第90夜 剣道一家 背徳の宴

江戸時代から続く、名門藤堂道場。師範の母親穂乃花、師範代の長女一花、弟の大地は、いずれも美形で腕の立つ、剣道一家である。ところが、父親がギャンブルで道場の金を使い込み、離縁されてヤクザに転落。逆恨みした父親は、学校の不良グループを使い、復讐を企む。それは酷く淫らで、一家を絶望の淵に突き落とすものだった。
【登場人物】
♀藤堂一花・・・17歳。私立女子高校3年。系列の女子大に剣道で推薦入学が内定している剣道少女。長身でスレンダーな美少女。藤堂道場では師範代を務め、勝気で男勝りな性格。
♂藤堂大地・・・15歳。県立高校1年。剣道の腕も立ち、爽やかなイケ面で、目立つ存在だが、大人しく物静かな性格。不良グループに因縁を付けられ、イジメの対象に。
♀藤堂穂乃花・・・40歳。一花と大地の母親。離婚したシングルマザー。藤堂道場の師範であり、道場を経営している。ポニーテールは娘と一緒だが、豊満なカラダで妖艶な美女。家庭では、優しいお母さんである。
♂吉岡剛二・・・38歳。藤堂家には入り婿で入り、道場の経理など事務を担当していた。普段は寡黙で大人しいが、酒乱で人が変る。おまけに、ギャンブルで道場の金を使い込んでいた事が発覚し、離縁された。以来定職にも就かず、酒浸りの荒んだ生活を送り、無謀な喧嘩を売って、暴力団にスカウトされた。大地の高校の不良グループに接近し、藤堂家への復讐を企んでいる。
♂ヤスオ・・・17歳。不良グループのリーダー格。小男で体力はないが、頭は切れる。女好き。
♂ヒロシ・・・16歳。不良グループの喧嘩屋。普通の背丈だが、格闘技の心得があり、筋肉質で力がある。
♂コウイチ・・・16歳。不良グループ1の巨漢。身長は低いが、体重は100キロを超える。愚鈍だが、ペニスは規格外の巨根。
♀キョウコ・・・16歳。不良グループの紅一点。金髪で超ミニスカのヤンキーギャル。下品で男好きな完璧ビッチ。
第1章、大地~恥獄に堕ちる美少年剣士
1-1.ラブレターと、美姉への想いに煩悶(4509字)

その日も、誰よりも早く登校した僕は、下足箱にハートマークのシールで封印された封書が入ってる事に気付きました。
ーー又ラブレターか。参ったな。しばらくなかったのに。
周囲に誰もいない事を確認すると、その場で封を切り、サッと目を通しました。どうせ断るつもりでしたが、相手を確認し、傷付けないよう断り方を考えねばなりません。
「……私と、付き合ってくれませんか。明日の放課後、体育倉庫の横で待ってます。返事を聞かせて下さい。
キョウコより。
」
ーーキョウコって、誰だ? クラスにそんな子いたっけ?
