☆この小説は「レメの官能小説」のロスコーさんより投稿して頂いたものです。著作権はロスコーさんが持っておられます。

ロスコー作 夜のカッターナイフ

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 それまでクラス一番の美少女だった私。けれど教師の色目が気に入らなくて、やがてクラスで孤立してしまっていた。そんなところにやってきた孤高の美少女と夜汽車の旅に出る。











第六話



三黑江白奈は凜としていた。
 すでに性欲に湧く夜行列車の中にあっても、その高潔さは神々しく、着こなした夜色のワンピースドレスもあってか、夜の女王のようだった。
 ……もう少し身長があればそこまで褒め崇めてもよかったが、夜の王女様と言ったところか。



「ねぇ、もっと私を抱いてくださいよぉ」



 三黑江白奈を連れ去っていく男達に媚態を示すのは乗務員のお姉さん。
 先ほど男の太い一撃を受けて悶絶していたのから立ち直り、今や男を求めて艶めかしいばかりだった。



「私、こんなんじゃ物足りないですよ……!
 いつもならもっともっと気持ち良くしてくれるじゃない……。
 今日ももっともっと気持ち良くしてぇ」



 女の子の大事な場所と教えられていた部分から白い精液を滴らせながら、お姉さんは男達に身体を寄せる。
 女という生き物も一枚皮を剥いでしまえば、こんなにも欲にまみれた汚らわしい生き物なんだなと、私は諦観していた。
 三黑江白奈は裸体で欲望を晒すお姉さんに対して、なにか同情するような表情を見せたが、性欲に溺れて女の性を哀れんだのかもしれない。
 この時の私には百歩譲ったって、お姉さんが三黑江白奈を守るために男達の気を引こうとしているなんて思いつきもしなかった。
 ただただお姉さんをみっともない雌豚の一匹と数えているだけだった。



「そんな貧相な身体の子よりも私のほうがいいでしょう?
 おっぱいだって、私のほうがうんと大きいですよ?」



 乳房を男の腕に押しつけながら、男の手を自分の恥部に運びやる。
 そうして唇ではキスを求めて――



「ちっ、うるせぇんだよ!」



 男に乱暴に振り払われ、お姉さんは床に倒れ込んだ。
 それでもすぐに立ち上がろうとするお姉さんに銃口が向けられた。



「ひっ……」
「……少し黙ってろ」



 銃の威嚇によって黙らざるを得なかったお姉さんの股ぐらに、男は靴の踵を落とし、踏みにじった。
 完全に白目を剥いて失神したお姉さんを、男達は適当に、捨てるように転がした。



「さぁて、今日はこっちのお嬢ちゃんに楽しませてもらおうかな」
「……………」
「おうおう、睨み付けてくれちゃって。
 いいね、儂は嬢ちゃんみたいな気の強い女も好きだぞぉ?」



そう言って三黑江白奈の肩に腕を回すのは、まるで巨大な牛蛙のような醜い男。
 年老いた皺だらけの肌はかさつき、シミや膿を溜めたイボがそこいら中にあり、ところどころから妙に一本だけ長い毛が生えていた。
 たるんだ腹と顎、顔だけはコッテリ脂ぎっており、いかにも不健康そうなだった。
 濁った白目も汚らしく、死んだ魚のような目で三黑江白奈の四肢を眺めると、舌舐めずりをするように舌を見せた。
 ちらりと見えた歯は黄ばみがひどく、男の吐息は色付いて見えるほどに臭そうだった。



「お嬢ちゃん、名前はなんてんだ?」
「………………」



 三黑江白奈は言葉を発しなかったし、男達に視線をやることもなかった。
 本当に生きた人形のようだった。
 一切の欠けもなく精巧に作られた美の結晶。
 そんな三黑江白奈が今にも醜い男達に汚されていくのだと思うと、私は興奮が止まらなかった。
 じゅくじゅくに濡れた自分の恥部に手を伸ばし、クリトリスを転がす。
 甘美なさざ波を背筋に感じながら、いよいよ三黑江白奈が壊れるのを焦がれ待つ。



