
《おんな上司 エレナの婚礼》
由紀かほるエンターテイメント・コレクション第13弾。
《婚礼シリーズ》の第五巻。
初出・《オフィス・レディ 汚辱のファイル》1992年1月10日。 アップル・ノベルズ。 日本出版社刊。
今回、電子書籍版アマゾン・キンドルでの配信に当り、濡場を中心に150枚の加筆とアップデートを行った。
《あらすじ》
大手洋酒メーカー《アスカ》の宣伝部・島貫丈二(30)は、ライバル会社に情報を売ったことがバレて、クビ寸前に追い込まれていた。見つけたのは同期入社で、今や室長にのし上がった甲野英玲奈(えれな)だった。
二浪した島貫よりも二歳若い英玲奈は、その類まれな容貌とスタイル、そして能力の高さで、今や《アスカ》の貌になろうとしていた。
島貫は以前から英玲奈の妹・真里菜に、密かに思いを寄せていた。が、間もなく女子大生の真里菜は、社長の大学生の御曹司と交際していると云う噂を耳にする。
実は30になっても、島貫は童貞のままだった。初体験は絶対に心から好きになった相手としたい、と云う初な信念を捨てきれずにいたのだ。
真里奈の交際のショックの反動から、島貫はとうとう童貞を捨てる決心をする。
頼んだのは学生時代からの友人で、現在ホストクラブに勤める御国元紘だった。すぐに人妻を紹介され、ホテルに行ったものの、島貫は尚、未練を断ち切れなかった。
「だったら、その女子大生を力づくでヤッてしまえ」
元紘の悪魔のような囁きに乗せられて、島貫は元紘の力を借り、真里奈を拉致する。
さらに、悪魔に心を売った島貫の牙は、上司である英玲奈に向かうのだった・・・・
☆「オフィス・レディ 汚辱のファイル」は私が初めて由紀かほる先生と出会った作品であり、多大な影響を受けた。更に数え切れないくらい抜かせてもらったので、5評価以外考えられない、と「汚辱のファイル」のレビューで書いたはず。
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今回書名が変り、かなり加筆もされた、との事で、楽しみに読んでみた。変ったのに気付いたのは、元紘の生い立ちや、ホストになった経緯。そして美人姉妹ヒロインの名前。濡れ場を中心に加筆したらしいが、それは全く気付かず。むしろ抜き所が以前のままで、読んでいて安心したくらいだ。やっぱりこれは、由紀かほる先生の一大傑作。私にとっては不滅のズリネタであった。
前回のレビューで書かなかった事を1つだけ。私は、SMとは双方の心が通い合うのが理想と思っているが、この作品が正にそう。セックスの快楽に屈した美人姉妹は、どちらも満ち足りて、幸福になるハッピーエンドなのだ。Sな男の身勝手な妄想だと言われれば、反論出来ないが、私にとって理想のSM関係は、この作品が源流にある。それを再認識させてもらった。
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