女の子らしい丸文字のその手紙は、やっぱりラブレターでした。キョウコ? さんは、いつも僕の事を見ていて、いいな、と思ったそうなんですが、困った事に僕には心当たりがありません。まだ女子の下の名前を完全に憶えてるわけじゃありませんが、同じクラスに「キョウコ」さんがいるのでしょうか? ラブレターをくれるくらいですから、全然知らない子じゃないと思うんですが。
モヤモヤしながら、ラブレターをカバンに収め、僕は武道場に向かいました。手早く道着に着替え、持参した愛用の竹刀で、素振りの稽古です。剣道部の他の部員達も三々五々集まり、約30分の朝稽古。僕はもともと毎日の日課なので、許可を貰って素振りの稽古をしてたんですが、他の部員も賛同し、朝練習が部の日課になりました。新入生が勝手に始めた事なのに、先輩も同級生も皆、いい人達でした。きっと次の大会で良い成果が出る事でしょう。こうして、ラブレターなど忘れて邪念を払い、授業を受けに教室へ向かいました。
「おい大地。お前さっき授業中、外をじっと見てただろ?」
「そうだっけ?」
今は昼食休憩。弁当を食べながら、クラスメイト達とおしゃべりしてる所。一番の親友にそんな事を言われましたが、僕は無意識で、全く覚えがありませんでした。退屈な古典の授業だったので、ぼんやり外を見てたのかも知れません。僕の席は、グランドに面した窓際だし。
「女子の体育を見てたんだろ? むっつりスケベかよ」
「いや、そりゃ誤解だよ」
「いいや、絶対そうに決まってる。しかもありゃ3年女子だぜ。ヤバイって」
「え~っ! 藤堂君って、年上が好みだったの?」
困った事に、話した事のない女子まで、僕に疑惑の目を向けて来ます。そして親友が、とうとう爆弾発言。
「みんな知ってるか? 大地の姉ちゃんって、スッゲエ美人なんだ。俺、紹介されたけど、本物のアイドルみたいで、ビビっちまったぜ」
「えーっ!? 何ソレえ? 私聞きたい!」
「おい大地。みんなに聞かせてやれよ、お前んちの事」
僕は藤堂大地。入学してから半年くらいの、高校1年生です。僕は身長が高い事もあって、良く目立つんです。引っ込み思案なんで、あまり目立たぬようにしてたんですけど、とうとう一風変わったわが家の状況について、クラスメイトに話す時が、やって来てしまいました。
僕の家は、藤堂道場と言う、剣道の道場をやっています。何でも江戸時代から続いてるらしいんですが、今史上初めての事が起こっています。それは、道場の師範も、師範代も、どちらも女性と言う事。恐らく日本全国探しても、他に例はないと思います。
母の穂乃花が、道場の師範であり、高位の段を持っています。師範代は姉の一花で、高校生としては最高の三段。女性ですが、彼女達には並みの男が束になっても敵わないでしょう。僕はまだ初段ですが、高校を卒業するまでに三段になるのが、今の目標です。ですがこんな僕でも、道場に出て、お客さんに稽古を付けたりもやっています。
「へえ、大地君のお姉さんって、高校生?」
「S女子高の3年生だよ」
「頭もいいんだ」
「俺にも会わせろよ」
「私も会いたい」
S女子高は、私立の進学校で、母の母校でもあります。アイドルみたいな美人、と言うのも本当だし、ハッキリ言って自慢の姉でした。当然、クラスの皆の話題となり、親友が大きな声でこんな事を言いました。
「はい、大地君、シスコン確定!」
「何だよ、そりゃ」
「お姉さんで、シコシコやってんだろ」
「やーだー」
下ネタを振られたのには参りましたが、僕は動揺してしまいます。なぜなら、それは図星だったからでした。
――僕って、シスコンだったんだ…...
アニメやマンガで知った「シスコン」と言う言葉が、自分に当てはまる生生しさで突き刺さります。僕も高校生で人並みに女性への興味はあるし、性欲も人一倍あるんです。学校でミニスカの女子の生アシや、ムネの大きな女子にムラムラしてしまう事も良くあります。我慢出来ず、トイレの個室でシコシコとチンポをしごいて、出してしまう事も何度かありました。恥ずかしくて、とても人には言えませんが。
当然家でもほぼ毎日オナニーしてしまうんですが、そんな時僕は、姉の一花(いちか)を想い浮かべてしまうのが常でした。姉上(ちょっと古めかしいんですが、僕は幼い頃から母上、姉上、と呼んで来ました。彼女たちは、美しい上に威厳があり、実際に会ったら、僕の呼び方に納得してくれる筈です。)は、本当にアイドルみたいな美人ですが、決して甘くはありません。
