お早うございます、二次元世界の調教師です。映画「悪の教典」の感想を書いたので、是非ご覧下さい。
SnapCrab_NoName_2025-3-6_21-2-2_No-00
☆「サイコパス」の説明に違和感がある。他人への共感能力を全く持ち合わせていない、と言う説明だが、蓮実は、共感能力は十分にあるが、その後の行動が、あえて他人が嫌がる行動を取る、と言う感じだと思う。殺人にもこだわりがあって、あえて苦痛を長引かせて楽しむ嗜虐趣味だ。私は、したがって蓮実は「サイコパス」と言うより「サディスト」だと思った。


 それはともかく、極めて悪趣味な映画であるが、エンタメ的にはとても面白い。蓮実の演技も素晴らしく、生徒に人気な熱血教師の仮面をかぶり、実は頭の働く残虐無比な猿人鬼、と言うギャップが良く表現されており、背筋の凍る恐怖を覚えた。アメリカでのエピソードも利いており、こんなヤバい奴、帰国すんなよと、本気で思った。


 ただし、クラス生徒の皆殺しを図るクライマックスで、やや失速。計画が杜撰で、穴だらけに見えた。第一に、数発撃ったらすぐ弾丸の補充が必要な銃は甘過ぎて、真性殺人鬼の蓮実にふさわしくない。結局逃がした生徒に警察を呼ばれて逮捕されるのも、らしくない。この陰鬱な映画に救いを残すストーリーはわかるが、用意周到な犯行計画で、足を出さずに全員殺害に成功する蓮実も、見てみたかった。


 もっと胸糞の最低な映画になるだろうけど、作品の方向性はそれが正しい筈だ。「悪が栄える」ラストなら、中途半端でなく、最高評価をしたと思う。