「名前くらい教えてくれたっていいじゃないか、お嬢ちゃん」



 気持ち悪い蛙男が端正な形をした三黑江白奈の顎を無造作に掴む。



「…………………」
「そうかい、教えてくれねぇか。
 それどころか、儂と口をきくのも嫌なみたいだな。
 いいぞいいぞ、お嬢ちゃん。
 だがな、儂の言うことを聞かねぇ女は是が非でも言うことを聞かせたくなるんだよ」



 蛙男は嗜虐心を隠せぬ表情で、お約束のように銃口を三黑江白奈に向けた。



「嬢ちゃん、名前は?」
「…………………」
「ひひっ、良い度胸だ」



 銃口を額に当てても視線すら寄越さないのだから、三黑江白奈も相当だった。



「このまま嬢ちゃんを撃ち殺したら勝負に負けたようなもんだからな。
 じゃあ嬢ちゃん、嬢ちゃんの身内を殺すと脅したらどうする?」



 蛙男は男性乗務員を呼びつけて、乗客名簿を持ってこいと命令する。
 そんなものございません、と答える乗務員は殴りつけられ、倒れたところを頭を打ち抜かれて殺された。
 もう一人の男性乗務員が必死な声で答弁する。
 本当に乗客名簿が存在しないことと、三黑江白奈が同じ年頃の女の子と一緒だったと告げてくれやがる。
 カウンターの裏に隠れて観察者を気取っていた私の存在が取り沙汰されて、冷や汗が流れる。



「ほぅ……
 ……お前ら、連れてこい」



 蛙男は男達に命令を下した。
 まさかとは思っていたが、どうやらこの蛙男がグループのリーダー格のようだ。
 武闘派には見えない蛙男だから、このグループは荒くれ者の寄せ集めというわけではないようだ。
 だが、今はそんなことを考えている場合ではない。
 男達は私を三黑江白奈の身内として探しているのだから。
 もし見つかったりしたら……命までは奪われないかもしれないが、貞操を守ることは不可能だろう。
 あんな人語をしゃべる牛蛙のような男に抱かれるなどと考えただけでも身の毛もよだつというのに、本当に抱かれてしまったらば私は夜行列車の窓から身投げしたくなるだろう。
 私はカウンターの後ろに身体を丸めて身を潜める。
 今や発情しきった雌となってしまった乗務員のお姉さんと三黑江白奈しか私がここに隠れていることは知らないはず。
 私たちと同じ年頃の女の子なんて、食堂車にはいなかったはずだ。
 わざわざ寝台車まで調べに行ったりはしないだろうから、男達は諦めてくれるかもしれないと期待しながら身体を縮こまらせる。



「へぇ……ここに隠れてるって?
 なんだ、本当に隠れてやがった!」



 すぐ近くからする男の声に私は顔をあげた。
 そこには銃を構えた男が一人、軽薄な顔をして私を捉えていた。
 こんなあっさり見つかってしまうということは、誰かが私の居場所を告げ口したのだろう。
 こそこそ隠れていた私には告げ口をした人を責める権利などないが、そういう私たちの浅ましさを嘲笑うような男の笑顔だった。



「立て」



 背中に銃を突きつけられ、私は三黑江白奈の前まで歩かされた。
 私が現れても三黑江白奈は視線を動かすことなく、どこまでも無機質な人形を努めていたのに、私は揺れる瞳で三黑江白奈に語りかけるように見つめていた。
 男達からすれば、それが私と三黑江白奈が何かしら関係のある間柄であるという証拠だったろう。
 満足顔の蛙男が銃口を私に向けながら、三黑江白奈に訊く。



「お嬢ちゃん、お名前は?」



 その嘲りを含んだ質問に、ついに三黑江白奈は口を割った。



「……三黑江、白奈」



 うつむき加減で答える三黑江白奈に申し訳ないと思う気持ちと共に、あの三黑江白奈が崩れるきっかけになれた自分を密かに誇ってもいた。



「……ふっ、はは……」



 どうしてだか込み上げてくる嗤いを堪えきれず、私は声に出して嗤ってしまっていた。

続く→夜のカッターナイフ 第七話 美少女を人前で全裸にひん剥き、大股開きのクンニリングス

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