剣道だけでなく、学業も優秀な姉上は、小学生の頃から、剣道の稽古だけでなく、学校の勉強も教えて下さいました。その教え方は完全にスパルタ。剣道では容赦なく叩きのめされたし、勉強でも口の悪い姉上は、バカ、だの、クズ、だのと罵るので、情けなくてよく泣かされました。そんな時、「まあ、まあ」と間に入って下さるのが優しい母上で、僕には菩薩のように思えたものです。こうして見ると、僕はマザコンでもあるのか知れません。
高校生になって、昔のような事はなくなりましたが、あの厳しい姉上を慕ってしまうのは、やはり彼女が愛情を持って、僕に接して下さったからだと思います。そして、悩み事を相談するのも姉上でした。僕の悩み事。それはズバリ、女子に異常にモテてしまう事でした。自慢してるようで、申し訳ありませんが。
小学校の高学年で身長160センチを超えていた僕は、とにかく目立ってしまい、とりわけ女子の注目の的。その頃僕自身は剣道一直線だったんですが、ラブレターを何枚ももらってしまい、断るのに苦労しました。中学校でも、やはり状況は同じ。女子への興味はあるし、日増しに強まる性欲に悩まされましたが、姉上に相談すると、その気がないならキッパリ断りなさい、とアドバイスを頂くのが常でした。だから僕も、変に気を持たせぬよう、ハッキリ断って来ました。
断る時の理由も、必ず言ってあげなさい、と姉上がおっしゃるので、いつからか、「他に好きな子がいるから」と言うようになりました。姉上は、そんな子いないのに、噓つきだね、とおっしゃいます。もちろん、僕が好きな女の子は、姉上なんです、とは絶対明かしてはならない、僕だけの秘密でした。そう、ラブレターを何枚も貰い、その度断る理由を探してる内、僕は気付いてしまったんです。僕は、一人の女性として姉上に恋してしまっている事を。でもそれは、絶対に叶えられない、道ならぬ禁断の恋でした。
さて、僕の姉上の話で盛り上がってた、昼休みの教室。突然ドアがガラリと開き、意外な女生徒が入って来ました。金髪で、スカートが極端に短く、全体にだらしない服装の、いわゆる不良です。この学校には、先生も手を焼く不良グループが存在し、彼女もその1人と言う噂でした。今日は昼から、登校なんでしょうか。傍若無人な彼女には、僕も含めてクラスの皆は距離を置き、関わらぬようにしています。
ところが、なぜか彼女が、僕の方にズカズカとやって来たのです。香水のキツイ匂いをプンプンさせながら。そして、無言で僕を睨むと、又ズカズカと教室を出て行きました。しばらく静まり返ってた教室は、彼女の退場で、再びざわめき始めました。
「おい大地。お前何かしたのか? 思い切りガン付けられてたじゃん」
「知らないよ」
「しっかし、今日は又一段と気合入ってたなあ」
女子がいたのでぼかしましたが、その発言に男子は皆顔を見合わせ、同意してました。いつもとてもスカートが短い彼女ですが、今日はもうレベルが違いました。股下ゼロセンチで、どぎつい鮮やかなピンクの下着をバッチリ見せてたのです。おまけに、僕に向かって睨んだ時に、ユルユルの胸元から、ピンクのブラジャーを覗かせてるのも、見てしまいました。
居合わせた男子は皆、彼女のフェロモンにやられて、勃起してたんじゃないでしょうか。性欲盛んな僕たちには、彼女の顔なんか関係ありませんが、意外と愛嬌があるように見えました。しかも明らかに、ピンクの下着を僕に見せ付けるようにして、去って行った彼女。まさかと言う疑念が渦巻き、僕はおそるおそる親友に聞いてみました。
「あの子の名前何だっけ?」
「やげんじさんじゃなかったか」
「いや、下の名前だよ」
「キョウコだよ。難しい漢字だな、と思った覚えがある」
ーーマジかよ
改めて教室に置いてある出席簿を確認すると、「薬研寺響子」とあるではないですか。しかも彼女以外に「キョウコ」さんは、このクラスにいないのです。これはもう、姉上に相談するしかありません。母上が東京に出張の今、姉上に作って頂いたハヤシライスを食べながら、僕は切り出しました。
「姉上、一つご相談があるのですが」
「何? 又ラブレター貰ったの?」
「実は、そうです。どう断ろうかと」
「大地さあ、もう高校生なんだし、女の子と一度くらい付き合ってみても、いいんじゃない?」
