第2夜 エロ本入院患者
エロ本入院患者
 主人公川下守は大学4年生だがバイクで事故って入院し就活どころか当分動けない生活。性欲処理にも難渋して、友人にエロ本を買って来てもらい、仲良くなったかわいい担当の新人ナースを思い浮かべながら自慰行為に励んでいる。彼女がこの本の事を知ったら、もしかしたら、と妄想に耽った守はついわざと見つかる場所にエロ本を置いてしまうのだが・・・(4896字 )

「川下君、この本だけど……」
「ど、どうも、すみません……」

 俺は眼鏡を掛けピンクの制服を着たナースに、ペコペコと頭を下げていた。眼鏡を掛けたナースなどと言えば、萌え~な感じがすると思うが、とんでもない。何しろ相手は、俺の母親より年上と思われる、相撲取りみたいな貫禄十分の婦長なのだ。

 俺は川下守。理工系の大学4年生だが、就職活動に飛び回らねばならない時期だと言うのに、事もあろうにバイクで事故って大怪我をしてしまい、両脚をギブスで固定されて入院している。もう2週間以上たつのだが、まだ全治にはほど遠く、最低後1ヶ月くらいは入院が必要だろうと言う事だった。

 全くツイテない、と言いたい所だが、命を失ってもおかしくないような事故だったので、少々入院する程度ですんだのなら良しとしなければ、と医者には言われた。幸い全治すれば後遺症や障害も残らないような怪我らしく、無理せずゆっくり入院して治るのを待っている所なのだ。

 そしてさらに俺にとって幸運だったのは、担当がめちゃくちゃ好みのタイプの若いナースだった事で、これはとても嬉しかった。何しろ俺は男子校から男ばかりの理工系大学に進学したので全くと言っていいほど女の子には縁がなく、1対1で付き合った事さえない情けない男なのだ。もちろんまだ童貞だ。もし事故してなければ、こんなかわいい女の子と話す機会も皆無だったろう。と言うわけで、俺は沢田恭子さんと言うそのナースに積極的に話し掛けて親しくなろうと頑張った。その甲斐あって彼女も俺に好意を持ってくれたようで、退院したらデートする約束まで取り付けてしまったのだ。全く人間、何が幸いするかわからない、とその時は思ったものだ。

ところで女っけがなく童貞だと言っても、性欲はある。両脚を負傷しているだけで、他はピンピンしているため、何もする事がない入院生活で日に日に下半身に溜まってしまう欲求不満にはほとほと困ってしまった。恭子ちゃんと話していてもペニスは勃起しっ放しで、ムラムラしてたまらなかった。

 そこで入院1週間たった頃から、夜は仕方なくオナニーで発散していたのだが、恭子ちゃんの顔を思い浮かべてするのも毎日ではやはり限界がある。そこで俺は恥を忍んで、見舞いに来てくれたツーリング仲間の晃治に金を渡し、エロ本を買って来てもらったのだ。

 ところがこの晃治と言う悪友、悪い奴じゃないんだが、何を思ったかどぎついSM雑誌を買って来たのだ。しかも巻頭グラビアはナース緊縛特集と言う……晃治の趣味か、洒落のつもりだったのかわからないが、プレーボーイとかのヌードや水着のグラビア雑誌を想像していた俺は面食らってしまった。が、「お前の趣味でも何でもいいから」と頭を下げてズリネタなどを買って来てもらった手前、文句は言えない。俺はこれまでこの手の雑誌をじっくり見た事はなかったがもちろん興味はある。グラビアでは数人の20代半ばから40手前くらいのモデル女性が、ナース服のままで縛られ豊満な肉体を晒していた。しかしはっきり言って、どの女性もそれほど美人ではなく、恭子ちゃんの方が若いし勝負にならないくらい可愛いと思った。俺はその雑誌をズリネタに使いながら、いつの間にか彼女をグラビアのように縛って虐める場面を想像してオナニーに耽るようになっていた。

 デートの約束まで取り付けた恭子ちゃんとはますます親しくなり、退屈な入院生活はバラ色に変わった。特にヒソカな楽しみだったのは、両脚が動かせない俺の体を1日1回風呂代わりに恭子ちゃんがタオルで拭いてくれる事で、もちろんパンツの中は、ご自分で、とタオルを渡されるのだけど、それ以外の場所でも十分刺激的だった。

 恭子ちゃんは結構あっけらかんとした、サッパリした性格の女性だったが、さすがに俺のパンツがハッキリそれとわかるくらいにモッコリしているのを見るのはとても恥ずかしそうで、その真っ赤に可愛らしい顔を染めた様子がまた、いたく股間を逞しくさせてしまうのだった。俺はこのまま両脚が不自由な入院生活が続けばいいのに、などと妄想してしまう始末だった。そしてしまいにはとうとうとんでもない事を考えてしまったのだ。

ーーこの雑誌を恭子ちゃんが見たら、どんな反応をしてくれるだろうか?

