
《おんなDr. マーシャの婚礼》
由紀かほるエンターテイメント・コレクション第12弾。
《婚礼シリーズ》の第四巻。
初出・《女医・美畜病棟》1997年11月15日。アップル・ノベルズ。日本出版社刊。
今回、電子書籍版アマゾン・キンドルでの配信に当り、全編をアップデート、加筆を行った。
《あらすじ》
個人病院のおんな外科医・二宮麻亜沙(にのみや・まあしゃ)は、神戸で友人の結婚式に参列した夜、かつてのボーイフレンドである政田二三夫(まさだ・ふみお)とホテルで愛し合う。元マラソンのオリンピック・メダリストである政田には、タレントの妻がいた。トラブルを嫌った麻亜砂は、深夜に政田を置いて、一人帰京した。
その早朝だった。阪神淡路一体を未曾有の大地震が襲い、政田は還らぬ人となった。
葬儀が済んで間もなく、麻亜砂の病院へ一人の中年オトコが顕れた。渡された名刺には《日本希少ビデオ研究会会員・小黒豹介》とあった。
「先生に是非見て貰いたいビデオがございまして」
小黒に云われるままに、渡されたSDカードをパソコンのモニターで再生した麻亜砂は、忽ち表情を凍りつかせた。
そこに映っていたのは、あの政田との一夜のリアルな動画だった・・・
その日から、おんな盛りを迎えた美貌の女医に、飢えたおとこたちの劣情が休むことなく襲いかかっていく・・・
☆「女医・美畜病棟」は由紀かほる先生の作品の中でも、抜き所が豊富で、実用性抜群な作品。私も多大なお世話になり、独身時代に無用な精液を処理させてもらった。今回リニューアルアップデートと言う事で、どんなものか楽しみに、久しぶりに手に取った。
.
ヒロインの名前が変っていたが、物語の大筋は変わらず、抜き所も記憶にある通りで。安心した。ちなみに一番抜けたのは、ヒロインの股間の前後に痒み薬を塗って放置責め。ネタバレになるので、これ以上書かないが、執拗な淫語責めの描写を何度も読み返しては、楽しんだものである。過剰とも思えるしつこい調教の描写は、由紀かほる先生ならではで、団鬼六、千草忠夫と言うSM小説の大家を超えたと思っている。
.
プライドの高い有能な美人女医が、ゲスで卑怯な男達の罠に掛かって、性の歓びを叩き込まれて、マゾに覚醒する様子を描き切った傑作。男達に首輪を嵌められ、診察室から廊下を犬のように四つん這いで歩かされる女医。しかし、股間は期待に燃え上がり、前後をグッショリ濡らしているーこの印象的なラストまで、完璧だ。もっとも。これは、リニューアル前で、書き直されてるんだけど、個人的には旧作のラストが良かったと思う。思い出補正が入ってるかも知れないけれど。
由紀かほるレビュー一覧
コメント