「駄目です! その子、クラスの子なんですが、えっと、何て言うか、素行の悪い子で」
「どんな子?」
「金髪で、すごくスカートが短いんです」
「下に黒いの穿いてるんでしょ?」
「いえ、それが…...」
「パンツ見せてる、エっチな子なんだね」
絶対に反対してくれると思った姉上は、とんでもない事を言い始めます。
「付き合ってみたら、いいんじゃない? 大地って、女の子と、エッチな事、した事ないんでしょ?」
「姉上!!」
僕はつい、大声を出してしまい、ハヤシソースをこぼして、テーブルが汚れました。
「冗談だよ、ごめん。でも後片付けはアンタがやるんだよ」
「……わかりました」
「マジメに言うとさ、その子にからかわれてるだけなんじゃない? 無視しときなよ」
「でも姉上は前に、恋文には必ず会って、断りなさい、とおっしゃいました」
「アンタ、本当に、融通利かないんだね。洗い物も頼んだよ」
呆れた口調の姉上は、ラブレターについては一言も話してくれません。僕は姉上の質の悪い冗談を真に受けて、声を荒げてしまった事を反省し、台所で食器を洗いながら、明日どうするか思案しました。
ーーやっぱり無視はないよな。あの子、本当に僕が好きなのかも知れないし
この時姉上に頂いた「無視しなさい」と言うアドバイスに従わなかったのは、一生の不覚でした。僕は暢気な事に、寝る前にピンクの下着を思い浮かべて、シコシコと励み、射精を果たしていたのですから。しかも、そんな下着を着用していたのは、白しか着用しない姉上だったのです。不謹慎な僕に天罰が下されるのは、必然だったのでしょうか。
続く→剣道一家 背徳の宴 1-2.果し合いに敗れ、お仕置き開始
剣道一家 背徳の宴 目次
プチSM千夜一夜ものがたり第5期

江戸時代から続く、名門藤堂道場。師範の母親穂乃花、師範代の長女一花、弟の大地は、いずれも美形で腕の立つ、剣道一家である。ところが、父親がギャンブルで道場の金を使い込み、離縁されてヤクザに転落。逆恨みした父親は、学校の不良グループを使い、復讐を企む。それは酷く淫らで、一家を絶望の淵に突き落とすものだった。
【登場人物】
♀藤堂一花・・・17歳。私立女子高校3年。系列の女子大に剣道で推薦入学が内定している剣道少女。長身でスレンダーな美少女。藤堂道場では師範代を務め、勝気で男勝りな性格。
♂藤堂大地・・・15歳。県立高校1年。剣道の腕も立ち、爽やかなイケ面で、目立つ存在だが、大人しく物静かな性格。不良グループに因縁を付けられ、イジメの対象に。
♀藤堂穂乃花・・・40歳。一花と大地の母親。離婚したシングルマザー。藤堂道場の師範であり、道場を経営している。ポニーテールは娘と一緒だが、豊満なカラダで妖艶な美女。家庭では、優しいお母さんである。
♂吉岡剛二・・・38歳。藤堂家には入り婿で入り、道場の経理など事務を担当していた。普段は寡黙で大人しいが、酒乱で人が変る。おまけに、ギャンブルで道場の金を使い込んでいた事が発覚し、離縁された。以来定職にも就かず、酒浸りの荒んだ生活を送り、無謀な喧嘩を売って、暴力団にスカウトされた。大地の高校の不良グループに接近し、藤堂家への復讐を企んでいる。
♂ヤスオ・・・17歳。不良グループのリーダー格。小男で体力はないが、頭は切れる。女好き。
♂ヒロシ・・・16歳。不良グループの喧嘩屋。普通の背丈だが、格闘技の心得があり、筋肉質で力がある。
♂コウイチ・・・16歳。不良グループ1の巨漢。身長は低いが、体重は100キロを超える。愚鈍だが、ペニスは規格外の巨根。
♀キョウコ・・・16歳。不良グループの紅一点。金髪で超ミニスカのヤンキーギャル。下品で男好きな完璧ビッチ。
第1章、大地~恥獄に堕ちる美少年剣士
1-1.ラブレターと、美姉への想いに煩悶(4509字)

その日も、誰よりも早く登校した僕は、下足箱にハートマークのシールで封印された封書が入ってる事に気付きました。
ーー又ラブレターか。参ったな。しばらくなかったのに。
周囲に誰もいない事を確認すると、その場で封を切り、サッと目を通しました。どうせ断るつもりでしたが、相手を確認し、傷付けないよう断り方を考えねばなりません。
「……私と、付き合ってくれませんか。明日の放課後、体育倉庫の横で待ってます。返事を聞かせて下さい。
ーーキョウコって、誰だ? クラスにそんな子いたっけ?