 恭子ちゃんはそれとなく軽い猥談を仕掛けても、ケラケラ笑い飛ばしてくれるような女の子だ。俺がこんな雑誌を隠していて、夜な夜なオナニーで性欲を発散している事を知ったら、どうだろう?体を拭いてくれる時にもしかしたら……まるでエロ小説かAVに出て来るような状況を妄想した俺は、恭子ちゃんが夜勤でやって来た時、わざと見つかるような場所に問題のSM雑誌を置いて試してみた。

 ところが結果は悲惨だった。計算通り、その雑誌を見つけた恭子ちゃんは顔色が変わり、

「川下さん。これ……ちょっと失礼します」

 と妙によそよそしい口調で言うと、雑誌を持って部屋を出て行ってしまったのだ。

 あーあ、何て事だ!俺はせっかくデートの約束までした女の子に妙な行為をとってしまった事を激しく後悔した。彼女は雑誌を持ってどこに行ったんだろう?と動揺している俺の前に、例の雑誌を持って現れたのが、でっぷりと太った50歳近い婦長だったと言うわけだ。

 平謝りに謝る俺に、婦長はしょーがないね、と言った顔でため息をつきながら、SM雑誌をパラパラめくって見ている。やばい!何しろ、ナース緊縛特集だから……俺はまるでエロ本を母親に見つかった高校生のような気分だった。

「川下君、こんなのを見て1人でしてたんだ」
「すみませんでした……」
「若いから溜まっちゃうわよね。仕方ないか……」

 さすがは年の功と言うべきか、婦長の余裕ある態度に俺は救われたような気分になっていた。よく考えてみれば俺は別に悪い事をしたわけではない。恭子ちゃんが勝手に俺の私物を見て婦長に言いつけに行っただけで、むしろ彼女の方に非があると言えない事もないではないか。が、そう都合良く思った俺は甘かった。

「SMに興味があるの、守君。ナースを縛ったりとか……」
「い、いえ、違います。これは友達が買って来てくれたんで……」

 俺はしどろもどろになりながら、正直に話していた。婦長が始めて「守君」と名前で呼んだのにも気付かなかった。

「いいのよ、隠さないでも。だけど、若いナースには刺激が強過ぎたみたいでね。沢田さん、ショックを受けちゃって、あなたの担当を降りたい、って言って来たの」

 ガーン!俺の方がショックだよ。晃治がこんな雑誌なんか買って来なければ……いや、俺が変な気持ちを起こさなかったら……後悔先に立たずとはこの事だった。

「まだハタチそこそこだから、許してあげてね」
「は、はい……」

 俺は目の前が真っ暗になったような沈んだ気持ちで、ボソリと言った。

「全くこの頃の若い子と来たらわがままなんだから。私らが若い頃は、こういう時患者さんのナニの始末も仕事のうちと割り切ったもんですけどね、守君……」

 いつの間にか接近して来ていた婦長に妙な事を話し掛けられた俺はギクリとした。ナニの始末って、もしかして……ええっ!?と思った時にはもう遅かった。婦長は俺の両脚がギブスで動けないのをいい事に、あっと言う間に俺の股間を解放してギンギンに勃起したペニスを手で掴み出していた。

「まあ、ずいぶんと溜め込んでるみたいじゃないの。私が始末してあげるわ」
「や、やめて下さい……」

 俺は自分でも情けなくなるような弱々しい声を出していた。が、恭子ちゃんとこうなる事を妄想していきり立っていたペニスは勃起がおさまらず、婦長の肉厚の手の中でドクドクと脈動して止まらない。そして婦長は俺のペニスを掴んだまま個室病棟の外に聞こえるかと心配になるような大声で怒鳴ったのである。

「お黙りなさい! 隠れてエロ本でシコシコしてた分際でナマ言うんじゃないよ!」

 そして婦長は大きな体を丸めて俺の股間に顔を埋めると、ペニスをパクリとくわえたのである。ああ、何て事だ。まだ女性を知らなかった俺の童貞のペニスが事もあろうに、こんな醜く太ったオバサンの口の洗礼を受ける事になろうとは……

