こんにちは、二次元世界の調教師です。直木賞を始め、各種ミステリー賞を多数受賞した、傑作歴史ミステリーに感想を書いたので、ご覧下さい。


☆本格的な歴史小説の体裁を取っており、米澤さんの日常の謎敵ミステリーに慣れていると、面食らうと思う。事前情報がなければ、ミステリーである箏も、なかなかわからなかっただろう。それくらいガッチリ書けており、歴史小説としても十分楽しめた。
荒木村重が信長に叛旗を翻し、黒田官兵衛を長期にわたって幽閉した、と言う史実から想像を膨らませ、連作ミステリーに仕上げたのは力業。これ単純な謎解きミステリーとしては、さほどの出来とは思わない、私でも犯人が推測出来たくらいなので。
が、史実に基づく歴史ミステリーとしては、出色の出来。特に後半、長期籠城で揺れ動く人々の心理や、それぞれの死生観の哲学的描写は、とても良く描けており、良質な純文学的感興を覚えた。
息子を失い絶望の極にあった官兵衛が報われるエピソードは、いかにもエンタメ小説らしいが悪くない。史実に基づき、奇想を膨らませた、歴史ミステリーの傑作と評したい。
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