女の子らしい丸文字のその手紙は、やっぱりラブレターでした。キョウコ? さんは、いつも僕の事を見ていて、いいな、と思ったそうなんですが、困った事に僕には心当たりがありません。まだ女子の下の名前を完全に憶えてるわけじゃありませんが、同じクラスに「キョウコ」さんがいるのでしょうか? ラブレターをくれるくらいですから、全然知らない子じゃないと思うんですが。
モヤモヤしながら、ラブレターをカバンに収め、僕は武道場に向かいました。手早く道着に着替え、持参した愛用の竹刀で、素振りの稽古です。剣道部の他の部員達も三々五々集まり、約30分の朝稽古。僕はもともと毎日の日課なので、許可を貰って素振りの稽古をしてたんですが、他の部員も賛同し、朝練習が部の日課になりました。新入生が勝手に始めた事なのに、先輩も同級生も皆、いい人達でした。きっと次の大会で良い成果が出る事でしょう。こうして、ラブレターなど忘れて邪念を払い、授業を受けに教室へ向かいました。
「おい大地。お前さっき授業中、外をじっと見てただろ?」
「そうだっけ?」
今は昼食休憩。弁当を食べながら、クラスメイト達とおしゃべりしてる所。一番の親友にそんな事を言われましたが、僕は無意識で、全く覚えがありませんでした。退屈な古典の授業だったので、ぼんやり外を見てたのかも知れません。僕の席は、グランドに面した窓際だし。
「女子の体育を見てたんだろ? むっつりスケベかよ」
「いや、そりゃ誤解だよ」
「いいや、絶対そうに決まってる。しかもありゃ3年女子だぜ。ヤバイって」
「え~っ! 藤堂君って、年上が好みだったの?」
困った事に、話した事のない女子まで、僕に疑惑の目を向けて来ます。そして親友が、とうとう爆弾発言。
「みんな知ってるか? 大地の姉ちゃんって、スッゲエ美人なんだ。俺、紹介されたけど、本物のアイドルみたいで、ビビっちまったぜ」
「えーっ!? 何ソレえ? 私聞きたい!」
「おい大地。みんなに聞かせてやれよ、お前んちの事」
僕は藤堂大地。入学してから半年くらいの、高校1年生です。僕は身長が高い事もあって、良く目立つんです。引っ込み思案なんで、あまり目立たぬようにしてたんですけど、とうとう一風変わったわが家の状況について、クラスメイトに話す時が、やって来てしまいました。
僕の家は、藤堂道場と言う、剣道の道場をやっています。何でも江戸時代から続いてるらしいんですが、今史上初めての事が起こっています。それは、道場の師範も、師範代も、どちらも女性と言う事。恐らく日本全国探しても、他に例はないと思います。
母の穂乃花が、道場の師範であり、高位の段を持っています。師範代は姉の一花で、高校生としては最高の三段。女性ですが、彼女達には並みの男が束になっても敵わないでしょう。僕はまだ初段ですが、高校を卒業するまでに三段になるのが、今の目標です。ですがこんな僕でも、道場に出て、お客さんに稽古を付けたりもやっています。
「へえ、大地君のお姉さんって、高校生?」
「S女子高の3年生だよ」
「頭もいいんだ」
「俺にも会わせろよ」
「私も会いたい」
S女子高は、私立の進学校で、母の母校でもあります。アイドルみたいな美人、と言うのも本当だし、ハッキリ言って自慢の姉でした。当然、クラスの皆の話題となり、親友が大きな声でこんな事を言いました。
「はい、大地君、シスコン確定!」
「何だよ、そりゃ」
「お姉さんで、シコシコやってんだろ」
「やーだー」
下ネタを振られたのには参りましたが、僕は動揺してしまいます。なぜなら、それは図星だったからでした。
――僕って、シスコンだったんだ…...
