で家に来たのか?」
美里「だって、浩平学校にも来ないし、電話にも出てくれないんだもん。」
浩平「高校はもうやめたよ。それで、俺もうこの家も引っ越すんだ。」
美里「え?いつ?」
浩平「クリスマスには、もういねえよ。」
美里「せっかくパーティーやるのに。」
浩平「俺がそんな気分になれると思ってんのか。」
美里「ごめん。」
浩平「とにかく俺はもうここを出て働く。」
美里「どこへ行くの?」
浩平「北海道へ行く。」
美里「何でそんな遠くに?アテでもあるの?」
浩平「アテはない。どうせ1人で生きてかなきゃいけないんだ。バイトでもしながら、北の大地をツーリングして回る。」
美里「ツーリングって・・・そんな・・・」
浩平「親父と約束してたんだ。俺が卒業したら、北海道へツーリングに行こうって。新車を買って、親父と2人で一緒にって・・・約束は果たせなかったけどな。」
美里「浩平・・・」
浩平「バカな親父でよ、いい年して休みの日はツーリング三昧さ。お袋はとうにあいそをつかして出てったけど、俺は親父のこと尊敬してた。お袋がいなくなって家の中は散らかし放題、晩飯はいつも同じ安い定食屋で同じ物頼んで、親父はビール1本、俺はコップ1杯だけ飲ませてもらってた。腹が減ったらカップラーメン食って、たまに銭湯行って帰りにコインランドリーに寄ってさ・・・人から見れば惨めな暮らしだったろうけど、俺は幸せだった。休みになるとたまにツーリングに連れてってもらって、俺も親父みたいに生きたいと思った。自由に生きてる親父みたいに。」
美里「自由に、生きてる?・・・」
浩平「親父が死んじまってから、俺何もやる気が起こらなくなった。このまま腹すかせて死ねるならそれもいいと思った。だけどそんな時親父の形見のバイクが修理から戻って来て、乗ってみたら・・・何もかもが俺のチンケなバイクとは違ってた。その時、俺は風になったんだ。どこへ行くのも自由な風になって・・・そして、気がついたら猛スピードで爆走していた。」
美里「浩平まで事故したらどうするのよ。」
浩平「そしたら天国で親父と会える。」
美里「バカなこと言わないで!」
浩平「夢だったんだ・・・一緒に北海道を走るのが、親父と俺の夢だったんだよ。俺は、北海道の原野を親父のバイクで突っ走るんだ!」
美里「私も行く。」
浩平「?」
美里「だって浩平見てられないんだもの。お父さんの事故自分のせいにして、世界中の不幸を全部背負い込んだみたいな顔してさ。バイクでムチャなことしないように見張っててあげなきゃ。」
浩平「お前こそバカ言うな。」
美里「バカでいいもん。親は大学は好きな所に行っていいって言ってるから、北海道の大学受験して、浩平を見張りに行くよ。」
浩平「お前は一体俺の何なんだよ。」
美里「一番大切な・・・友達だよ。」
浩平「どこの世界に友達が遠くに行くからってついてくバカがいるってんだ。」
美里「じゃあ・・・浩平、私と付き合ってよ。」
浩平「はあ?」
美里「ずっと好きだったんだ。私と付き合って。」
浩平「ちょ、ちょっと待ってくれ。」
美里「待てない。だってもう9年も待ったんだよ・・・私、浩平と別れたくない・・・」
浩平「美里・・・」
美里「ねえ、恋人同士だったら北海道について行ってもいいよね?」
浩平「マジで言ってんのか?」
美里「うわっ!冷静になったらムチャクチャ恥ずかしくなっちゃった。北海道へ行ったら連絡ちょうだいね。電話するから。(逃げるように急いで帰って行く)」
浩平「勝手にしろ。」
これ実は私の書いた作品で、約20年前呉地区の合同公演で上演した作品。通常高校演劇は1時間が限度ですが、何と2時間に迫ろうかと言う規格外の作品。東京で演劇活動してるOGに来てもらい、演出を頼んだのを覚えています。
今回ネタを思い付かないので、これを原作で、SM小説を書いてみようと思ってます。タイトルは「なごり雪」。昭和ノスタルジーロマンチックSM小説と銘打ち、ケイタイもスマホもなかった時代の純愛SM小説を書いてみるつもり。もちろん、こんな大人数では書けませんし、筋書きも一から考えないといけませんが。好き合ってる幼馴染の純愛SM、と言ういつになくシリアスな内容に挑戦するつもりです。
名曲「なごり雪」の歌詞を載せておきます。
汽車を待つ君の横で僕は
時計を気にしてる
季節はずれの雪が降ってる
東京で見る雪はこれが最後ねと
さみしそうに君がつぶやく
なごり雪も降る時を知り
ふざけすぎた季節のあとで
今春が来て君はきれいになった
去年よりずっときれいになった
<引用:伊勢正三『なごり雪』1番の歌詞より>
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