 が。
 
 始めて経験するフェラチオは、恭子ちゃんを想ってピンピンになっていた俺のムスコには余りにも刺激的だった。それに婦長の百戦錬磨のような唇と舌が、縦横無尽に責め立てて来るのだ。実は俺は仮性包茎なのだが、婦長の舌が器用に包皮をどけてしまい、カリ首と胴体の間に溜まった恥垢を舐めとるようにしゃぶられた時には、余りの気持ち良さに、ああ~と女の子みたいな情けない声が出てしまった。

 そしてそれまでデリケートな口使いで俺を快感で夢中にさせていた婦長が、激しくジュバッジュバッと口をストロークして、とどめとばかりチューッと強烈に吸い上げられた俺は、5分と持たずドバッと劣情の証を放出してしまったのである。

「ずいぶんとイキがいいじゃないの、守君。こんな濃いザーメンを溜め込んでちゃカラダに毒だよ。これからはアタシがアンタの下の世話をしてあげるからね」

 婦長のフェラチオテクニックの凄さに抵抗を諦めて目を閉じ、恭子ちゃんにされているのだと想像していた俺は、婦長の低いダミ声が耳障りで、目を開けると醜く太った婦長の姿に現実に引き戻されゾッとした。

 が、婦長は相変わらず俺のペニスをくわえ込むとクチュクチュ口を動かして精液を一滴も残さず搾り取って来る。それが又イッタばかりの俺には刺激になってしまい、おぞましい快感が込み上げて来てペニスが萎えてくれなかった。それどころか一発抜いてますます硬度が増してしまったような感さえあった。

 だから俺が情けなく慄える小声で、

「い、いえ、結構です……」

 と婦長の「下の世話」を断ろうとしても豪快に笑い飛ばされてしまった。

「ははは、何言ってるんだい。まだまだ元気なままじゃないか……」

 そして婦長は今度は肉厚の手でペニスを握り締めると、ゆっくりシゴき始めたのだが、相撲取りみたいな肉付きのよい手の感触が又絶妙なのだった。さらに婦長は巨体を丸めて再び俺の股間に顔を埋めると、ペニスをシコシコとしごきながら、睾丸を口に含んだり、舌を竿の下部に這わせたりと性テクニックの限りを尽くして来た。

 これではたまらない。が、何と言っても婦長にアナルを舐められた時の衝撃と言ったらなかった。スルスルと滑らかに婦長の舌がアナルを出入りする度に異次元のアブナイ快感が突き抜けて、俺はあっと言う間に2発目の射精に導かれてしまったのである。

「アナルが感じるとはイケない子だね。この薄汚い豚野郎!」

 豚はお前の方だろうと一瞬思ったが、射精したザーメンを手に絡めてなおもペニスをシゴきながら罵声を浴びせて来る婦長の猛攻の前に俺はもう完全にKOされていた。そして2回射精してなお萎えないペニスを掴まれてビクビクさせている俺の顔の前に、婦長はピンクの白衣をはだけてパンツを脱ぎ捨て、むせるような剛毛の股間を押しつけて来た。

 こうしてバラ色だった俺の入院生活は、担当を替わってしまった婦長との、強烈な性プレイで塗りつぶされていった。脚の怪我は快方に向かっていたが、俺はギブスが取れるのが怖かった。毎日2、3発精液を搾り取られていた婦長にセックスの約束をさせられていたからである。

 自分の母親より年上で相撲取りのように太った醜い婦長に今でも猛烈な嫌悪感は覚えるのだが、俺のカラダは彼女の肉のタップリついた手と軟体動物のように蠢く口唇や舌にならされて、どうしたってペニスが反応してしまう。今婦長からは、退院したら一緒に暮らさないかと誘われている。離婚して独り身の婦長は、俺に就職なんかしないでいいと言うのだ。

 それも1つの生き方かも知れない。婦長のヒモになり、何不自由のない安楽な生活を送りながら、彼女の「性奴隷」として、素晴らしい性の快感まで味わわせてもらえるのだから。俺はたまに申し訳のように姿を現す恭子ちゃんより、醜く太った初老の女性に激しく欲情し、婦長が近付いて来ただけで痛いくらいに勃起してしまうペニスを感じながら、そう思うのだった。
 
~おしまい~


プチSM千夜一夜ものがたり 第1期 目次