アニメやマンガで知った「シスコン」と言う言葉が、自分に当てはまる生生しさで突き刺さります。僕も高校生で人並みに女性への興味はあるし、性欲も人一倍あるんです。学校でミニスカの女子の生アシや、ムネの大きな女子にムラムラしてしまう事も良くあります。我慢出来ず、トイレの個室でシコシコとチンポをしごいて、出してしまう事も何度かありました。恥ずかしくて、とても人には言えませんが。
当然家でもほぼ毎日オナニーしてしまうんですが、そんな時僕は、姉の一花(いちか)を想い浮かべてしまうのが常でした。姉上(ちょっと古めかしいんですが、僕は幼い頃から母上、姉上、と呼んで来ました。彼女たちは、美しい上に威厳があり、実際に会ったら、僕の呼び方に納得してくれる筈です。)は、本当にアイドルみたいな美人ですが、決して甘くはありません。
剣道だけでなく、学業も優秀な姉上は、小学生の頃から、剣道の稽古だけでなく、学校の勉強も教えて下さいました。その教え方は完全にスパルタ。剣道では容赦なく叩きのめされたし、勉強でも口の悪い姉上は、バカ、だの、クズ、だのと罵るので、情けなくてよく泣かされました。そんな時、「まあ、まあ」と間に入って下さるのが優しい母上で、僕には菩薩のように思えたものです。こうして見ると、僕はマザコンでもあるのか知れません。
高校生になって、昔のような事はなくなりましたが、あの厳しい姉上を慕ってしまうのは、やはり彼女が愛情を持って、僕に接して下さったからだと思います。そして、悩み事を相談するのも姉上でした。僕の悩み事。それはズバリ、女子に異常にモテてしまう事でした。自慢してるようで、申し訳ありませんが。
小学校の高学年で身長160センチを超えていた僕は、とにかく目立ってしまい、とりわけ女子の注目の的。その頃僕自身は剣道一直線だったんですが、ラブレターを何枚ももらってしまい、断るのに苦労しました。中学校でも、やはり状況は同じ。女子への興味はあるし、日増しに強まる性欲に悩まされましたが、姉上に相談すると、その気がないならキッパリ断りなさい、とアドバイスを頂くのが常でした。だから僕も、変に気を持たせぬよう、ハッキリ断って来ました。
断る時の理由も、必ず言ってあげなさい、と姉上がおっしゃるので、いつからか、「他に好きな子がいるから」と言うようになりました。姉上は、そんな子いないのに、噓つきだね、とおっしゃいます。もちろん、僕が好きな女の子は、姉上なんです、とは絶対明かしてはならない、僕だけの秘密でした。そう、ラブレターを何枚も貰い、その度断る理由を探してる内、僕は気付いてしまったんです。僕は、一人の女性として姉上に恋してしまっている事を。でもそれは、絶対に叶えられない、道ならぬ禁断の恋でした。
さて、僕の姉上の話で盛り上がってた、昼休みの教室。突然ドアがガラリと開き、意外な女生徒が入って来ました。金髪で、スカートが極端に短く、全体にだらしない服装の、いわゆる不良です。この学校には、先生も手を焼く不良グループが存在し、彼女もその1人と言う噂でした。今日は昼から、登校なんでしょうか。傍若無人な彼女には、僕も含めてクラスの皆は距離を置き、関わらぬようにしています。
ところが、なぜか彼女が、僕の方にズカズカとやって来たのです。香水のキツイ匂いをプンプンさせながら。そして、無言で僕を睨むと、又ズカズカと教室を出て行きました。しばらく静まり返ってた教室は、彼女の退場で、再びざわめき始めました。
「おい大地。お前何かしたのか? 思い切りガン付けられてたじゃん」
「知らないよ」
「しっかし、今日は又一段と気合入ってたなあ」
女子がいたのでぼかしましたが、その発言に男子は皆顔を見合わせ、同意してました。いつもとてもスカートが短い彼女ですが、今日はもうレベルが違いました。股下ゼロセンチで、どぎつい鮮やかなピンクの下着をバッチリ見せてたのです。おまけに、僕に向かって睨んだ時に、ユルユルの胸元から、ピンクのブラジャーを覗かせてるのも、見てしまいました。
居合わせた男子は皆、彼女のフェロモンにやられて、勃起してたんじゃないでしょうか。性欲盛んな僕たちには、彼女の顔なんか関係ありませんが、意外と愛嬌があるように見えました。しかも明らかに、ピンクの下着を僕に見せ付けるようにして、去って行った彼女。まさかと言う疑念が渦巻き、僕はおそるおそる親友に聞いてみました。
「あの子の名前何だっけ?」
「やげんじさんじゃなかったか」
「いや、下の名前だよ」
「キョウコだよ。難しい漢字だな、と思った覚えがある」
ーーマジかよ
改めて教室に置いてある出席簿を確認すると、「薬研寺響子」とあるではないですか。しかも彼女以外に「キョウコ」さんは、このクラスにいないのです。これはもう、姉上に相談するしかありません。母上が東京に出張の今、姉上に作って頂いたハヤシライスを食べながら、僕は切り出しました。
「姉上、一つご相談があるのですが」
「何? 又ラブレター貰ったの?」
「実は、そうです。どう断ろうかと」
「大地さあ、もう高校生なんだし、女の子と一度くらい付き合ってみても、いいんじゃない?」
「駄目です! その子、クラスの子なんですが、えっと、何て言うか、素行の悪い子で」
「どんな子?」
「金髪で、すごくスカートが短いんです」
「下に黒いの穿いてるんでしょ?」
「いえ、それが…...」
「パンツ見せてる、エっチな子なんだね」
絶対に反対してくれると思った姉上は、とんでもない事を言い始めます。
「付き合ってみたら、いいんじゃない? 大地って、女の子と、エッチな事、した事ないんでしょ?」
「姉上!!」
僕はつい、大声を出してしまい、ハヤシソースをこぼして、テーブルが汚れました。
「冗談だよ、ごめん。でも後片付けはアンタがやるんだよ」
「……わかりました」
「マジメに言うとさ、その子にからかわれてるだけなんじゃない? 無視しときなよ」
「でも姉上は前に、恋文には必ず会って、断りなさい、とおっしゃいました」
「アンタ、本当に、融通利かないんだね。洗い物も頼んだよ」
呆れた口調の姉上は、ラブレターについては一言も話してくれません。僕は姉上の質の悪い冗談を真に受けて、声を荒げてしまった事を反省し、台所で食器を洗いながら、明日どうするか思案しました。
ーーやっぱり無視はないよな。あの子、本当に僕が好きなのかも知れないし
この時姉上に頂いた「無視しなさい」と言うアドバイスに従わなかったのは、一生の不覚でした。僕は暢気な事に、寝る前にピンクの下着を思い浮かべて、シコシコと励み、射精を果たしていたのですから。しかも、そんな下着を着用していたのは、白しか着用しない姉上だったのです。不謹慎な僕に天罰が下されるのは、必然だったのでしょうか。
続く→剣道一家 背徳の宴 1-2.果し合いに敗れ、お仕置き開始
剣道一家 背徳の宴 目次
プチSM千夜一夜ものがたり第5期
コメント